3年前の8月、富岡八幡宮の例大祭を見に行った。
通称「深川水掛祭り」。永代橋付近で待機していると、神輿を担いだ若者たちが、威勢の良い掛け声とともにぐんぐん迫ってきた。
そこに浴びせかけられる大量の水。
消防団のホースからも滝のように降り注がれる水の中を、ものともせずに突き進む行列。
その模様を、道路を埋め尽くした観衆が拍手、歓声と共に見守る。
まさに江戸っ子たちの祭りを実感した一日だった。祭りは3年に1度本祭りとして52基の神輿が一斉に街に繰り出す。それが、今年のはずだったのだが、新型コロナ問題で、大祭は来年に延期が決まってしまった。
富岡八幡宮。これまで紹介した神田明神や日枝神社は徳川家という権力者の守護の下に地位を築いた神社だが、こちらはどちらかといえば材木取引で富を蓄えた木場商人や米問屋の旦那衆に支えられた江戸市民の神社と言えるだろう。
粋で派手、目立ったことが大好き。そんな土地柄は、境内に納められた4.5トンもある日本一の大神輿の存在からも推し量られる。
ここは17世紀、わが国初の勧進相撲が開始された記念すべき場所でもある。そんな歴史から、歴代横綱の名前を刻んだ「横綱力士の碑」があり、
並んで「大関力士の碑」も。その隣に、「巨人力士身長碑」というのが目に入った。ここに記された記録によると、最高身長の力士は生月鯨太左衛門で、7尺6寸。約2m30cmだという。まさにジャイアント馬場並みの巨人だったようだ。
入り口近くに伊能忠敬の像が立っている。門前仲町に住み、測量の旅に出かける時には必ずここで参拝してから出発したという。全国を測量して日本地図を作製した先駆者は、なかなか哲学的なお顔をしていらっしゃる。
ぜひ来年こそは、またあの勇壮な祭りを再び目にしたいものだ。
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