<4月の鑑賞予定映画>
~魂を打ち抜く、全く新しいミュージカルエンターテインメント~
2024年 フランス/ベルギー映画 (2025.03.28公開)
第97回(2025)アカデミー賞助演女優賞受賞
第82回ゴールデングローブ賞4部門受賞
第77回カンヌ国際映画祭2部門受賞
配給:GAGA 上映時間:133分
監督:ジャック・オーディアール
原作:ボリス・ラゾン
脚本:ジャック・オーディアール
美術:エマニュエル・デュプレ
音楽:クレモン・デュコル/カミーユ
衣装:ヴィルジニー・モンテル
サンローラン芸術衣装監修:アンソニー・バカレロ
出演:ゾーイ・サルダナ/カルラ・ソフィア・ガスコン/セレーナ・ゴメス
アドリアーナ・パス/エドガー・ラミレス/マーク・イバニール
<見どころ>
ボリス・ラゾンの小説を原作に、女性として新たな人生を歩むことになった
麻薬カルテルの元ボスを描くドラマ。かつて麻薬カルテルの頂点に君臨した男性が、
弁護士の協力によりエミリア・ペレスという女性へと生まれ変わる。監督などを
務めるのは『パリ13区』などのジャック・オーディアール。『コロンビアーナ』
などのゾーイ・サルダナ、カルラ・ソフィア・ガスコンのほか、セレーナ・ゴメス、
アドリアーナ・パスらがキャストに名を連ねている。
<ストーリー>
弁護士のリタは、麻薬カルテルを率いるマニタスから女性として生きるために
新たな生活を用意してもらいたいと依頼を受ける。リタの周到な計画により極秘の
計画が実行に移され、男性としてのマニタスは消息を絶つことに成功する。
数年後、イギリスで新しいスタートを切ったリタの前に、エミリア・ペレスという
女性が姿を見せる。
<感想>
ゾーイ・サルダナがオスカーを獲得した、というぐらいの予備知識で鑑賞。
ここ数年、アカデミー賞が「多様性」に配慮しているのは感じていましたが
なるほど、「教皇選挙」に引き続きこの作品もそうか・・。
それにしても、ミュージカル映画とは思わななかったから冒頭からびっくりだし
なんだかフランス映画に見えない^^:
そもそも、ミュージカルにする必要があったのかしら?
過去を捨てて自由になりたい、と強い願いで女性になったエミリア。
だが結局、妻も子供も手元に置いておきたい、という欲が仇となって
悲劇的な結末へ。
等価交換ではないが何かを得たければ何かを失う。この覚悟が足りなかった。
弁護士(ゾーイ・サルダナ)の視点からの描き方だったので、ゾーイが
主演のようにも感じました。オスカーは納得。
重たい内容だけど、物議を醸した作品だけあってツッコミどころもあり
個人的にはもやっとした作品でした。
点数:6点/10
~これは選挙か、戦争か~
2024年 アメリカ/イギリス合作 (2025.03.20公開)
配給:キノフィルムズ 上映時間:120分
監督:エドワード・ベルガー
原作:ロバート・ハリス
脚本:ピーター・ストローハン
美術:スージー・デイビス
衣装:リジー・クリストル
音楽:フォルカー・ベルテルマン
出演:レイフ・ファインズ/スタンリー・トゥッチ/ジョン・リスゴー
カルロス・ディエス/ルシアン・ムサマティ/ブライアン・F・オバーン
メラーブ・ニニッゼ/セルジオ・カステリット/イザベラ・ロッセリーニ
<見どころ>
ロバート・ハリスの小説「CONCLAVE」を原作に、ローマ教皇選挙を題材に描く
ミステリー。ローマ教皇の死去に伴い枢機卿たちが新教皇を決める教皇選挙
(コンクラーベ)を取り仕切る中で、ある秘密が浮かび上がる。監督を務めるのは
『西部戦線異状なし』などのエドワード・ベルガー。レイフ・ファインズ
スタンリー・トゥッチのほか、ジョン・リスゴー、イザベラ・ロッセリーニらが
キャストに名を連ねる。
<ストーリー>
カトリックの最高指導者であると同時にバチカン市国の元首でもあるローマ教皇が
死去し、新教皇を選ぶ教皇選挙(コンクラーベ)が行われる。ローレンス枢機卿
(レイフ・ファインズ)が、新教皇を決定する教皇選挙のまとめ役を務めることになり、
100人を超える候補者たちが世界中から集まる中で、密室での投票が始まる。
<感想>
まず思ったのが、なぜ邦題を「教皇選挙」にしたのかしら?
