<12月の鑑賞予定映画>
~なんでもありの地球☆バカンス、開幕!~
2024年 日本映画 (2024.12.20公開)
配給:東宝 上映時間:94分
監督:福田雄一
原作:中村光
脚本:福田雄一
出演:松山ケンイチ/染谷将太/賀来賢人/岩田剛典/白石麻衣/勝地涼/仲野太賀
神木隆之介/山本美月/桜井日奈子/川口春奈/中田青渚/吉永咲良/田中美久
森田菜美/安斉星来/山田孝之/ムロツヨシ/佐藤二朗/窪田正孝/藤原竜也
声の出演:緒方恵美(布団)/中尾隆聖(黒い怪物)/置鮎龍太郎(追加戦士レッド)
<見どころ>
神の子イエスと悟りを開いたブッダが下界でバカンスを満喫する日常を描き、
アニメ、ドラマ化もされた中村光の漫画「聖☆おにいさん」を実写映画化。
中村が映画のために描いた長編エピソード「スクリーンへの長い途(みち)」を基に、
神や仏、天使、悪魔が入り乱れるストーリーが展開する。ドラマ版と同じく『ロストケア』
などの松山ケンイチがイエス、『ヒミズ』などの染谷将太がブッダを演じ、
『銀魂』シリーズなどの福田雄一が脚本・監督を担当。映画版キャストとして賀来賢人、
岩田剛典、白石麻衣、勝地涼、佐藤二朗らが新たに登場する。
<ストーリー>
世紀末を乗り越えた神の子・イエス(松山ケンイチ)と悟りを開いたブッダ
(染谷将太)は、東京・立川にある6畳一間のアパートで共同生活をしながら
下界でのバカンスを満喫していた。近所の商店街で福引をしたり、お笑いコンビを
結成したりするなど、ゆるい日常を過ごしていた二人のもとに招かれざる客が現れ、
ある事実が伝えられる。やがてそれは神や仏、天使、悪魔が入り乱れる世界を揺るがす
聖戦へと発展していく。
<感想>
福田作品って、ハマるハマらないの落差が非常に激しいし
佐藤二朗のシーン次第でどう転ぶか・・・と、覚悟?して見に行きましたが・・。
さすが福田作品、主役級の俳優さんばかりで凄い面子です。
日本は宗教に寛容なので、こういうぶっ飛んだ設定しても許されるところは
ある意味多様性を感じます。仏陀とイエスのゆるゆる関係、見ててホッコリ。
出演者は、みなさん振り切った演技されていてそこは面白かったです。
でも、佐藤二朗のシーンは長いしくどいし、半ばメイキングシーンを
あえてやってるのか?と思うような場面は、きつかった・・・。
福田作品での佐藤二朗の場面は毎回くどいが、今回はくどさを通り越して
拷問のようにさえ感じました。あれはやりすぎ。
仏陀とイエスはほのぼのしてるけど、くどすぎたね。
94分が長く感じたの久々かも?
