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ぽかぽか春庭「原子爆弾 即興ニスギズ by 原民喜」

2018-08-09 00:00:01 | エッセイ、コラム
20180809
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>夏のことば(2)原子爆弾 即興ニスギズ by 原民喜

毎年、写経のかわりに、詩や小説の文の中から書き写しをして、朗読します。祈りが届かなくなっていくような世の中ですが、この祈りをやめてしまったら、私が私でなくなるような、にんげんでなくなるような気がしてしまいますので。
 青空文庫からの引用です。入力ボランティアに感謝しつつ、コピーさせていただきます。
 来てくださる人も稀な春庭サイトですが、もし、おいでいただいたなら、これから3回ほどの写文、どうぞ、声を出して朗読してくださいますよう。今回は原民喜の俳句、次回,原の小説から。峠三吉、大平数子と続きます。
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原子爆弾 即ニスギズ」原民喜

夏の野に幻の破片きらめけり

短夜をタオれし山河叫び合ふ
(タオれし:タオの漢字は[血]プラス[ト])

炎の樹雷雨の空に舞ひ上る

日の暑さ死臭に満てる百日紅

重傷者来て飲む清水生温く

梯子にゐる屍もあり雲の峰

水をのみ死にゆく少女蝉の声

人の肩に爪立てて死す夏の月

魂呆けて川にかがめり月見草

廃虚すぎて蜻蛉の群を眺めやる


<つづく>
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