京都市左京区にある寺・永観堂には臥竜廊と呼ばれる廊下階段がある。
敷地の中の急な斜面に沿って建てられた建築をつなぐ廊下だ。地形に合わせた形で造られているので、この廊下は直線ではなく、曲がりながら上昇し、高台にある開山堂に通じている。
その曲線の具合が、まるで龍が体をうねりねじりながら蠢いているように見えることから、名前が付けられたという。
16世紀初めに造られたもので、昭和時代に改修されているが、木材を斜面、勾配に沿って微妙に曲げたうえ、1本の釘も使わない組細工で完成させた優れものだ。
臥竜廊の入口には、反対の阿弥陀堂への上り口もあった。
ただし、こちらへの階段は直線で出来ていた。
開山堂へは臥竜廊を通らなくとも、外の石段で直行できる。カップルがその石段を歩いていた。なだらかな弧を描いて上昇する石段もなかなか。
その他にもいくつか外の館に繋がる石段が見られた。こちらは長い長い階段。見事な直線が2つ繋がってすっきりと春の光に映えていた。
廊下越しに見つけたもう1つの階段は少し苔むしていて、ひっそりとたたずむ具合が味わい深かった。
これらの階段を見ても、永観堂が相当な斜面に建てられた寺であることがよくわかった。
京都らしい階段ですよね。
ただ、今日は京都でも最新型のLED階段をアップしました。京都は新しもの好きという気風もあるといいますから。