結局、今日も揚水ポンプのモーターも浄水器も直しに来なかった。外は、雨で遠雷が聞える。そのせいか、一時停電になってワイファイも停止したが、なんどか点滅を繰り返した挙げ句、復旧した。一つとして安定して供給されるものがない。
浄水器屋は来なくても、ディネーシュという守衛が、浄水器を叩いて直した。といっても全く出なくなった水が少し出る様になった程度だ。昔、田舎でテレビがつかなくなった時に、テレビを『この野郎」と言って叩くと直ったのに似ている。叩くと言うことを聞いたのだ。日本ではそんな時代は終わった様に思うが、ここでは、まだそれが通用する。 それでも、本格的には直っていないのだから、ディネーシュは、当直が終わって帰る時に、家から浄水器屋に電話し続けると言っていた。昨日から電話し続けているのだ。彼は他の守衛と違って、これ迄も電気系統の故障を何度も直してくれている頼りがいのある守衛だから、日本からのお土産も少し手厚くした。他の守衛は、夜警の時に朝迄応接間で寝たまま、なかなか起きないし、昼間も椅子に座ったままで、私が出入りする時に門を開けるわけでもなく、何もしない。それどころか、台所の鍋の蓋を開けて見ているらしく、中身を知っていて、味付けご飯があったらそれを少し分けて欲しいなどと要求したりする図々しい守衛もいる。