新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

南仏・コートダジュールへ⑯ マティス下 芸術家たちが好んだ町を、芸術の香りを感じながらぶらぶら散歩

2022-01-11 | 南仏・コートダジュール

 ヴァンスやサンポールなど山岳の高台にある町は、その風光明媚でバラエティに富んだロケーションから、多くの芸術家を引き付けてきた。そんな影響からか、今ではあちこちの通りに洒落た家並みや開放的なギャラリーを見つけることが出来る。

 そんな町をぶらぶらと歩いてみた。

 ヴァンスの店先で見つけた母子像。とてもスタイリッシュ。

 オフィスの前には現代的な人物像。よく見るとこれも女性像のようだ。

 城壁の外、渓谷を展望できる高台にあった群像。みんな風景を楽しでいるかのよう。実は私もこの場所で遅い朝食を摂りながら自宅に電話をした。

 こちらはサンポール。アトリエ内に飾られていた人物像。

 サンポールの旧市街は、車の入れない階段状の狭い道が続く。

 でも、風情のある通りは散歩に最適だ。

 見つめ合う二人。

 中年紳士。空を見上げて何を思うのか。

 別の場所で振り返ると、シルエットの紳士は無心に生い茂った樹木を見つめていた。

 

 

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南仏・コートダジュールへ⑮ マティス中 

2022-01-08 | 南仏・コートダジュール

 ニースに戻り、マティス美術館に向かった。

 マティスは1921年に初めてニースのサレヤ広場に居を構え、その後コートダジュール周辺に何度も転居しながら「ダンス」や「ジャズ」などの連作を発表した。

 さらに、前回述べたように「ロザリオ礼拝堂」の仕事にかかり、1954年の死去まで、この地で活動を続けた。そんな活動の一部を展示するマティス美術館は1963年にオープンしている。

 入ってみると、ここにはロザリオ礼拝堂のためのデッサンなどが多数展示されていた。それで、入れなかった悔しさが少しは解消することが出来た。これは聖ドミンゴの像。余計な線を使わずにすっきりと仕上げた人物像は、「すごい!」とうなってしまった。

 こちらも礼拝堂のステンドグラスに使われたデッサンだ。「命の木」と命名された作品。

 この他、代表作ダンスシリーズの切絵もあった。なんか、悔しかった気持ちがスッと落ち着いたような感じで美術館を出ることが出来た。

 帰り際、振り向くと美術館の奥の空がほんのりとピンクに染まっていた。

 その近くにあったシミエ修道院。

 内部は無人状態で、どこか厳かな雰囲気が満ちている。

 外に出ると、林越しに見事な夕焼けが迎えてくれた。

 シミエの丘は高台にあるので、ニースの街並みが見下ろせる。

 山と街とのハーモニーをたっぷり鑑賞できた。奥に真っ白な雪をかぶった山も見える。

実はシミエ・フランシスコ修道院にはマティスの墓があるはずなのだが、暗くなってしまったので、翌日出直した。

 翌朝、遠くの山越しに光っているの地中海を見つめながらマティスの墓へ。

 シミエ地区は広い公園になっていて、緑地が広がる。

 マティスの墓は、多くの墓が集まる場所ではなく、標識に従って階段を下りた全く別の区画にあった。

 マティスの墓にも沢山の石が載せられていた。

 また、別区画にはデュフィの墓も見つかった。

 

 

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南仏・コートダジュールへ⑭ マティス上 やっとたどり着いた憧れのロザリオ礼拝堂の、ドアが開かない!?

2022-01-04 | 南仏・コートダジュール

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。新年もコートダジュール企画を続行して行きます。

 シャガール編に続いては同じくこの地域に住んだ画家アンリ・マティス編を開始します。

 マティスにもゆかりのヴァンスには、ロザリオ礼拝堂がある。マティスが晩年に心血を注いだ礼拝堂だ。

 この礼拝堂には感動的なエピソードがある。

 マティスがこの仕事を引き受けたのは77歳の時。きっかけは、ジャック・マリーという、ある修道女からの相談だった。彼女はかつてマティスが病に倒れた時に、手厚く看病してくれた人物で、モデルも務めたことがあった。彼女はその後修道女となっていて、新しい礼拝堂の建設を計画したが、なかなか実現は難しい状況だった。

 それを聞いたマティスは、この話を「神からの贈り物」と受け止めた。そして病弱な体をものともせず、1948年から3年をかけて完成にこぎつけた。

 そんな心のこもった礼拝堂にやっと会える!

地元の人に「ロザリオ礼拝堂は?」と尋ねても通じなかったが、「マティスの教会」と言ったらすぐにわかった。

 少し歩くと坂の上にその姿を発見した。白い外壁がまぶしいほど。屋根も青と白のすっきりした色彩だ。

 坂を上って、ようやく目の前に礼拝堂が現れた。

 壁には聖ドミニコと聖母子の姿がマティス独特のタッチで描かれている。

 窓はステンドグラスの光を跳ね返してキラキラ。

 十字架を表現した屋根の上の柱が金色に輝いている。

 マティスは献堂式で「この作品は、私の芸術家人生のすべての結果です」と語ったという。

 さあ、いよいよ礼拝堂に入ろう!と入口に回って見ると、

 何と「22日まで休み」の張り紙が。日本出発前にホームページでチェックした時には「12月は17日まで休み」とあったので、18日に訪れたのだったが・・・・。20日にはニース出発なので、残念ながら今回は難しい状況になってしまった。

 仕方なく、窓から透けて見えるステンドグラスのデッサンを覗いたり、

 光を受けてシルエットとなった十字架を写真に撮ったりして、

 何度も振り返りながら、礼拝堂を後にした。

(なお、トップの礼拝堂内部の写真は、絵葉書の複写です)

 

 

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