新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

彫刻の森美術館⑦ 北村西望、佐藤忠良、舟越保武・・・日本人作家がその成果を競う

2020-05-12 | 箱根・彫刻の森美術館

日本人作家の作品が多く並ぶエリアにやってきた。

 愛くるしい少年の、ちょっとぽかんとした表情。

 長崎平和公園の「平和祈念像」を手掛けた北村西望がこんな作品も製作していた。タイトルは「将軍の孫」。

 隣は高田博厚の「海」。

さらに隣は佐藤忠良作「マント」。洗練された女性のすらりと立ち上がった凛々しき姿。

 同じ忠良作品に、もっと迫力を備えた「若い女」というものもあった。思い切りひねった体からは、緊張感と共にはちきれんばかりの若さが発散される。好きな作品だ。

 本郷新の「鶏を抱く女」は、私にはちょっと近づきがたい雰囲気。

 朝倉響子作「女」。自らの感情をすべて内面に閉じ込めてそっぽを向いたような姿。こちらの方が、もっと近づきがたいかな・・・。

 ならば、自らの意志を持ち何者にもその志を邪魔されまいと、すっくと立つ女性像の方に魅かれてしまう。舟越保武の「道東の春」だ。

 これだけズラリと日本人作家の力作が一堂に会した場所はそうそうないだろう。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

彫刻の森美術館⑥ 早春の野に展開するエミリオ・グレコの女性像。イタリアでの思い出と共に

2020-05-09 | 箱根・彫刻の森美術館

次に、人体彫刻の集まるエリアへ進んだ。ここにはイタリア現代彫刻の代表的作家エミリオ・グレコの作品が3体並んでいる。

 まずは「水浴びする女」。山々をバックに思い切り背伸びした姿は何とも爽快。

 女性二人組も熱心に撮影していた。

 「うずくまる女」。こちらは対照的に体を縮こまらせていて、何か苦し気な態勢だ。

 3体目は「腰掛ける女」。

 表情をアップしてみると、こちらは深く物事を思索しているかのような・・・。

グレコはイタリア・オルビエートにあるグレコ美術館で沢山の作品にふれたことがあるので、とても懐かしく鑑賞する時間帯だった。そういえば、仙台市の定禅寺通りにも彼の作品「夏の思い出」があったっけ。

 その先にはピカソ館がある。主にピカソの陶器やデッサンなどを収蔵した館だが、ここは撮影禁止だった。

 近くにひっそりと立っていたもの。「風の歌」と題されたカラフルな風車のような作品。ロバート・マンゴールドの作。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

彫刻の森美術館⑤ ステンドグラスの階段から幸せのシンフォニーがあふれ出す

2020-05-05 | 箱根・彫刻の森美術館

 さあ、この美術館一番の目的にようやく到着した。「幸せを呼ぶシンフォニー彫刻」と題された作品。ガブリエル・ロワールの製作だ。

 遠目には特に目立つこともない円筒形の建物のように見える。

 しかし、内部に入った途端に全くの別世界、オールカラーの光景が展開する。

 外壁面はすべてステンドグラス。目くるめくような色彩が外光を取り入れて輝きだす。

 中心部は階段になっており、この螺旋階段をたどって頂上まで上がることが出来る。

 階段部分には足跡模様がつけられていて、これに足を充てて歩けば安心して上下できる。上りと下りは別になっていて、ぶつからないような二重らせん構造だ。

 頂上部分が見えた。外の明かりが漏れてきた。

 ここが頂上スペース。円形の囲みから外に出る。

 下を眺めると、細長い水場がある。ああ、あそこが足湯スペースになっているんだ。

 今度は下り階段を使って地上へ降りて行く。

 以前スマホのテレビcmでここが映されたが、実際に来て体験してみると、まさに幸せ気分があふれる空間なのが実感できた。

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

彫刻の森美術館④ なじみの‟ニキちゃん”に挨拶し、懐かしの「乙女の像」で思い出にひたる

2020-05-02 | 箱根・彫刻の森美術館

 出ました! 「ミス ブラックパワー」。

 彫刻の森を初めて訪れたのは、もう何十年も前のことになるが、その時最も印象に残ったのがこの巨大な女性像だった。それから、訪れる度に必ずこの「ミス」には「また来たよ」と挨拶するのが習慣となっている。

 近くでこの像を見ながら母子が話していた。「ママはね、この像をニキちゃんって呼んでるんだよ。あなたも呼んでご覧」。「ニキ、ニキちゃん!」。「そうそう」。

 像の作者はニキ・ド・サン・ファール。私もこれから彼女を「ニキちゃん」と呼ぼうかな。

 こちらはなぜか「ボクシングをする二匹のうさぎ」。タイトルそのままの姿。一般的には優しく従順なように思われがちなうさぎだが「実際にはそれだけじゃない別の面もあるぞ」と言っているような・・・。人間だって一面だけの人なんか一人もいない。

 うさぎの奥に見えたのは、「みちのく」。高村光太郎作。この作品は青森県の十和田湖畔に建てられた「乙女の像」と同じ作品だ。作者の妻智恵子がモデルともいわれている。

 私にとって十和田湖は青春の地。忘れがたい場所なので、しばらくはこの像の前で過ぎ去った日々の思い出にひたってしまった。

 「プリマヴェラ」。峯孝作。プリマヴェラとはイタリア語で春のこと。さあ、ようやく春が来たーと、厚い服を脱ぎ捨てて外に飛び出そうとしているのかなあ。とても刺激的な作品だ。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする