新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

心ふるえる風景 パリ編㊷  サンジェルマンデプレ教会で出会った 慈しみに満ちた聖母の表情

2025-02-15 | 心ふるえる風景 パリ編

セーヌ川左岸にあるサンジェルマンデプレ教会は パリに現存する最古の教会だ

パリでは数少ない ロマネスク様式で建造されている

ゴシック建築のノートルダム大聖堂などと違って 観光客は少ない

境内に入ると ひんやりした空気に包まれる感覚だ

 

ステンドグラスから差し込む光を浴びながら ほぼ一周し終えようとした頃

一体の像に出会った 13世紀中ごろと推定される聖母子像

20世紀後半に 教会近くの壁の土台から発見されたとのことで

像全体のうち右半身は失われた形だった

 

顔も鼻の一部は欠けた状態だが

衣をかぶって 抱きかかえる我が子を見つめる表情は

慈しみに満ち 優しさの極地とでも言えそうな 微笑みを湛えて居る

 

人が 心から湧き上がる愛の気持ちを表現する時

これ以上はないだろうと思える 目元口元ほほの温かさ ・・・

以来私は この像の表情を 自らの心に大切に刻み続けている

 

 

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