14世紀に完成した フランス中世建築の究極ともいうべきノートルダム大聖堂は
パリ発祥の地とされるシテ島に 燦然と輝いていた
それが約800年後の2019年4月 突然の出火によって
多くの部分が焼失するという 惨事に見舞われた
私はその4か月前に クリスマスで賑わうパリを旅した直後だったため
一層のショックを受けたことを 今更のように思い出す
今回は失われた尖塔を 最もよく眺められる
聖堂後方からの写真と共に 回顧してみたい
初めて大聖堂を訪れたのは もう4半世紀前のことだった
方角を間違えて 後方からシテ島に入ったので
建物の第一印象は 「妙に荒々しい造作だな」というものだった
後方中央の建物から 何本もの斜めの柱が突き出している
見方によっては まるで宇宙船のようにも思えた
その柱群が 中世のゴシック建築の最大の特徴だ
高さから来る重圧を横に逃がすことで 高層化と大窓設置を可能にした
フライングバットレスだということを この時初めて知った
前に回れば繊細とさえ言える 聖人像群に出会え
内部から見上げるバラ窓に 感動するという
何重もの新鮮な喜びを 与えてくれた大聖堂
以後何度も訪れてそこにあるということが 当たり前のように思えていた
最近のニュースでは 今年12月には修復を完了すると報じられた
パリ五輪は いよいよ今日開会式が行われる
オリンピックには間に合わなかったが 歴史的建造物の全容が
ようやくあの高くそびえる尖塔とともに 蘇ってくることに喜びを禁じ得ない
そして今日 このブログ「新イタリアの誘惑」が
開始からちょうど3000日を迎えました
訪問していただいている皆様に 感謝すると共に
今後とも引き続きご愛顧いただけますように
よろしく お願いいたします