今回からは、フランス北東部にあるメッスという街への旅をリポートします。
メッスはロレーヌ地方の都市。人口13万人の中都市だ。ドイツやルクセンブルグとの国境に近く交通の要所だったことから、1871年から1918年まではドイツに併合されるという歴史を持っている。従って、市内にはドイツ風の建物や文化も残る街。そんな街並みを歩いてみた。
パリを出発して約1時間30分、メッスに着いたのは早めの午後だった。駅近くのホテルにチェックインして早速街歩きを始めた。
まず駅舎の立派さに感心する。1908年完成というから、まさにドイツ時代の建物。ネオロマン様式で、グレーの砂岩が使われており、まるで城のような重厚さを誇っている。ライン川沿いの城を連想してしまった。この駅前周辺はインペリアル地区と呼ばれている。
壁面には働く人々の彫刻が各所に刻まれている。
クリスマスが近いということで、構内にはキリスト誕生を待つ馬小屋のシーンが造られていた。
一方、こんな現代的なデザインもなされていて、面白い造りになっている。
街を歩いてゆくと、あれあれ、道路中央に大きなドラゴンが吊り下げられていた。
由来を聞くと、3世紀に街をドラゴンが襲った。これに初代司教の聖コルタンが立ち向かい戦いの末に退治した、という伝説があり、今ではこのドラゴンが街の守り神になっているという。退治した敵なのに、今では守り神。変わってるかも。
道路上には道標がはめ込まれており、そこにもドラゴンのイラストが描かれていた。
また、別の道標には人の顔のイラストが・・・。この街はなかなかユーモラスなセンスが感じられる。