点数:4点/10
~あなたを守ってはたらきます!!~
2024年 日本映画 (2024.12.13公開)
配給:ワーナーブラザース映画 上映時間:110分
監督:竹内英樹
原作:清水茜 「はたらく細胞」(講談社「月刊シリウス」所載)
原田重光/初嘉屋一生 「はたらく細胞BLACK」
脚本:徳永友一
衣装:大友洸介
音楽:Face 2 fAKE
主題歌:Official髭段リズム 「50%」
出演:永野芽郁/佐藤健/芦田愛菜/山本耕史/仲里依紗/松本若菜
染谷将太/板垣李光人/加藤諒/加藤清史郎/マイカ・ピュ/深田恭子
片岡愛之助/新収槙也/小沢真珠/鶴見辰吾/三石研/Fukase/阿部サダヲ
<見どころ>
清水茜のコミック「はたらく細胞」に加えて、清水と原田重光、初嘉屋一生による同作品の
スピンオフ「はたらく細胞BLACK」を実写化したドラマ。生活習慣や体内環境が正反対の
親子と、それぞれの体内で病原体の侵入を防ごうとする細胞たちの姿を描く。監督は
『翔んで埼玉』シリーズなどの武内英樹。『マイ・ブロークン・マリコ』などの永野芽郁、
『るろうに剣心』シリーズなどの佐藤健のほか、『メタモルフォーゼの縁側』などの
芦田愛菜、『アイ・アム まきもと』などの阿部サダヲらが出演する。
<ストーリー>
酸素を運ぶ赤血球(永野芽郁)や細菌と戦う白血球(佐藤健)など、37兆個もの細胞が
人間の体内で休むことなく働き、その健康と命を守っている。だが、不規則で不摂生な
日々を過ごす漆崎茂(阿部サダヲ)の体内では、劣悪な体内環境に疲弊した細胞たちが
文句を言いながら働き、規則正しい生活習慣を身につけて高校生活を送る茂の娘・日胡
(芦田愛菜)の体内にいる細胞たちは楽しく働いていた。
<感想>
アニメ版を少し観ての鑑賞。細胞を擬人化することによって、体の仕組みが
わかりやすく描かれているので、子供はもちろん、私のような理系に疎い者でも
理解でき楽しめました。
永野芽衣さんの赤血球はかわいいし、佐藤健さんは「るろうに剣心」を
彷彿するようなアクションで楽しめましたし、芦田愛菜ちゃんの後半の
演技はうるっときましたねぇ。
あと、マクロファージ先生は実写も実に美しくかわいいし、血小板ちゃんも
めちゃかわいい
前半はコメディですが後半は意外な展開に・・・まさかうるっとくるとは。
思ってた以上に壮大なお話でお勉強にもなるし、
体を労わらなきゃ~とも感じました。
お正月映画にピッタリ。なんにも考えずに楽しめますよ。
松本若菜さんのマクロファージ先生は必見です~♪
点数:7点/10
~映画でも、私、失敗しないので~
2024年 日本映画 (2024.12.06公開)
配給:東宝 上映時間:128分
監督:田村直己
脚本:中園ミホ
音楽:沢田完
主題歌:Ado 「Episode X」
出演:米倉涼子/田中圭/内田有紀/今田美桜/勝村政信/鈴木浩介/岸部一徳
八木莉可子/田口トモロヲ/伊東四朗/西畑大吾/染谷将太/綾野剛
遠藤憲一/西田敏行
<見どころ>
米倉涼子が天才外科医を演じるドラマ「ドクターX ~外科医・大門未知子~」
シリーズの最終章となる劇場版。さまざまな病院を渡り歩いてきた大門未知子の
過去が明らかになるとともに、東帝大学病院に戻った彼女に最大の危機が訪れる。
共演は田中圭や岸部一徳、西田敏行、染谷将太など。監督をドラマシリーズから
携わってきた田村直己が務める。
<ストーリー>
とある国の大統領の命を救うために日本を離れていた大門未知子(米倉涼子)は、
東帝大学病院に戻り、新病院長の神津比呂人(染谷将太)と対面する。未知子は
強引に合理化を進める比呂人と意気投合するが、比呂人は未知子の師匠である
神原晶(岸部一徳)を見て動揺する。一方、かつての未知子の同僚・森本光
(田中圭)は広島の呉で未知子の過去を探る。
<感想>