字幕で散々「コンクラーベ」と言ってるから、タイトル通り「CONCLAVE」で
良かったのでは?
コンクラーベは、在位の長かったヨハネ・パウロ2世からベネディクトゥス16世を
決める時にTVでかなり報道されていたので、流れがだいたい知っていましたが
権力を目の前にすると聖職者も人の子、欲には勝てないか・・。
なんだか見てはいけないものを見てしまった気が^^;
サスペンスと宣伝されていますが、どちらかと言うと欲の生々しさを
とらえています。注目したのが映像美。衣装も細部まで細かく宗教画をみているかのよう。
保守とリベラルの間に挟まれ苦悩するレイフ・ファインズの抑えた演技が
素晴らしい。欲に負け、自分に投票した瞬間に爆破でステンドガラスが
彼の頭上に落ちてくるシーンは特に印象に残ります。
はっきり言って地味な展開だが、名優ばかり出ているので最後まで
飽きずに鑑賞できるが、万人受けはしないかも。
信仰の本質を問いかけることが狙いのようにも感じ、なかなか面白かったです。
点数:7点/10
~ひとつのボートに乗り合わせた動物たちの冒険~
2024年 ラトビア/フランス/ベルギー映画 (2025.03.14公開)
第97回アカデミー賞(2025年)長編アニメーション賞受賞
第82回ゴールデングローブ賞(2025年)最優秀長編アニメーション受賞
配給:ファインフィルムズ 上映時間:85分
監督・脚本・音楽:ギンツ・ジルバロディス
<見どころ>
『Away』などのラトビアのクリエイター、ギンツ・ジルバロディスが監督を手掛け、
およそ5年半の歳月をかけて完成させた長編アニメーション。洪水にのまれていく
世界を舞台に、水を怖がらない一匹の猫がボートでほかの動物たちと旅に出る姿を
映し出す。第77回カンヌ国際映画祭のある視点部門でプレミア上映された本作は、
同年のアヌシー国際アニメーション映画祭で審査員賞と観客賞をはじめ4冠を受賞した。
<ストーリー>
大洪水に見舞われた街が消滅の危機にある世界で、ある一匹の猫がすみかを捨てて
旅立つことを決心する。水に流されたボートにさまざまな動物たちと乗り合わせた猫は、
思いもよらない出来事や危機に直面するが、友情で結ばれた動物たちは少しずつ
成長していく。
<感想>
アカデミー&ゴールデングローブ受賞作品ということで鑑賞。
まず驚いたのが、一切セリフがない。動物の鳴き声だけで物語が構成され
人間が出てこない。かつていた・・という様子だが、理由が
一切語られないので、観客の想像で考えるしかない。
注目したのが描き方。実写的な長回しのようなカメラワーク的な描き方は
新鮮に感じたし、動物たちはベタッとした感じで粗さを感じたが
風景の光と影が素晴らしい。水の深さや流れはリアルに見えたので
人によっては敏感に感じるかもしれません。実際、最初の大洪水は
私は少しきつかった・・。
動物たちの間に起こる、さまざまな問題は現代人の問題でもあり
考えさせられる。とにかく猫に情がいってしまい、鳥とのエピソードは涙腺崩壊。
鳴き声だけなので、細かい描写は観客の想像に任せる、という手法だが
飽きずに観ることが出来た。ただ、動物に興味のない人はつまんないだろうと
思うので、万人受けではないかも。
アニメだが、私の行った回はほぼ大人が鑑賞。これにもびっくり。
点数:8点/10
~飛べることを、まだ知らないだけ~
2024年 アメリカ映画 (2025.03.07公開)
配給:東宝東和 上映時間:161分
監督:ジョン・M・チュウ
脚本:ウィニー・ホルツマン/デイナ・フォックス
原作:ミュージカル劇「ウィキッド」
衣装デザイン:ポール・タゼウェル
作詞作曲:スティーヴン・シュワルツ
音楽:ジョン・パイエル/スティーブン:シュワルツ
出演者:シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ/ジョナサン・ベイリー
イーサン・スレイター/ボーウェン・ヤン/ピーター・ディンクレイジ
ブロンウィン・ジェームズ/キアラ・セトル/ミシェル・ヨー
ジェフ・ゴールドブラム
<見どころ>
おとぎの国オズを舞台に、二人の魔女の友情を描いたブロードウェイミュージカル
「ウィキッド」を映画化。正反対の道を歩んできた二人の魔女が大学で出会い、
ぶつかり合いながらも友情を育んでいく。監督を手掛けるのはのジョン・M・チュウ。
『ハリエット』などのシンシア・エリヴォ、シンガー・ソングライターとしても
活動するアリアナ・グランデのほか、ピーター・ディンクレイジ、ミシェル・ヨー、
ジェフ・ゴールドブラムらがキャストに名を連ねる。
<ストーリー>
大学生のエルファバ(シンシア・エリヴォ)とグリンダ(アリアナ・グランデ)は、
魔法と幻想の国オズにあるシズ大学で出会う。誰よりも優しく聡明でありながら
周りの人々に誤解されがちなエルファバと、人気者のグリンダは大学の寮で同室になる。
外見も性格も全く異なる二人は最初は反発し合うものの、やがてかけがえのない絆で
結ばれていく。
<感想>
「オズの魔法使い」は知っていますが、「ウィキッド」はミュージカル未見。
まさか、前後編とは知らなかったよ。いきなり「PART1」のタイトルにビックリ。
ポスターにも載せてませんよね?あとで調べたら、今回はミュージカルでは
1幕部分。続編ありき、ということなんですね。なら最初からそう言ってよ(涙)
主役2人の歌唱力は申し分なく、3時間近くもあったのに長さを全く
感じなかったのは、歌の力量のおかげに感じます。グリンダの能天気で
自己顕示欲が強いのはイラッとくるが、それよりエルファバが可哀そすぎる。
なので、二人が仲良くなった意味が今一つわからなかったな・・。
オズ側は味方の振りをしてエルファバの才能を搾取、彼女が味方にならないと
知ったら悪者に仕立て上げる。現実でも同じようなことがあるので
話がすすむに連れて悲しくなってきました。
PART2は、今年後半に公開予定。本作の内容を知りませんが冒頭で歌う
「誰にも愛されないで死んでいった」の歌詞がひっかかるので、
後半は悲しい流れになっていくんだろうな・・・・。
冒頭シーンで「オズの魔法使い」のドロシーたちが歩いていたのは
個人的にツボ。衣装も素敵だし、スクリーンで観るのをお勧めします。
点数:8点/10
~おとぎ話?ううん、現実(リアル)~
2024年 アメリカ映画 R18指定 (2025.02.28公開)
第77回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞
第97回アカデミー賞作品、監督、主演女優、脚本、編集5部門受賞
配給:ビターズ・エンド/ユニバーサル映画 上映時間:139分
監督:ショーン・ベイカー
脚本:ショーン・ベイカー
美術:スティーブン・フェルプス
衣装:ジョスリン・ピアース
音楽監修:マシュー・ヒアロン=スミス
出演:マイキー・マディソン/マーク・エイデルシュテイン/ユーリー・ボリソフ
カレン・カラグリアン/バチェ・トブマシアン
<見どころ>
自ら幸せをつかもうとするロシア系アメリカ人のストリップダンサーを描くコメディー。
ニューヨークを舞台に、ロシア人の御曹司と知り合い結婚したストリップダンサーが、
自らの結婚を無効にしようとする存在に立ち向かう。監督などを手掛けるのは
『レッド・ロケット』などのショーン・ベイカー。マイキー・マディソン、
マーク・エイデルシュテイン、ユーリー・ボリソフらが出演している。
第77回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した。
