20170309
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>どこかで春が生まれてる(3) ミモザの日
3月8日は「国際女性の日」でした。
1908年に、ニューヨークで女性たちが婦人参政権を求めるデモをした日を記念して、世界各地で女性の活躍や主張を推し進める日となり、1975年には国連が3月8日を正式に「国際女性デー」と定めました。
この日の象徴花シンボルフラワーがミモザであることから、ミモザの日とも呼ばれています。
現在日本でミモザと呼ばれているのは、房アカシア、銀葉アカシアなどのマメ科アカシア属の花木です。
もともとは、オジギソウの仲間がミモザ(学名: mimosa)と呼ばれていました。オジギソウは、葉に触ると動く(mimos)ことからミモザと呼ばれていたのだそうですが、葉がオジギソウと似ている房アカシア、銀葉アカシアもミモザと呼ばれ、今ではこちらのほうがミモザとして定着しています。
私が持つ1972年発行の角川版歳時記「春」にはミモザの項はなく、1974年発行の角川四季合本歳時記「夏」には「ミモザ」が載っています。しかし、この版のミモザは、オジギソウの別名として出ているので、「花は夏から秋にかけて。淡紅色の小さな花が球状にかたまって咲く」という説明から見ると、このミモザは、今は「合歓の花」と呼ばれている花を指しているのだろうと思います。
したがって、以下の句もいったい黄色い春の花を詠んだものか、淡紅色の合歓の花を詠んだものか、私にはわかりません。お葬式にも結婚にも似合う花って、どちらでしょうか。
・喪の花環ミモザをはじめ既に萎ゆ(山口誓子)
・祝婚やミモザのもとに咳こぼし(石田波郷)
・ミモザ咲き磯横ざまに奔る波(水原秋桜子)
ミモザ、やはり私には黄色の明るい花に感じます。国際女性の日に、あなたにミモザの花束を贈ります。(画像整理整頓が出来ていないので、どこかの公園で撮影したミモザ、どのフォルダに入っているかわからず、借り物画像ですが)

イギリス映画『未来を花束にして』は、1910年代の女性参政権運動を描いています。偶然参政権運動に加わったことから人生を変えることになるモード(キャリー・マリガン)、先鋭的な活動家イーディス(ヘレナ・ボトム・カーター)、著名な女性運動家エメリン・パンクハーストなどを配した映画、日本ではあまり受けない内容の映画なのかもしれませんが、ぜひ見たいと思っている一本です。春庭は、自称オールドフェミニストですから。
映画原題の「Suffragette(サフラジェット)」は、20世紀初頭のイギリスの参政権拡張論者を指す言葉です。実在の人物エメリン・パンクハースト(Emmeline Pankhurst, 1858-1928)は、夫もふたりの娘も運動に参加し、一家総出で女性の権利拡張に奮闘しました。
日本の参政権を中心とした婦人運動も、明治時代からさまざまな活動家が女性の尊厳を求めて運動を続けてきました。
しかし、日本では「女性の政治参加、男女の平等」などを求める運動は、太平洋戦争後の1945年に10月になるまでが認められませんでした。
私は市川房枝が好きでした。私が投票できるとき彼女が候補名にあるときは、 いつも市川房枝に一票を投じました。
市川が没してはや36年、日本の女性の状態は変わったでしょうか。変わった部分もあります。しかし、変わらないことのほうが大きいようにも感じます。
現在、日本の社会で「男女格差ジェンダー・ギャップ指数」は、調査可能であった世界144カ国のなか、総合111位です。むろん先進G7の中では最低。
調査された分野別の順位は。
・経済活動への参加と機会118位
・政治への参加103位
・教育76位
・健康と生存率40位
格差が少ない上位国は、アイスランド、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンの北欧の国。これらの国は福祉充実の国でもあります。
一方、格差が大きいのは厳格な宗教政策によって女性の社会参加が制限されているイスラム教徒の多い国。イスラム教ではないのに、男女格差が大きい国の代表が日本(111位)と韓国(116位)。
経済活動参加のバロメーターのひとつ、日本の女性管理職比率は19%で、アジアのなかでも最低ライン。
管理職比率云々(デンデンと読むなかれ)ではなく、働こうとすると女性にとって生きにくい日本の社会が問題なのです。ほんと、保育園今年も落ちた、今年もニッポンシネ!です。
でも、政府が大口をたたいて「保育園待機児童ゼロ」と公言したのに守られないことが明らかになっても、みなさん大人しく忍耐の一字。これを体制順応主義コンフォーミズムと言わなくてなんとしょう。
3月8日には、女性たちは、より生きやすい社会を求めて世界各地でデモや集会を行いました。アメリカでは特に、女性蔑視の姿勢を隠さないトランプ氏に向けて、大きなデモが計画されていると報道されていました。ウィメンズ・マーチがどんなうねりを起こすでしょうか。
日本でもデモが行われたみたいです。でも、テレビニュースなどでは報道されませんでした。(私が見逃しただけかもしれませんが)
アメリカでは、ちょうどウィメンズマーチが行われている時間でしょう。9日のニュースで報道されるでしょうか。かの国では、為政者に都合の悪いニュースは「うそニュース」とされてしまう見たいですけれど。