米倉涼子さん主演の人気医療ドラマ「ドクターX 外科医・大門未知子」
シリーズ完結編となる劇場版。TVシリーズは欠かさず観ていました。
今作では、今まで語られなかった大門未知子と神原晶の過去が。
美知子の若かりし頃の役に、八木莉可子さんが演じていますがけっこう
米倉さんと面影がなんとなく似ていたのがプチ驚き。
「私、失敗しないので」の言葉の理由も今回描かれていたし、過去シリーズに
出ていた人がサービス出演しているなど、これが最後なんだなと思いながら鑑賞。
なにより、蛭間院長の西田敏行さんがお亡くなりになったので、そういった
意味でもファイナルですね(涙)
「私、失敗しないので」「いたしません」「メロンです、請求書です」
このお決まりのセリフを劇場版でも聴けたのは嬉しい。
「大門未知子は、私の誇りよ」・・・このセリフは泣ける・・・。
最後、請求書が安すぎたのには笑えましたが(笑)
ツッコミどころは多々あったけど、楽しく鑑賞できたし
エンドロールの追悼コメントにはウルっときました。
西田敏行さんのご冥福をお祈りいたします。
点数:7点/10
~信じる、君を。この世界を~
2024年 日本映画 PG12指定 (2024.11.29公開)
配給:松竹 上映時間:120分
監督:藤井道人
原作:染井為人 「正体」(光文社文庫)
脚本:藤井道人/小寺和久
美術:宮本間太朗
音楽:大間々昴
主題歌:ヨルシカ 「太陽」
衣装:皆川美絵
出演:横浜流星/吉岡里帆/森本慎太郎/山田杏奈/前田公輝/田島亮/遠藤雄弥
宮崎優/森田甘路/西田尚美/山中崇/宇野祥平/駿河太郎/木野花/田中哲司
原日出子/松重豊/山田孝之
<見どころ>
『青春18×2 君へと続く道』などの藤井道人が監督などを手掛け、染井為人の小説を
原作に描くサスペンス。変装と潜伏を繰り返しながら、日本中を巡る指名手配犯の
488日間にわたる逃走劇を映し出す。主人公の青年を『ヴィレッジ』などの横浜流星が演じ、
『アイスクリームフィーバー』などの吉岡里帆のほか、森本慎太郎、山田杏奈、
山田孝之らがキャストに名を連ねる。
<ストーリー>
殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けた鏑木(横浜流星)は脱走に成功。
日本各地で潜伏しながら逃走を続ける鏑木が沙耶香(吉岡里帆)や和也(森本慎太郎)
舞(山田杏奈)らと出会う一方、彼を追う刑事の又貫(山田孝之)は沙耶香らを
取り調べる。しかし彼らが語る鏑木の人物像はそれぞれ全く異なり、まるで別人の
ようだった。
<感想>
正直、つっこみどころはあったんですよ。
ネタバレになってしまうが、凄惨な事件現場なのにも関わらず
返り血ひとつも浴びていない子が犯人なわけないだろう。
逃走も、白昼あれだけの人数がいて、走ってる人間を取り逃がすなんて
どれだけポンコツなんだ・・・。
だけど、それ以上に俳優陣の演技がみなさん凄くて(驚)
横浜流星は、返送して逃走するたびに顔がまったく違う。
ある変装では、一瞬「森山未來か?」と勘違いしてしまうような
顔立ちになっていた。最後、判決言い渡しにシーンの表情が素晴らしい。
間違いなく、彼の代表作の一つになるでしょう。
あと、吉岡里帆の演技も良かった。叫ぶシーンがあったが
とても声が通っていた。あそこまで叫ぶと声にノイズが入ったりするのだけれどね。
山田孝之は流石の演技。こういう演技もしっかり出来ると改めて感じました。
警察の面子の為に冤罪・・だなんて怖い。
でも、現実にあるんだよね。袴田事件や大河原化工機事件などなど、ほんとは
もっとあるのかもしれない・・・。
だからこそ、「なんで俺だったんだろう」このセリフはぐさっときます。
警察や司法は間違えたときに、「間違えました」と認めることが言える
機関であってほしい。
間違いなく賞レースに入ってくる作品です。
ファンの方は必見!