<ストーリー>
ニューヨークでストリップダンサーとして働くアノーラ(マイキー・マディソン)は、
勤め先のクラブでロシア人の御曹司イヴァン(マーク・エイデルシュテイン)と出会う。
彼がロシアに帰国するまでの7日間、アノーラは多額の報酬でイヴァンの契約彼女になる。
パーティーやショッピングなどを楽しんだ二人はラスベガスの教会で電撃結婚するが、
イヴァンの両親は彼らの結婚を認めようとしなかった。
<感想>
観ようかどうか考えていたところに、アカデミー賞最多受賞をしたということで鑑賞。
役柄がストリップダンサーだからしょうがないが、冒頭からストリップシーンが
バンバン出てきます。でも、思ったよりライトな描き方だったので見やすかったかな。
性的描写が多いが、監督・俳優の意向でインティましー・コーディネーターを
つけずに撮影が行われたそう。まさに体当たりの演技でした。
前半はアップテンポな感じで中盤以降は、少しだれた印象。
コメディタッチで笑える部分もあり、意外と眠くならずに観ることができました。
個人的には、3人組チンピラの一人イゴール役のユーリー・ボリソフが良かった。
NYのブルックリンが舞台というのも、好印象。鉄道の高架下とかすごく絵になる
場面が多く、風景をみるのもポイント。
ラストは、我慢していたものが一気に堰を切ったような彼女の姿が痛々しい。
本心はそうだよねぇ・・・。映画のキャッチコピー、納得です。
かなり好みがわかれる作品ですが、思ってたより楽しめました。
ただ、これが今年度アカデミー賞の作品賞を獲ったのかと思うとうーん・・・。
点数:6点/10
~時代は、変る~
2024年 アメリカ映画 (2025.02.28公開)
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン 上映時間:140分
監督:ジェームズ・マンゴールド
脚本:ジェイ・コックス/ジェームズ・マンゴールド
美術:フランソワ・オデュイ
衣装:マリアンヌ・フィリップス
音楽監修:スティーブン・ギジッキ
出演:ティモシー・シャラメ/エドワード・ノートン/エル・ファニング
モニカ・バルバロ/ボイド・ホルブルック/初音映莉子/ダン・フォグラー
ノーバート・レオ・ワッツ/スクート・マクネイリー
<見どころ>
「ライク・ア・ローリング・ストーン」など数々の名曲を生み出し、世界に影響を
与え続ける伝説的ミュージシャン、ボブ・ディランの伝記ドラマ。1960年代の
アメリカ・ニューヨークの音楽シーンを舞台に、ミネソタ出身の無名ミュージシャン
だった彼がスターダムにのし上がるさまを描く。監督はジェームズ・マンゴールド。
若き日のディランを『君の名前で僕を呼んで』などのティモシー・シャラメが演じる
ほか、エドワード・ノートン、エル・ファニング、モニカ・バルバロらが共演する。
<ストーリー>
1961年、アメリカ・ミネソタ出身の19歳の若者ボブ・ディラン(ティモシー・シャラメ)
がニューヨークに降り立つ。そこで恋人となるシルヴィ・ルッソ(エル・ファニング)、
フォーク歌手ジョーン・バエズ(モニカ・バルバロ)や彼の才能を認めるピート・シーガー
(エドワード・ノートン)ら先輩ミュージシャンたちとの出会いを経て、フォーク
ミュージックシーンの中で注目を浴びるようになっていく。
<感想>
ボブ・ディランのデビュー直前から、1965年のニューポート・フォーク・フェスまでを
描いた映画。彼が活躍していた時期をタイムリーで見てきていないが
代表曲はいくつか知っているし、ミュージシャンとして初めてノーベル文学賞を
受賞したことは記憶の新しいところ。
ティモシー・シャラメは、ボブの役を演じる為に相当研究したと聞いていたが
全然顔は似ていないのに、風貌がそっくりだったのにまず驚き。
