20170307
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>どこかで春が生まれてる(2)卒業
春先の生活行事のなかでも、「卒業」は、しみじみとそれまでの来し方を振り返ることのできることばです。
教師をしていれば、卒業式も「恙なく年度末を終えることができる」という安堵の気持ちのほうが大きいかも知れませんが、我が身の卒業となれば、不安も希望も大きく胸に広がります。
昨年10月から職業訓練の学校に入学したミサイルママ、3月24日にハレの卒業式を迎えます。
毎週ジャズダンス練習の帰り道に、個性的な先生の愉快なエピソードや、実習・研修の厳しさなどを話してくれたので、彼女の卒業は、我がことのようにうれしく思います。
ミサイルママは昨年3月までインテリア会社に勤務し、ベテラン社員として働いてきました。63歳で定年になってからも65歳になるまで嘱託で働きましたが、途中入社なので、年金が老後の生活を支えるほどには足りません。「老後の生活を支えるほどには、なんとしても働きたい」と、まったく新たな職種「ホテルレストランサービス」を教える学校に入学しました。
むろんクラスでは最高齢。クラスメートは、転職をめざす40代50代のまだまだ元気な人々です。でも、ミサイルママは、心身の若さでは負けていませんでした。ベッドメイキング、レストランサービスなど、ホテルやレストランで行われる仕事を半年間みっちり研修し、ジャズダンスで鍛えたしなやかな身体能力を発揮したのだろうと想像しています。
習得技術の中間発表会終了後の食事会余興として、有志を指導してジャズダンスを披露するなど、大活躍の話も披露してくれました。
2月半ばから就活が始まり、私も、職務経歴書パソコン入力のお手伝いなどしました。
ミサイルママは今年66歳になりますから、「高望みはせず、自分の働き方の希望に合ったところならどこでも」と、就職活動をしました。
中年転職希望組は、少しでもネームバリューのある有名ホテルをめざして履歴書送付や面接を繰り返すなか、ミサイルママは、紹介をしてもらったビジネスホテルに決めて、クラスで最初に就職がきまりました。ミサイルママ曰く「よく言えばレトロ、別の言い方をすれば古めかしいホテル」なんだって。
「朝6時から11時まで、ホテルのモーニングサービスに従事する」という職務内容。昼に仕事を終えたら午後は自由に過ごせるし、土日の出勤を受け入れれば、平日に2日休めて、働くのは週5日でよい、というのが、ぴったりミサイルママの希望に合いました。
「ビジネスホテルのモーニングサービスだから、さんざんレストラン研修でしごかれたような、ナイフフォークのカラトリーを間違いなく並べる技なんか生かせないけれど、でも、健康なら70歳すぎても働けるみたいだし、こっちの希望にぴったりだから」と、就職決定を報告してくれました。
面接を担当した支配人さんも、履歴書趣味欄に書かれた「ジャズダンス歴30年」とか「イラスト得意」などまで評価してくれた、と意欲満々のミサイルママ、とても生き生きしています。
この1年間、しょぼくれて過ごした私も、新しい職場に向かって張り切っているミサイルママのエネルギーをもらって、もうちょっと元気を出して4月からの仕事再開に備えたいと思います。思ってはいるのですが、、、、体も脳も動かない、、、、、。
働くのが好きなのでしょう、と言ってくださる方もいますが、私は、十分な年金さえあれば、もう働きたくない。18歳から50年間働いてきたのですから。体もあちこちがぼろぼろです。50年働き続けても、老後を養えない人生でした。
この3月に卒業し、学び舎から新しい人生に出発するすべての人々が、希望と幸福に充ちた春でありますように。
<つづく>
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>どこかで春が生まれてる(2)卒業
春先の生活行事のなかでも、「卒業」は、しみじみとそれまでの来し方を振り返ることのできることばです。
教師をしていれば、卒業式も「恙なく年度末を終えることができる」という安堵の気持ちのほうが大きいかも知れませんが、我が身の卒業となれば、不安も希望も大きく胸に広がります。
昨年10月から職業訓練の学校に入学したミサイルママ、3月24日にハレの卒業式を迎えます。
毎週ジャズダンス練習の帰り道に、個性的な先生の愉快なエピソードや、実習・研修の厳しさなどを話してくれたので、彼女の卒業は、我がことのようにうれしく思います。
ミサイルママは昨年3月までインテリア会社に勤務し、ベテラン社員として働いてきました。63歳で定年になってからも65歳になるまで嘱託で働きましたが、途中入社なので、年金が老後の生活を支えるほどには足りません。「老後の生活を支えるほどには、なんとしても働きたい」と、まったく新たな職種「ホテルレストランサービス」を教える学校に入学しました。
むろんクラスでは最高齢。クラスメートは、転職をめざす40代50代のまだまだ元気な人々です。でも、ミサイルママは、心身の若さでは負けていませんでした。ベッドメイキング、レストランサービスなど、ホテルやレストランで行われる仕事を半年間みっちり研修し、ジャズダンスで鍛えたしなやかな身体能力を発揮したのだろうと想像しています。
習得技術の中間発表会終了後の食事会余興として、有志を指導してジャズダンスを披露するなど、大活躍の話も披露してくれました。
2月半ばから就活が始まり、私も、職務経歴書パソコン入力のお手伝いなどしました。
ミサイルママは今年66歳になりますから、「高望みはせず、自分の働き方の希望に合ったところならどこでも」と、就職活動をしました。
中年転職希望組は、少しでもネームバリューのある有名ホテルをめざして履歴書送付や面接を繰り返すなか、ミサイルママは、紹介をしてもらったビジネスホテルに決めて、クラスで最初に就職がきまりました。ミサイルママ曰く「よく言えばレトロ、別の言い方をすれば古めかしいホテル」なんだって。
「朝6時から11時まで、ホテルのモーニングサービスに従事する」という職務内容。昼に仕事を終えたら午後は自由に過ごせるし、土日の出勤を受け入れれば、平日に2日休めて、働くのは週5日でよい、というのが、ぴったりミサイルママの希望に合いました。
「ビジネスホテルのモーニングサービスだから、さんざんレストラン研修でしごかれたような、ナイフフォークのカラトリーを間違いなく並べる技なんか生かせないけれど、でも、健康なら70歳すぎても働けるみたいだし、こっちの希望にぴったりだから」と、就職決定を報告してくれました。
面接を担当した支配人さんも、履歴書趣味欄に書かれた「ジャズダンス歴30年」とか「イラスト得意」などまで評価してくれた、と意欲満々のミサイルママ、とても生き生きしています。
この1年間、しょぼくれて過ごした私も、新しい職場に向かって張り切っているミサイルママのエネルギーをもらって、もうちょっと元気を出して4月からの仕事再開に備えたいと思います。思ってはいるのですが、、、、体も脳も動かない、、、、、。
働くのが好きなのでしょう、と言ってくださる方もいますが、私は、十分な年金さえあれば、もう働きたくない。18歳から50年間働いてきたのですから。体もあちこちがぼろぼろです。50年働き続けても、老後を養えない人生でした。
この3月に卒業し、学び舎から新しい人生に出発するすべての人々が、希望と幸福に充ちた春でありますように。
<つづく>