KUMIの句日記

写真と一日一句で綴るブログ。句の転載を禁じます。

忘れる?覚えない?

2021年04月01日 | 俳句
天気 曇がち

まだ黄砂の影響なのか空がすっきりしない。私の体調もすっきりしないので、今日は外へ出なかった。
部屋から見える雑木林の緑が、日に日に濃くなっていく。それにひきかえ、遠くに見えているせいか、桜は満開になった数日前からあまり変わらないように思える。

頻繁にはお散歩出来ないので、道端で花を見るとスマホを向けたくなる。という街角の花を3枚。



さてさて、認知症の人たちが色々居る中で、どんどん症状の進む近くの部屋のMさん、本当に症状が極まってしまった。
礼儀正しくて生真面目なだけに、何ともはや・・
朝9時過ぎ、自販機の水を買いに行こうと部屋の外へ出たら彼女に掴まった。「食事にはまだ早いでしょうか」
「え!さっき食べたばかりですよ、お腹空きました?」
「いいえ、空いていませんけど・・」
その時は解ったような解らなかったような表情をしていた。
そして午後、部屋に居ると眠くなりそうなので珈琲淹れてラウンジで飲もう、とカップ片手に部屋を出たら、また彼女。
「お昼はまだ早いでしょうか」
「昼食?・・さっき昼食は食べたばかりですけど」
「いえ、私は食べていません」
「食堂にご一緒しましたよ、帰りのエレベーターも一緒で」
「いいえ、私は行っていません」
ダメだこりゃ。どうも私の言うことは信じなくなっているようだ。たまたま、職員が通りかかってくれた。Mさん、今度はその職員を呼び止めて
「あの、お昼の食事はまだ早いでしょうか」
・・・・・・・・
職員の説得には納得したようで、部屋へ戻った。
明日からは、訊かれたら「まだ早いですよ」とだけ答えよう。毎日何回も、私だけではなく職員も同じ対応をさせられているようだ。足腰は問題ないし、普通に話すので、他の階の人たちは彼女を「お元気そうなしっかりした人」と思っている。そう、去年まではさして認知力には問題なかったのだ。始まりは「部屋の冷蔵庫のモノがなくなった」からだったっけ・・

ちなみに彼女、時計が読めなくなっている。数日前のこと。廊下の時計は午後1時15分を指していた。その時計を見て「今、12時13分ですよね」と。時計の針の読み方が解らなくなる、というのも、認知症の診断になるのかもしれない。

明日は我が身、かもしれないので、この症状の進行の速さは記憶しておかなくては。

霾(よな)ぐもりはや忘れたる今朝のこと  KUMI

霾(つちふる・ばい)=黄砂
コメント (2)
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