加えて、歌の部分は吹替なしのティモシー本人が歌っているから2度びっくり。
他の出演者も吹替なしで歌っているから、その点でも見どころ。
ディランとジョーン・バエズが「風に吹かれて」を一緒に歌うシーンは
感動的です。
エドワード・ノートンも久々に見ましたが、やはり素敵ですね。
それと、ノートンの奥様役を演じた方、初音映莉子さんじゃないですか。
「ノルウェイの森」は「終戦のエンペラー」でも出演されていましたが
印象に残る演技で記憶に残っていました。海外作品の出演、増えてほしいですね。
ティモシー・シャラメが素敵な俳優さんに成長されているのが
よくわかる作品でした。ファンは必見ですよ~。
点数:7点/10
~わたしたち、二人とも地獄行き~
2023年 イギリス映画 R15指定(2025.02.14公開)
配給:ロングライド 上映時間:120分
監督:カリン・アイヌーズ
原作:エリザベス・フリーマントル
脚本:ヘンリエッタ・アシュワース/ジェシカ・アシュワース/ロザンヌ・フリン
音楽:ディコン・ハインクリフェ
美術:ヘレン・スコット
衣装デザイン:マイケル・オコナー
ヘアメイク:ジェニー・シャーコア
出演:アリシア・ヴィキャンデル/ジュード・ロウ/エディ・マーサン
サム・ライリー/サイモン・ラッセル・ビール/アムール・ワケド
<見どころ>
イングランド国教会を創設したヘンリー8世の6番目にして最後の妻、
キャサリン・パーの戦いを描くスリラー。監督を務めたのは『見えざる人生』などの
カリン・アイヌーズ。陰謀渦巻く宮廷で生き抜こうとするキャサリンを
『リリーのすべて』などのアリシア・ヴィキャンデル、ヘンリー8世をジュード・ロウが
演じるほか、サム・ライリー、エディ・マーサンらが共演。
第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された。
<ストーリー>
16世紀イギリス。イングランド国教会を創設した君主ヘンリー8世(ジュード・ロウ)には
これまで5人の妻がいたが、その中には悲惨な末路をたどった者もいた。彼の6番目の妻と
なったキャサリン・パー(アリシア・ヴィキャンデル)は、プロテスタントの信念に基づき
この国をより良い未来へ導きたいと願うが、国王と対立する立場だと告発されてしまう。
前妻たちのように王の命によって処刑されるのか、それとも病にむしばまれた国王が先に
倒れるのか、謀略渦巻く宮廷で彼女の生き残りを懸けた戦いが始まる。
<感想>
イギリス王室ものの作品が好きなので、早く観たかったがなかなか日にちあ合わず・・。
ようやく鑑賞できました。
ヘンリー八世の妻は、「ブーリン家の姉妹」に描かれた、2番目の妻アン・ブーリン、
3番目の妻ジェーン・シーモアが有名だが、キャサリンの名前はあまり出てきません。
歴代妻の子であるメアリー、エリザベス、エドワードを引き取り養育し
子供たちも懐いていたのは知っていましたが、信仰深いのが原因で疑惑をかけられ
危うく処刑されそうになったのは映画で初めて知りました。
ジュード・ロウがヘンリー八世を演じたのですが、「誰?あなた」という
レベルの変貌ぶり。ジュードの面影全くなしです。史実に基づいた晩年の姿なので
風貌は肖像画とそっくりですが、いやぁ~特殊メイクの技術って凄い。
にしても、あのお尻は代役ですよね・・・・?^^;
「ブーリン家の姉妹」のその後の話なので、こちらを予習に観て鑑賞
した方がより楽しめるかもしれません。いずれにしろ、この時代のイギリス史を
頭に入れておくことをオススメします。
点数:7点/10
~この世界は、ただの舞台~
2024年 アメリカ映画 PG12指定 (2024.10.11公開)
配給:ワーナー・ブラザース映画 上映時間:138分
監督:トッド・フィリップス