点数:9点/10
~モラルを守って 騙しましょう~
2024年 日本映画 (2024.11.22公開)
配給:ナカチカピクチャーズ/JR西日本コミュニケーションズ
上映時間:120分
監督:上田慎一郎
原作:ハン・ジョンフン
脚本:上田慎一郎/岩下悠子
音楽:鈴木伸宏/伊藤翔磨
主題歌:KERENMI 「名前を忘れたままのあの日の鼓動 feat.峯田和伸」
出演:内野聖陽/岡田将生/川栄李奈/森川葵/後藤剛範/上川周作/鈴木聖奈
真矢ミキ/皆川猿時/神野三鈴/吹越満/小澤征悦
<見どころ>
韓国のドラマ「元カレは天才詐欺師 ~38師機動隊~」を原作にしたクライムドラマ。
税務署に勤める生真面目な公務員と天才詐欺師が手を組み、権力者が脱税した10億円の
徴収に挑む。メガホンを取るのは『カメラを止めるな!』シリーズなどの上田慎一郎。
『きのう何食べた?』シリーズなどの内野聖陽、『ゴールド・ボーイ』などの
岡田将生らが出演する。
<ストーリー>
生真面目な税務署職員・熊沢二郎(内野聖陽)は、天才詐欺師・氷室マコト(岡田将生)に
だまされて大金を奪われてしまう。熊沢は親友の刑事の手を借りて氷室を追い詰めるが、
氷室はある権力者が脱税した10億円を自らが詐欺によって徴収することを条件に、
見逃してくれるよう頼む。犯罪者と手を組むことに葛藤する熊沢だが、ある復讐を果たす
ために氷室からの提案を受け入れる。二人はアウトローたちを集めて詐欺師集団
「アングリースクワッド」を結成し、10億円を徴収しようとする。
<感想>
推し俳優の一人、岡田将生君がW主演ということで鑑賞。
先日、結婚もされてますますノッてますねぇ~♪
普通の公務員を、内野さんがどう演じるのかな?と思ってましたが
ほんとにふつーの人、違和感なくてびっくり。
他のキャストもはまっていまして、個人的に川栄李奈さんと吹越満さんの
演技が印象に残りました。
脱税王から10億円を奪うべく繰り広げられる巧妙な駆け引き、騙し合いは
見ていてハラハラ。上田監督、「カメ止め」の時よりもカメラワークが
わかりやすいというか途中から、あ~この人ひょっとして・・と思わせる
ような伏線が見えたので、展開は読めつつも最後まで楽しく鑑賞できました。
なんだか観てると「オーシャンズ11」のよう(笑)
続編あったらやってほしいです。
点数:8点/10
~覚悟を魅せろ~
2024年 日本映画 PG12指定 (2024.11.01公開)
配給:東映 上映時間:155分
監督:白石和彌
原案:笠原和夫
脚本:池上純哉
音楽:松隈ケンタ
美術:沖原正純
出演:山田孝之/仲野太賀/尾上右近/鞘師里保/佐久本宝/千原せいじ/岡山天音
松浦祐也/一ノ瀬颯/野村周平/小柳亮太/本山力/松尾諭/音尾琢真/吉沢悠
駿河太郎/朝香航大/佐野和真/安藤ヒロキオ/佐野岳/ナダル/木竜麻生
長井恵理/西田尚美/玉木宏/阿部サダヲ
<見どころ>
『日本侠客伝』『仁義なき戦い』シリーズなどを手掛けた脚本家・笠原和夫のプロットを
原案に描くアクション時代劇。江戸幕府から明治政府へと政権が移り変わろうとしていた
戊辰戦争の最中、新発田藩(現・新潟県新発田市)で起きた抗争を映し出す。
監督を手掛けるのは『碁盤斬り』などの白石和彌。『ステップ』などの山田孝之、
『泣く子はいねぇが』などの仲野太賀が主演を務める。
<ストーリー>
1868年、鳥羽・伏見の戦いをきっかけに、薩摩藩・長州藩を中心とする新政府軍と、
旧幕府軍による戊辰戦争が勃発する。そんな中、新政府に対抗するため、
奥羽越列藩同盟が結成される。その同盟にやむなく加わった新発田藩では、
藩に捕らえられていた11人の罪人たちが、決死隊としてとりでを守る任に就く。
<感想>
「基盤斬り」に続く白石監督の時代劇映画。しかも時代劇の東映が配給と
いうこともあり、関心度が高くなります。
ストーリーはフィクションですが、実際に戊辰戦争のさなかで、新政府軍と
対立する奥羽越列藩同盟に加入していた新発田藩が、新政府軍へ寝返った
というのは、この作品で初めて知りました。
首が飛び跳ね転がりまわるわ、肉片や血しぶきが飛び散るなど
スプラッター映画に見えますが、どこかリアリティさが低く感じるところが
良くも悪くも東映らしく、血に弱い私でも鑑賞することが出来ました。
ちょっと思ったのが、吉本芸人多すぎないか?
千原せいじがいいとしても、ゆりやんのシーンっていらなくないか??
ナダルに関しては、真面目な役なのにどうしてもシリアスに見えない・・。
ダブル主演の山田孝之、仲野太賀はぴったりのキャスティング。
特に太賀君のラストの殺陣シーンはお見事。
再来年にある大河ドラマ主役抜擢は納得です。(お父さん超えたね!)
ただ一番印象に残ったのは、阿部サダヲ。
彼の存在があるから主役2人の存在が輝いていたように感じました。
ただ・・・ちょっと長かったかな・・。
点数:7点/10
~正義で何が悪い~
2024年 日本映画 (2024.10.25公開)
配給:東宝 上映時間:149分
監督:曽利文彦
原作:山田風太郎
脚本:曽利文彦
美術:佐々木尚
音楽:北里玲二
出演:役所広司/内野聖陽/土屋太鳳/渡辺圭祐/鈴木仁/板垣李光人/水上恒司
松岡広大/佳久創/藤岡真威人/上杉柊平/河合優実/栗原千明/真飛聖
中村獅童/尾上右近/小木茂光/丸山智己/塩野瑛久/忍成修吾/磯村勇斗
立川談春/黒木華/寺島しのぶ
<見どころ>
山田風太郎の小説「八犬伝」を、『ピンポン』などの曽利文彦が実写映画化。
宿縁に導かれた8人の剣士たちが戦いを繰り広げる物語の世界と、その執筆に執念を
燃やす江戸時代の戯作者・滝沢馬琴を巡る世界を交錯させながら描く。馬琴を
『PERFECT DAYS』などの役所広司、彼を見守り続ける絵師・葛飾北斎を『春画先生』
などの内野聖陽が演じるほか、土屋太鳳、磯村勇斗、黒木華、寺島しのぶ、
渡邊圭祐らが共演する。
<ストーリー>
江戸時代、戯作者・滝沢馬琴(役所広司)は友人の浮世絵師・葛飾北斎(内野聖陽)
に構想中の物語を語り始める。それは里見家にかけられた呪いを解くため、運命に
引き寄せられた8人の剣士たちの戦いを描く物語だった。たちまち魅了された北斎は
物語の続きを聴くため、足しげく馬琴のもとへ通い、二人の奇妙な関係が始まる。
執筆作業は、悪が横行する世で勧善懲悪を貫くという馬琴のライフワークとなるが、
28年の歳月を経て最終局面に差し掛かろうとした矢先、彼の視力が悪化してしまう。
<感想>
滝沢馬琴の住む江戸(実世界)と、馬琴が語る八犬伝のイメージ(虚世界)の
2パートが分かれて話が進みます。
江戸時代の戯作文芸の代表作で、ヒーロー戦隊もののルーツともいえる「八犬伝」。
何度か映像化されていますが、実と虚を組み合わせたつくりはなかなか面白く
特に実世界を演じた役所広司、内野聖陽さんの演技は素晴らしい。
「八犬伝」の方は、虚の世界感をわざと強調した感じを受けました。
(言い回しとか映像の流れとか)
それにしても、水上恒司君と塩野瑛久君、全然わからなかったよ
特に塩野瑛久君は、「光る君へ」での麗しい一条天皇のイメージが強烈だから
まさかの悪役にびっくり。俳優さんってすごい
個人的にぞわっとしたのが、奈落での鶴屋南北との対話。
立川談春さんの怪演が際立っていました。
「八犬伝」が28年もの歳月をかけて創作されていること、後半、目が見えなくなり
息子の妻であるお路が代筆して完成したことは初耳だったので
滝沢馬琴の人生と八犬伝のお話両方知ることが出来、ある意味お得感を
感じる映画でした。
点数:7点/10
~このあと俺は、死刑囚(カノジョ)と結婚する~
2024年 日本映画 (2024.09.06公開)
配給:ワーナーブラザース映画 上映時間:120分
監督:堤幸彦
原作:乃木坂太郎 「夏目アラタの結婚」
脚本:徳永友一
美術:長谷川功
衣装:エンドウヨシキ
音楽:ガブリエル・ロベルト/Aーbee/ノグチリョウ
主題歌:オリヴィア・ロドリゴ 「ヴァンパイア」
出演:柳楽優弥/黒島結菜/中川大志/丸山礼/立川志らく/福士誠治
今野浩喜/平岡祐太/藤間爽子/佐藤二朗/市村正親
<見どころ>
ドラマ「医龍 ~Team Medical Dragon~」シリーズの原作などで知られる
乃木坂太郎の漫画を実写映画化。元ヤンキーの児童相談所職員が、獄中の
連続殺人犯にプロポーズしたことから始まるストーリーが展開される。
メガホンを取ったのは『十二人の死にたい子どもたち』などの堤幸彦。
ある目的のために死刑囚のもとを訪れる主人公を柳楽優弥、彼に獄中結婚を
申し込まれる連続殺人犯を黒島結菜が演じる。
<ストーリー>
元ヤンキーの児童相談所職員・夏目アラタ(柳楽優弥)は、ある連続殺人事件の
遺族から相談を受け、獄中の死刑囚のもとを訪れる。訪ねた相手の品川真珠
(黒島結菜)は、日本中を騒然とさせた「品川ピエロ」の異名で知られる
連続殺人犯だった。事件の真相を探ろうとするアラタは、彼女に
獄中結婚を持ち掛ける。
<感想>
原作=未読
久々、柳楽君主演の映画ということで鑑賞。
主要3人、よかったですね。柳楽君の良さが出ていたし、黒島結菜さんの
怪演ぶりは見ごたえありました。朝ドラで酷評されていたけれど、この作品で
見事挽回されたのではないかと。
予告編観てると、どんなサイコサスペンスかと思いきや、そこに恋愛が
入ってくるとは予想外(驚)。
バツ印、歯並び&虫歯だらけの歯の謎もちゃんと伏線回収されていて
話の軸もしっかりしてたので、飽きることなく観れました。
正直、予告編がおぞましい印象しかなかったので、観るのどうしようか?と
思ってたのですが、観て良かったです。
物まね芸人の丸山礼さんの演技が私的には印象に残ったので、
他の作品でも見てみたいな~。
点数:7点/10
~この女、何者?~
2024年 日本映画 (2024.09.13公開)
配給:東宝 上映時間:114分
監督・脚本:三谷幸喜
美術:あべ木陽次
音楽:萩野陽子
衣装デザイン:宇都宮いく子
出演:長澤まさみ/西島秀俊/松坂桃李/瀬戸康史/遠藤憲一/小林隆
坂東彌十郎/戸塚純貴/阿南健治/梶原善/宮澤エマ
<見どころ>
『記憶にございません!』などの三谷幸喜が監督と脚本を務めたミステリーコメディー。
行方不明になった詩人の妻スオミの過去を知る男たちが集まり、誰が彼女に最も
愛されていたのかを議論する。『コンフィデンスマンJP』シリーズなどの長澤まさみ、
『ドライブ・マイ・カー』などの西島秀俊、『あの頃。』などの松坂桃李のほか、
遠藤憲一、小林隆、坂東彌十郎らが出演する。
<ストーリー>
著名な詩人・寒川しずお(坂東彌十郎)の妻・スオミ(長澤まさみ)が行方不明になる。
大事にしたくないと寒川が捜査を拒否する中、スオミの最初の夫で庭師の魚山大吉
(遠藤憲一)、2番目の夫でYouTuberの十勝左衛門(松坂桃李)、3番目の夫で警察官の
宇賀神守(小林隆)、4番目の夫で警察官の草野圭吾(西島秀俊)が寒川邸にやってくる。
彼らは、スオミの安否そっちのけで誰が一番スオミに愛されていたのかを語り合う。
だが、それぞれが語るスオミは、性格も見た目もバラバラだった。
<感想>
「スオミ」はフィンランド語でフィンランドのことを言います。
なので、これを女性の名前に設定したのはなぜなんだろう?と思い鑑賞。
映画の宣伝インタビューで監督が「この映画は舞台を作るように撮った
と話されていましたが、確かに舞台でやってもおかしくない演出でした。
三谷作品でおなじみの梶原善・阿南健治・小林隆をはじめ、「鎌倉殿の13人」に
出演されていた3人、三谷作品初の西島秀俊・松坂桃李・戸塚純貴、
みんないきいき演じていて、大笑いはなかったもののクスクス笑えるシーンが
あり睡魔に襲われることなく見ることが出来ました。
とりわけ、終盤夫たちに対して対峙する場面で彼らの望んだスオミを演じ分けて
熱弁するシーンは見ごたえあり、長澤まさみさんの力量が発揮した場面でした。
映画なのに、ここまで舞台っぽいつくりになってると好みがわかれるかな?
