シャガール以外にも注目すべきステンドグラスが各所に配置されている。その1つは入り口を入ってすぐ右側廊にある大きなステンドグラス。これは3つに分かれている。
中央には「聖母戴冠」がある。キリストが頭上に掲げた冠を、左に控える聖母が受け取る場面だ。胸に手を合わせた聖母の目の覚めるように鮮やかな青い着衣。贈り主(キリスト)の着衣の赤とのコントラスト。そして冠を見つめる聖母の真っすぐな瞳が見事に表現されている。
右には「聖ドミニコ」。キリスト教など信じていなかったドミニコが回心して祈りの道具であるロザリオを聖母から受け取る場面。回心のために三日三晩祈り続けた時、目の前に聖母が現れたという。
そして左にあるのはシモン・ストックが1251年に聖母からスカラプリオ(修道士が肩から下げる衣装)を受け取るシーン。
いずれも人生の節目に大事な物を受け取るところで、聖母が印象的な姿で登場している。このステンドグラスはメイヤーの1884年の作品だ。
とても新しい作品もあった。聖体礼拝堂のものはジャックス・ヴィロンの1957年の作品だ。
左はユダヤ人の出エジプトを祈念する過ぎ越しの祭りと最後の晩餐。
中央にはキリストの処刑。
右がカナの婚礼とモーゼの非難。
かなり抽象的な表現で難解。具体的な物語をこの絵から読み解こうとするより、豊かな色彩の変化を楽しんだ方がよさそうだ。
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