脚本:スコット・シルヴァー/トッド・フィリップス
衣装デザイン:アリアンヌ・フィリップス
音楽:ヒルドゥル・グーナドッティル
音楽コンサルト:レディー・ガガ
出演:ホアキン・フェニックス/レディー・ガガ/ブレンダン・グリーソン
キャサリン・キーナー/ザジー・ビーツ/ハリー・ローティー
ビル・スミトロヴィッチ/スティーヴ・クーガン/ジェイコブ・ロフランド
ケン・レオン/シャロン・ワシントン
<見どころ>
孤独な大道芸人の男が、絶対的な悪へと変貌するさまを描いた『ジョーカー』の続編。
前作から2年後を舞台に、悪のカリスマとして祭り上げられたジョーカーが謎めいた
女性と出会う。トッド・フィリップス監督とホアキン・フェニックスが再び手を組む。
『ハウス・オブ・グッチ』などのレディー・ガガのほか、ブレンダン・グリーソン、
キャサリン・キーナーらがキャストに名を連ねる。
<ストーリー>
ピエロのメイクで大道芸を披露していたジョーカー(ホアキン・フェニックス)。
彼の前に謎の女性リー(レディー・ガガ)が現れたことをきっかけに、彼は理不尽な
世の中の代弁者となり、狂乱は世界中へ拡散する。孤独で心の優しかった男性は変貌し、
次第に暴走を始める。
<感想>
「フォリ・ア・ドゥ」⇒フランス語で「2人狂い」を意味する精神疾患で
感応精神病という妄想性障害の一つを指す。
なるほど、このサブタイトルの意味は本編観て納得。
舞台はほぼ刑務所と法廷のみ。リーは、たぶんハーレイ・クインなのかな?
それにしても、ミュージカル調とは驚き。なのでリー役をレディー・ガガを
起用したんでしょうかね?話が進むにつれて、ガガばかり目立っていたような
感じも受け、話が入ってこん
「ジョーカー」がいつのまにか一部の熱狂者の崇拝的な存在になってしまい、
アーサーは亡くなっても、「ジョーカー」はまた他の者に受け継がれて
いってしまう・・・そんな印象を受けるラストシーンが印象的。
ありのままの自分を受け入れ愛してほしいと願っていたアーサーだったが
ジョーカーとして世間に祭り上げられ踊らされる姿は、哀れで物悲しく
感じました。
で、お腹の赤ちゃんは、今後また映画にされちゃうんでしょうか?
めちゃ気になります・・・^^:
点数:6点/10
~それは、今日 起こるかもしれない~
2024年 アメリカ映画 PG12指定 (2024.10.04公開)
配給:ハピネットファントム・スタジオ 上映時間:109分
監督:アレックス・ガーランド
脚本:アレックス・ガーランド
衣装デザイン:メーガン・カスパーリク
音楽:ジェフ・バーロウ/ベン・ソーリズブリー
出演:キルスティン・ダンスト/ワグネル・モウラ/ケイリー・スピーニー
スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン/ソノヤ・ミズノ
ニック・オファーマン
<見どころ>
近未来のアメリカを舞台に、分断された国内で内戦が勃発するさまを描くスリラー。
多くの州が連邦政府から離脱し、内戦状態に陥る中、ある戦場カメラマンたちが
ワシントンD.C.を目指す。監督などを手掛けるのは『MEN 同じ顔の男たち』などの
アレックス・ガーランド。『アップサイドダウン 重力の恋人』などの
キルステン・ダンスト、『セルジオ:世界を救うために戦った男』などの
ワグネル・モウラのほか、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン、
ケイリー・スピーニーらがキャストに名を連ねる。
<ストーリー>
近未来のアメリカ。19の州が連邦政府から離脱する中、国内では大規模な分断が
進み、カリフォルニア州とテキサス州が同盟を結んだ「西部勢力」と「政府軍」に
よる内戦へと突入する。戦場カメラマンのリーをはじめとする4人のジャーナリスト
