新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

フランス・メッス② ジャン・コクトーのステンドグラスは、見る者の感覚を快適に刺激してくる

2020-11-28 | フランス・メッス

メッスで最初に入った教会はサン・マキシマン教会。建物は特別変わっているわけでもなく、うっかり見逃しそうなたたずまいだが、中に貴重な作品が収まっている。

 それが、ジャン・コクトーが制作したステンドグラスだ。全体が青を基調としたスッキリとした色調。ただ、よく見ると教会ではあまり見慣れないアフリカの仮面や迷路、植物、さらに平和を象徴する鳩などが巧みに配置されている。

 このステンドグラスは、じっと見ていると人の顔が浮かび上がってくる。

 吹っ切れたような明るいトーンが、見る者の感覚を快適に刺激してくる。

 おなじ青でも微妙に変化が付けられている。この右側の顔はまるで般若の面のように見える瞬間がある。

 こちらは赤も使った鮮やかさが際立つ色彩。

 その右側下部に、ジャン・コクトーと自らのサインが刻んであった。

 教会のステンドグラスといえば、聖書の物語などが展開されるのが一般的だが、コクトーはそうした常識を覆して、独自の世界を作り上げているのが興味深かった。

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする