本当は、師を失った結社のことなど書くのが、俳句のブログを表記している私の使命かもしれないけれど・・あまり書く元気が出て来ない。でも、主宰の選により編集された最後の結社誌・4月号はいつものように届いた。
内容もいつもと同じように・・詳細は省略
主宰の毎月の新作20句が、「花を待つ」句になっている。亡くなられたのが3月13日、今年の桜は異常に早かったので、もう咲き始めたものもあったようだ。今年も桜を眺めるつもりで詠んだ句の最後は
満開の花巡りきし果報者 杏子
俳人となる前から、俳句とは別に全国の古木名木を巡り、本にされている。その古い本、私は古書店で手に入れて持っていたのだが、家を処分した時に本は全て処分した。何ともったいないことを・・と言われそうだが、余命2年、1年元気で居られるかどうか、と医師に言われていた身。夫には先立たれたばかり、おまけに何だか解らぬ恐怖のコロナ騒動の中にあって、もう病魔に襲われ始めていた。書籍の始末なぞ誰にどう頼めば良かったの?身内とすらあまり会えないような世の雰囲気で。
ということだったが、今は副作用に悩まされながらも、新しい薬の治療で命を永らえている。まさか、師の方が私より先に・・など夢にも思わなかった。
写真の「相俣の逆さ桜」にも、逢いに行っているという話をその本で知り、びっくりした。車なら便利な所、でもバスでは・・一日に何本のバスがあるのだろう?
この桜、上越国境の三国峠の上り口にあり、私は新潟へ遊びに行くのに何十回となく通ったところだった。国道の脇の、利根川上流の相俣ダムの畔にあり、咲いている時は駐車場へ入って眺めていったものだ。二十年前くらいまでは手入れが悪くてこのままでは枯れる・・と思っていたら、急に整備されてかえってびっくりした。
枝垂れ桜ではなく、小な濃い色の花が咲く。黄金週間前の前あたりが満開になる。でも、年々咲くのが早くなっていて、この年2015年は、4月15日に撮っている。
この年・・2015年は、とっても忙しい年だった。このあと、金婚式を迎え、そのあとすぐに福島の夫の叔母・祖母の墓参を兼ねて三春の滝桜を見に行き・・無論、滝桜は主宰の好きな木で、何度も見に行っているようだ。もう、盛りを過ぎていた。でも1000年の桜は迫力が違った。
帰京するとすぐ、夫はなぜか突然のように車を手放して我が家はレンタカー生活になった。そして夏には私は心臓が壊れて、まさかのペースメーカー植え込みの手術。車のない不自由さを味わった。
そんな話は別として・・
主宰の20句の最初の句は
ダイヤモンド婚無事通過花を待つ 杏子
温厚な紳士の、ご主人を思い出す。
多分、桜は何百年経っても変わらずに咲くのだろう。人間の一生は短い。
生き延びて今年も眩し飛花落花 KUMI