チームは、戦場と化した道をニューヨークから1,000キロメートル以上も走り続け、
大統領が立てこもるホワイトハウスがある首都・ワシントンD.C.へと向かう。
<感想>
CIVIL WAR=内戦
なぜ争っているのか説明のないまま、内戦の終盤に話が始まります。
で、戦争映画なんだが若いジェシーの成長物語を含んだ報道記者たちの
ロードムービーの色合いが強かったです。
この作品を観てると、今起きているイスラエルとガザのことがシンクロします。
紛争地域ではこういうことがあるのか?と想像出来てしまい人間の残酷さを
感じます。後半赤サングラスの男が「どこのアメリカンだ?」と問うシーンは、
本当に怖かった。
印象に残ったのは音響のこだわり。臨場感が半端なく作品の緊張感を上げます。
ED後の写真はぞっとしたし考えさせられます・・・。
絵空事のように見えるが、昨今のきな臭い情勢をみると現実味を感じてしまい
恐ろしかったです。人間って怖い。
それにしてもPG12指定でよかったの?相当ヘビーな映像もあったから
15指定の方がよかったのでは?
点数7点/10
~人類初の月面着陸 世界が目撃したのは リアルかフェイクか~
2024年 アメリカ映画 (2024.07.19公開)
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 上映時間:132分
監督:グレッグ・バーランティ
原案:ビル・キルスタイン/キーナン・フリン
脚本:ローズ・ギルロイ
衣装デザイン:メアリー・ゾフレス
音楽:ダニエル・ペンバートン
出演:スカーレット・ヨハンソン/チャニング・テイタム/ウディ・ハレルソン
ノア・ロビンズ/ジム・ラッシュ/アンナ・ガルシア/レイ・ロマノ
<見どころ>
人類初の月面着陸に成功した、アポロ11号の舞台裏を描くドラマ。アポロ計画を
何としても成功させたい政府に雇われたPR担当者とNASAの発射責任者が、
ある極秘任務をめぐって対立する。監督を手掛けるのは『フリー・ガイ』などに
携わってきたグレッグ・バーランティ。『ブラック・ウィドウ』などのスカーレット・
ヨハンソン、『ローガン・ラッキー』などのチャニング・テイタム、
『チャンピオンズ』などのウディ・ハレルソンらがキャストに名を連ねる。
<ストーリー>
人類初の月面着陸に挑むアポロ計画が始動して8年が経過した、1969年のアメリカ。
ソ連との宇宙開発競争で後れを取る中、ニクソン大統領に仕える政府関係者の
モー(ウディ・ハレルソン)を通して、PRマーケティングのプロであるケリー
(スカーレット・ヨハンソン)がNASAに雇われる。手段を選ばないケリーの
PR作戦が、NASAの発射責任者のコール(チャニング・テイタム)の反発を
押し切りつつ成功を収める中、彼女はモーからあるミッションを指示される。
<感想>
アポロ11号の月面着陸画像はフェイク、という都市伝説が昔から言われて
いましたが、今更ながらこの話を映画にしたのはちょっと驚きました。
アルテミス計画が話題になっているせいなのか?
幼いころ、大阪万博で月の石が展示されていて、見に行った
(連れてかれた?)記憶があり、当時人類が月に行って凄い!とワクワク
したものです。
もっとシリアスな展開なのかな?と思ったら、ラブコメ要素的な
ヒューマン映画。ちょっとウッディ・アレン的な流れがいい感じ。
スカーレット・ヨハンソンのクラシカルな髪型、とてもよく似合っていました。
衣装も当時のものを再現して、またこれも似合う!
NASAの全面協力を得ているということで、NASAの舞台裏やロケットの
組み立てシーンなどがあり、見ごたえありました。
EDはタイトルと同名の曲が流れてほしかったなぁ~(綾波バージョンで)
点数:7点/10