<つづく>
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>どこかで春が生まれてる(3) ミモザの日
3月8日は「国際女性の日」でした。
1908年に、ニューヨークで女性たちが婦人参政権を求めるデモをした日を記念して、世界各地で女性の活躍や主張を推し進める日となり、1975年には国連が3月8日を正式に「国際女性デー」と定めました。
この日の象徴花シンボルフラワーがミモザであることから、ミモザの日とも呼ばれています。
現在日本でミモザと呼ばれているのは、房アカシア、銀葉アカシアなどのマメ科アカシア属の花木です。
もともとは、オジギソウの仲間がミモザ(学名: mimosa)と呼ばれていました。オジギソウは、葉に触ると動く(mimos)ことからミモザと呼ばれていたのだそうですが、葉がオジギソウと似ている房アカシア、銀葉アカシアもミモザと呼ばれ、今ではこちらのほうがミモザとして定着しています。
私が持つ1972年発行の角川版歳時記「春」にはミモザの項はなく、1974年発行の角川四季合本歳時記「夏」には「ミモザ」が載っています。しかし、この版のミモザは、オジギソウの別名として出ているので、「花は夏から秋にかけて。淡紅色の小さな花が球状にかたまって咲く」という説明から見ると、このミモザは、今は「合歓の花」と呼ばれている花を指しているのだろうと思います。
したがって、以下の句もいったい黄色い春の花を詠んだものか、淡紅色の合歓の花を詠んだものか、私にはわかりません。お葬式にも結婚にも似合う花って、どちらでしょうか。
・喪の花環ミモザをはじめ既に萎ゆ(山口誓子)
・祝婚やミモザのもとに咳こぼし(石田波郷)
・ミモザ咲き磯横ざまに奔る波(水原秋桜子)
ミモザ、やはり私には黄色の明るい花に感じます。国際女性の日に、あなたにミモザの花束を贈ります。(画像整理整頓が出来ていないので、どこかの公園で撮影したミモザ、どのフォルダに入っているかわからず、借り物画像ですが)

イギリス映画『未来を花束にして』は、1910年代の女性参政権運動を描いています。偶然参政権運動に加わったことから人生を変えることになるモード(キャリー・マリガン)、先鋭的な活動家イーディス(ヘレナ・ボトム・カーター)、著名な女性運動家エメリン・パンクハーストなどを配した映画、日本ではあまり受けない内容の映画なのかもしれませんが、ぜひ見たいと思っている一本です。春庭は、自称オールドフェミニストですから。
映画原題の「Suffragette(サフラジェット)」は、20世紀初頭のイギリスの参政権拡張論者を指す言葉です。実在の人物エメリン・パンクハースト(Emmeline Pankhurst, 1858-1928)は、夫もふたりの娘も運動に参加し、一家総出で女性の権利拡張に奮闘しました。
日本の参政権を中心とした婦人運動も、明治時代からさまざまな活動家が女性の尊厳を求めて運動を続けてきました。
しかし、日本では「女性の政治参加、男女の平等」などを求める運動は、太平洋戦争後の1945年に10月になるまでが認められませんでした。
私は市川房枝が好きでした。私が投票できるとき彼女が候補名にあるときは、 いつも市川房枝に一票を投じました。
市川が没してはや36年、日本の女性の状態は変わったでしょうか。変わった部分もあります。しかし、変わらないことのほうが大きいようにも感じます。
現在、日本の社会で「男女格差ジェンダー・ギャップ指数」は、調査可能であった世界144カ国のなか、総合111位です。むろん先進G7の中では最低。
調査された分野別の順位は。
・経済活動への参加と機会118位
・政治への参加103位
・教育76位
・健康と生存率40位
格差が少ない上位国は、アイスランド、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンの北欧の国。これらの国は福祉充実の国でもあります。
一方、格差が大きいのは厳格な宗教政策によって女性の社会参加が制限されているイスラム教徒の多い国。イスラム教ではないのに、男女格差が大きい国の代表が日本(111位)と韓国(116位)。
経済活動参加のバロメーターのひとつ、日本の女性管理職比率は19%で、アジアのなかでも最低ライン。
管理職比率云々(デンデンと読むなかれ)ではなく、働こうとすると女性にとって生きにくい日本の社会が問題なのです。ほんと、保育園今年も落ちた、今年もニッポンシネ!です。
でも、政府が大口をたたいて「保育園待機児童ゼロ」と公言したのに守られないことが明らかになっても、みなさん大人しく忍耐の一字。これを体制順応主義コンフォーミズムと言わなくてなんとしょう。
3月8日には、女性たちは、より生きやすい社会を求めて世界各地でデモや集会を行いました。アメリカでは特に、女性蔑視の姿勢を隠さないトランプ氏に向けて、大きなデモが計画されていると報道されていました。ウィメンズ・マーチがどんなうねりを起こすでしょうか。
日本でもデモが行われたみたいです。でも、テレビニュースなどでは報道されませんでした。(私が見逃しただけかもしれませんが)
アメリカでは、ちょうどウィメンズマーチが行われている時間でしょう。9日のニュースで報道されるでしょうか。かの国では、為政者に都合の悪いニュースは「うそニュース」とされてしまう見たいですけれど。
<つづく>