晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

ユートピア考 9/2

2006-09-03 | 旅行記

 2006.9.2(土)曇り 晴れ
 6:00 起床
 8:05 ウェルハートピア新潟瀬波発
14:45 ホテルαー1 着

 豪華な朝食をいただいて出発、毎日天気がよいので休養ができない。今日は特に長丁場になりそうなので緊張する。村上から鶴岡にぬける道は山側のR7と海沿いのR345のふたとおりある。地図で見るとR345は狭そうで、トンネルも多そう。でも海沿いだから上り下りは無いだろうとこちらにする。これが大正解、路肩も広く、車も少ない。なにより海の景色は抜群なのだ。石川の単調な海岸と違い浜、村、岩山、岩礁と次々景色が変わり飽きることがない。実はこのコースは10月1日に行われる村上笹川流れトライアスロンのバイクコースなのだ。佐渡もよかったが、このコースは一段といい。Img_0445
Img_0451 Img_0450_1 Img_0448

 左から、スイムスタート付近、粟島の島影、笹川流れの風景

 遠くに粟島浦村の島影が見える。昨日までは右手に飯豊朝日の山影が見えていた。こういうとき、特に夕暮れなんかで山の影が幾重にも重なって見えるとき、あの山の向こうには苦しみのない幸せな世界があるんじゃ無いかというユートピア、桃源郷思考は自然の感情ではないかと思う。「やまのあなたのそらとおく、さいわいすむとひとはいう、、、」
 島にしたってそうだ、「佐渡はいよいか住みよいか、、」で佐渡に妙に期待してしまった。
人間は現実の生活が苦しければ苦しいほど、山のあなたや遠き島にこの世の天国があると信じたくなる。そこには同じ現実があるだけなのに、、、。そしてついにはあの世に極楽浄土を求めるようになったのかもしれない。旅に出て実際に遠い山影や島影を見るとき、そこにすばらしい世界があるように思えてしまう。
 笹川流れの美しい風景は自転車で走っているからわかるのではないか。車でも、バイクでも汽車でも感じ方が違うのではないか。写真では伝えきれない感動をどのように表現したらいいのだろうか。
 やがてR7が合流して、トラックが増えてきた。海側の道を選んで本当によかった。
鼠ヶ関のところで県境となり、いよいよ東北地方に入った。仕事や旅行で日本中を巡っているのに東北地方だけは空白地域であった。何かしら凄い緊張感が沸いてくる。
 温海温泉のあたりに芭蕉の碑がある。彼らは歩いてこの地を旅しているのだ。「荒海や佐渡によこたう天の川」忘れていた句を思い出す。Img_0457 Img_0458

由良温泉の分岐を過ぎ、由良峠を越すと庄内平野の田園地帯が広がる。遙か北方に雲に隠れているのは鳥海山だろうか。田園地帯を鶴岡を目指す。稲の間に大豆の畑が点在する。これが名産「だだちゃ豆」か。
 途中、耕地整理発祥の地という看板がある。なんでも発祥の地かと思いやり過ごすが次に農業電化発祥の地というのがあり、石碑に東屋まである、さすがに止まって休憩した。Img_0461
 鶴岡はなんとなく閑散とした街に見える。ブログ書き込みがたまっているので、無線LANのあるホテルを選ぶ。
  
  ★ホテルαー1 鶴岡駅近く 1泊5,500円
  ビジネスホテルの設備はすべて整っている。

走行88Km 累計 1、525Km  費用21、865円

コメント (2)
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お金が出ない 9/1

2006-09-03 | 旅行記

 2006.9.1(金)曇り、晴れ   テント内22度
 6:00 起床
 8:15 紫雲寺記念公園オートキャンプ場発 
14:00 ウェルハートピア新潟瀬波着

 真夏なら寝てられないだろう海辺のテントも今は快適である。朝飯代わりに買った牛蒡のカリン糖も食べる気がしなくて、とりあえずスタートする。R113は大型車が圧倒的に多い、昨日までは路肩も広く、歩道も有りで走りやすかったのだが、北上するにつれて
車道のみとなってきた。周りは海岸沿いの雑木林なのに、道路政策は一体どうなっているのだ。広くて安全な所には歩道もあり、路肩も広い。だが、狭くて危険な所にはどちらもない。国道というのは車のためのものであって、歩行者や自転車、軽車両のものではないらしい。
 やむなく一本山側の県道を走る、このての勘はとても優れてきて、最近では紛れない。
予想どおり車は少なく走りやすい。間道の難点は道路標示が少ないことだ。方向をしっかり確認しておかないととんでもないところに行ったりする。今日は曇っているので、影で方向を確認することが出来ない。左手に時々見える海で確認して走る。この方法でやってはいけないことは山の形で方向確認することだ。少し移動するだけで山の形は変わってしまう。富士山のような独立峰ならまだしも。
 最近おいしい水を見かけないなあと思っていた矢先に胎内川を越えたあたりに「どっこん水」というのがあった。胎内川の伏流水で、じゃかじゃか出ている。掃除のお姉さんに聞くと、量も凄いし各家でも出るのだけど、一部の地域に限られているそうである。なるほどおいしく、牛蒡のカリン糖もしっかり食べることができた。ボトルもいっぱいにし、礼を言ってスタートする。Img_0432 Img_0431
 簡易郵便局で小包を出す。たまった資料と、不要な品物を送り返す。金曜なので路銀調達のためカードで出金を依頼する。(簡易郵便局ではこの方法なのだ)おばさんは私の差し出した共用カード(郵便貯金とクレジットカードが一緒になったもの)を見て、「こんなカードがあるんですね。きれいですねえ」と言っている。おいおい郵便局何年やっとんじゃい。「このカードはこの局では使えません、機械が受け付けないので、、、」
 そんなもんかなと思い、次に出合った特定局のATMで払い出すことにする。ところが
ここでも取り扱い不能となった。窓口で聞くと、有効期限が切れているということ。「半月前に送られていると思いますが、、」半月前は長野あたりをふらふらまわってる時じゃないか。カードはともかく週末の路銀をいかがいたそう。
 お金のことはこのカード一枚で充分と思っていた。やはり予備の手段を用意しておかなければいけません。大体こういうことって週末や土日のどうしようもない時に起こるのだ。
幸いまだ4時まで時間はある。姉に電話し、送金を依頼する。電信為替なら瞬時に窓口で受け取れるそうなのだ。特定局は出ていたので、次の局を探しながら走る。いつもなら嫌というほどある郵便局が一向に見つからない。周りの景色も何のその、ついに村上市に着いてしまった。村上郵便局でその旨話し、現金を受け取る。姉は振り込め詐欺じゃないかと色々質問していた。5万円の振り込め詐欺もいるのかしら。
 現金を手にすると気が大きくなって、足は温泉に向かっている。瀬波温泉はなかなか良い温泉ということだ。厚生年金の施設にどうせ満室だろうと思い電話してみる。意外や意外金曜日というのに空いていた。
 村上市は古い城下町である。おしゃぎり会館へ行く。おしゃぎりとは山車のことで、祇園祭りの山車を簡素にしたようなものである。会館にはいると祇園祭を思わせるお囃子がなっている。コンチキチンのあれである。これじゃあ祇園祭のコピーじゃないかと、歴史的な説明文を探すが、寛永10年(1633年)の始まりで当初は村人が大八車に太鼓を乗せて引き回したのこと。祇園祭との関わりなどは一切見つからなかったが、屏風祭りも行われるとあって、よく似ていると思うのだが。
 城下町だけあって多くの武家屋敷が復元再建されていて興味深い。その一つ、若林家というのを見学する。中の上の侍だそうだが、思ったより質素な暮らしである。ただ、庭は立派なもので、武士とはそういうものかなという想いがいたす。Img_0434_1
Img_0436

若林家住宅の庭と玄関

 村上歴史文化館というのにも立ち寄ってみる。大きな提灯型と太平洋戦争末期の木製飛行機の模型が印象的であった。Img_0437
Img_0438

提灯型と古看板

 村上の町並みは落ち着いた風情のある町並みで、やたらけばけばしたビルなどが無いのがよい。商店もすべて屋号があり、一体何を売ってるのか解らない店もある。与板同様大変気に入った町並みである。ただ与板同様キリスト云々の看板が景観を台無しにしている。皆が信者の方ならいたしかたないのだが、、、。次の写真にもたまたま写っている、お気づきだろうか。お城跡も石垣を残すのみで、成金趣味の天守を作りたがる他の城下町と違い趣がある。Img_0441 Img_0443
 Img_0442

左:村上城跡 中:竹細工屋 右:村上の町並み

 宿に帰ると海に夕日が落ちる頃となっている。これが見物で、部屋は海側山側で2千円も違うのだ。もちろん私はマウンテンビューだが。
 おおきなお風呂で夕日を眺める。ひとりで、裸でこの眺めを見られるのは儲けものである。宿泊客は四組程度で週末というのにガラガラ、食事も風呂もいいのに、厚生年金施設って人気悪いのかなあ。Img_0444
右の茶色の建物が宿、遠方は明日越える笹川流れ方面

  
  ★ウェルハートピア新潟瀬波 村上市瀬波温泉 
  一泊二食 10,600円 厚生年金被保険者、受給者以外はもう少し高い様子。
    お風呂、料理、設備良くて空いている。

走行52Km 累計 1、437Km  費用2、852円

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