瀬戸康史くんが楽しそうに演じてたのと、ラストの「♪へ~る~しんき、
へるしんきぃ~」のメロディはインパクト大。
ダンスの苦手な桃李君が一生懸命踊ってたのも印象に残りましたし
三谷監督、長澤まさみさんが大好きなのね~がよくわかった作品でした(笑)
点数:7点/10
~「アンナチュラル」「MIU404」と繋がる
シェアード・ユニバース・ムービー~
2024年 日本映画 (2024.08.23公開
配給:東宝 上映時間:129分
監督:塚原あゆ子
脚本:野木亜紀子
音楽:得田真裕
主題歌:米津玄師 「がらくた」
出演:満島ひかり/岡田将生/ディーン・フジオカ/大倉孝二/酒向芳/宇野祥平
安藤玉恵/丸山智己/火野正平/阿部サダヲ/石原さとみ/井浦新/窪田正孝
市川実日子/竜星涼/飯尾和樹/吉田ウーロン太/薬師丸ひろ子/松重豊/中村倫也
綾野剛/星野源/橋本じゅん/前田旺志郎/金井勇太/永岡卓也/麻生久美子
<見どころ>
ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」などの演出を手掛けた塚原あゆ子監督と、
脚本の野木亜紀子が再び組んだサスペンス。大手ショッピングサイトのセンター長と
チームマネージャーが、協力して連続爆破事件の解決にあたる。『海辺の生と死』
などの満島ひかり、『ゴールド・ボーイ』などの岡田将生らが出演している。
<ストーリー>
ブラックフライデー前夜の11月、ビッグイベントにより流通業界が繁忙期を迎えようと
する中、有名なショッピングサイトから配送された段ボールが爆発する事件が起きる。
さらに事件は全国へと拡大し、日本中が混乱に陥る。巨大物流倉庫のセンター長に着任
したばかりの舟渡エレナ(満島ひかり)は、チームマネージャーの梨本孔(岡田将生)と
共に、未曽有の事態の収拾に追われる。
<感想>
「アンナチュラル」⇒時々観ていた程度 「MIU404」⇒全視聴
推し俳優の一人、岡田将生さん出演もあり公開早々鑑賞。
「アンナチュラル」と「MIU404」2作と同一世界線で描くという
設定は面白く各々のファンも楽しめたと思います。(私もその一人)
でも、思ってた以上に絡まってないのよねぇ・・・。
主演の満島ひかりさんの陽と陰の幅広い演技には舌を巻きます。
とにかく素晴らしい。
フィクションとわかっていても、Amazonと関連付けて観てしまいます
けっこう皮肉ってるよね。
「デリファス」の社員はことあるごとに「すべてはお客様のために」という
ワードで部下を諫めるシーンが何度も出てくるが、もぅ呪いの言葉にしか
聞こえてこない。
これから働き手が減っていく世の中、これから流通業界はどうなるのか?
物流の2024年問題にタイムリーに合わせてきた映画でした。
流通業界の構図が映画を通してわかり、配達員のご苦労もよくわかりました。
物流がちゃんと回らないと世の中も回らないね。
ポチすればなんでも届く便利な世の中だが、数多くの人が関わって
荷物が届いてるんだ、と思うと感謝しないといけないな。
そんなことをしみじみ感じた映画でした。
それにしても・・・中村倫也君が出てるとは知らなかった~~~。
点数:7点/10