新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

ブールジュ④ 「ブールジュルージュ」鮮やかな赤で装飾された5世紀にわたるステンドグラス

2020-08-11 | フランス・ブールジュ

 次にスタンドグラスを見て行こう。ここでは13世紀から17世紀にかけてのバラエティ豊かなステンドが一気に鑑賞できる。

まずは13世紀のものから。最後の審判を描いたもの。

 これは放蕩息子。

 いずれも聖書の物語をテーマとして描かれているが、非常に細かく繊細な図案が多い。なかなか素人にはその内容を読み解くことは困難だ。

 ただ、色彩を中心に鑑賞する方法もある。ここのステンドグラスは赤がとても鮮やかだ。フランスの大聖堂の中でも青が有名なシャルトル大聖堂の「シャルトルブルー」に対して、ここは「ブールジュルージュ」として高く評価されている。

 描かれた人たちの姿も、アップにしてみれば結構わかりやすく、タッチも柔らかい感じがする。

 本当なら1つ1つの物語をじっくりと解説付きで鑑賞したいと思った。

 よく見れば人物たちが生き生きと躍動している。

 そして、青だってとてもいい色だ。

 15世紀以降のステンドグラスは、やはり人物描写のタッチが全く異なっている。これは「使徒たち」。

 「聖ラウレンティウスと聖ステファノ」。16世紀のものだ。

 13世紀に比べて人物たちより装飾がかなり多くなってきている。

 周辺の装飾がこんなにもすごいものまであった。

 聖母の生涯を描いたステンドグラス。これも読み解くのは困難を極めそうで、端からあきらめた。

 最後にバラ窓。見事な豪華さだ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブールジュ③ ステンドグラスの光の粒が、大聖堂の床に色模様を広げた

2020-08-07 | フランス・ブールジュ

 中に入ると広々とした空間が広がる。

 天井は中央の身廊が一番高く37m。両側の側廊が少し低くなるような3層の高低差のある構造になっている。

 柱上部にはアーチが架けられ、優雅な姿に仕上げられている。

 シャンデリア。大きく複雑な形で、私の記憶の中では他の聖堂ではあまりお目にかかっていない。

 そんなシャンデリアが幾つも吊り下げられているのも、ここの大聖堂の特徴の1つかも。

 意外にもこの大聖堂内部にはあまり彫像が目立たなかったが、それだけにこの銀の聖母子像は異色の輝きを見せていた。

 ちょうど夕日が差し込む時間帯で、並べられた椅子の影が長く長く聖堂の床に伸びていた。

 これもある時間帯だけにしか見られない光景だ。

 そして、ステンドグラスの色模様が、柱にも移って赤く染まった。

 こんな風に点々の色模様が描かれた場所も。

 角度を変えて見ると、椅子の影からつながって光の粒が続いているように見える瞬間もあった。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブールジュ② 大聖堂南扉口。長身の聖人たち。傷ついても尊厳を保つキリスト像。

2020-08-04 | フランス・ブールジュ

 ブールジュ大聖堂の後ろ側に回ってみた。西正面と違って荒々しい表情の、ゴシックの特徴がよく出ている。

 天井の重量を支えるフライングバットレスがそそり立つ。

 まるで剣の切っ先のようにとがった形だ。

 南扉口左側。長身の聖人たちが整然と並ぶ。

 扉口の中心には聖なるキリストの像。ちょっと顔面が傷ついているようだ。

 でも崇高な顔立ちであることはよくわかる。

 こちらは南扉口右側。同様に聖人像が並ぶ。

 タンパンには鳥や動物たちが配置されている。

 扉口の上部に面白い形の穴があけられている。

 そこを通して見上げる空には、次々と雲が流れていた。夜には雨になるかも。

 大聖堂裏の公園にあった群像。楽しそうに踊る子供たちの幸せな様に、ちょっと見とれた。

 さあ、それでは大聖堂の中に入ってみよう。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブールジュ①  雄大な大聖堂は、キリスト教史上最初の殉教者に捧げられている

2020-08-01 | フランス・ブールジュ

今日から8月、そしていよいよ梅雨明け!

ということで、気分一新して8月は寺社巡りは一旦中断し、フランス旅行の模様を紹介しようと思います。旅先はブールジュ。

 フランス中部ロワール川流域南西部の都市ブールジュにやってきた。ここにあるゴシックの大聖堂見学が主目的だ。

 前身は3世紀ころに建てられた聖堂。11世紀にロマネスク様式の大規模な聖堂に生まれ変わり、12世紀以降ゴシック様式に改築されて今日に至っている。

 正式名称はサンテティエンヌ大聖堂。まだキリスト教が公認される前、石打ちの刑にかかって殉死した聖テティエンヌ(聖ステファノ)を祀った聖堂だ。彼はキリスト教最初の殉教者として聖人になっている。

 建物の中間で横に張り出した袖廊の無い、寸胴型のシンプルな造りになっている。

 西正面が正式の正面玄関だが、前に広場がないため全体をカメラに収めるのは非常に難しい。この正面には5つの扉口があるのだが、私が訪れた時は中央部分の修復工事中で覆いが架けられていて、扉口を見ることが出来なかった。

 仕方なしに左端の扉口をアップ。

 そこには無数の像がびっしりと刻み付けられている。

 飛び出しているのは、ガーゴイル。

 タンパンや周辺には色んな群像があった。動物を連れて歩く家族。描かれるのはすべて聖書の物語なので、これはノア洪水の話のようだ。

 こちらには子供を背負った人の像も。とにかくバラエティ豊かな像があちこちに。

 もちろん、聖人像が良く目立つ。

 整列して進む人々の姿も見受けられる。

 中央扉口上部のバラ窓は、ブールジュ領主のベリー公に捧げられたものだという。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする