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サンマルコ広場で見つけたレリーフや彫像はバラエティに富んでいる。まず、なんといっても豪華なのは、サンマルコ聖堂とドゥカーレ宮殿とのつなぎ目にある布告門だ。
聖書を持つ獅子像を中心に、高く大きな門がそびえ立つかのように入り口を飾っている。バルトロメオ・ボンによる、バロック期の代表的作品だ。同宮殿へは現在は別の場所から入場するが、本来はここが正門となる。
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その横の壁にも美しい浮彫が幾つも見られる。そして角には赤い大理石で造られた4人の男性像。ディオクレティアヌスらローマ帝国末期の4人の皇帝を表したものだ。
4世紀のエジプトの作品が、コンスタンティノープル経由でもたらされた。
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ドゥカーレ宮殿の海側に面した壁の角には2種類の人体彫刻がある。向かって右側、ため息橋を見つけて近づくと、その手前にヌッと顔を見せる老人と鉢合わせする。これはフィリッポ・カレンダリオによる「ノアの泥酔」。
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その後ろには、彼の息子たちがいる。
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また、反対の左側角には、アダムとイヴの像がある。
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この像の足許にもたくさんの人びとが彫り込まれており、装飾的な要素を担っている。
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さらに、アダムとイヴ像の一階上、2層目のアーチの中にいる剣を持った女性像は「ヴェネツィアの擬人像」。これらはいずれも14世紀半ばのカレンダリオの作品。
カレンダリオはドゥカーレ宮殿の首席建築家だったが、1355年のドージェ(元首)マリーノ・ファリエール事件で失脚してしまった。
ファリエールが独裁者になろうと企てた罪で斬首刑となった事件だが、カレンダリオもこの企てに加わったとして絞首刑になってしまったのだ。
死刑の執行はサンマルコ小広場っで行われたが、そこはまさしく「アダムとイヴ」像と目と鼻の先。自らの造った作品に目撃されながらの死刑執行だった。
なお、ドゥカーレ宮殿に入られた方は記憶があるかもしれないが、大評議会室に飾られた歴代元首の肖像画の中で、1枚だけ黒く塗りつぶされた肖像画がある。それがファリエールだ。
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行政館側の角でも、こんな像が見つかった。
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ため息橋のほんの少し先、超高級ホテルとして有名な「ホテルダニエル」の正面玄関上には‟女神”がいる。それも結構大胆なポーズをした自由の女神だ。