晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

八幡平と後生掛温泉 9/19

2006-09-20 | 旅行記

 2006.9.19(火)    雨 曇り         
 7:00 起床
 8:10 ゆきの小舎発~志張温泉(バス)8:36~八幡平山頂駅9:16
 9:19 駅発~八幡平山頂9:36~山頂駅9:51
10:00  山頂駅(バス)~後生掛温泉10:24
13:09 後生掛温泉(バス)~志張温泉13:26
13:40 ゆきの小舎着      

 夕べも断続的に雨が降っていた。今朝もどんより曇っている。台風は日本海に、しかも秋田のそばにいるではないか。覚悟して出発、雨のせいにしてバスを利用する。大沼、後生掛、大深、蒸の湯と今日も多くの温泉を過ぎ、標高が1300mとなったときガスが出てきた。運転が危ないほど濃いガスで、おまけに風も強くなってきた。山頂駅に着いたときは視界が10m程になり同乗の登山客はみなレストハウスに消えてしまった。私は一人頂上に向かう。頂上まで往復40分、下りのバスに間に合わすなら30分で帰ってこなければならない。天気が良ければ山頂から登山道を後生掛温泉まで歩く予定だったのだが、この天気じゃ歩く気はしない。石畳の登山道を行くと霧は雨に変わり、風は一段ときつくなってきた。ガマ沼の湖面が波立ちぞっとする。カメラや合羽を取り出す時間も惜しい。
やっと山頂の木の柱が見えた。山頂は1613m、ここは岩手県である。17分かかっている。合羽を着、カメラを出して、撮影即出発する。めがね沼、鏡沼を巡り山頂駅へ着く、9:51充分の時間である。バスの連中はそのまま帰りのバスに乗り、全員後生掛温泉で降りる。Img_0724 Img_0727
山頂とめがね沼


 時間はたっぷりあるので、地獄巡りをする。雨風は相変わらずで地獄巡りにはぴったりだ。迫力は玉川に負けるが規模はこちらが大きい。沼だの火山だのいろいろの自然現象が楽しい。まずは写真でご覧あれ。
Img_0735Img_0741 Img_0739
右から伝説のオナメ、モトメ
中は大湯沼、右は泥火山

 後生掛という変わった名は伝説に由来するという。妻子ある牛飼い九兵衛が病に倒れたとき助けられた巡礼と三年間暮らすこととなる。帰ってこない夫を訪ねてきた妻はその事実を知る。次の朝巡礼は地獄谷に身を投げ、妻もまた「後生を掛けて」後を追ったそうである。オナメ(妾)モトメ(本妻)、要するに三角関係のもつれというところか。
 哀しい伝説はさておき温泉は最高である。神経痛に効く神恵痛の湯を中心に泥風呂、打たせ湯、サウナ、露天風呂、気泡の火山風呂、そしていちおしが温泉の蒸気を利用した木箱の蒸し風呂である。これは本当に暖まり、サウナのように頭まで熱くならないのが良い。たっぷり時間があると思っていろいろ入っていたらあっという間に一時間半が過ぎていた。おもむろにあがり鹿角うどんとビールで昼食、いやはや良いお風呂でした。Img_0744 Img_0746

後生掛温泉とゆきの小舎

 バスで志張温泉からゆきの小舎までの小道を歩いていても、なんだか楽しくて一人で笑ってしまう。天気は良くなかったけど素敵な一日であった。後は洗濯をして自転車の整備をして、ブログを書いて、ゆっくりやすむ。 

★ゆきの小舎 鹿角市八幡平(志張温泉) 9/18~19 一泊二食4,900円      
  夫婦とロコ(犬)で迎えてくれるユニークな宿、最初は由紀子さんが一人で開いたと  か、温泉も近く静かで落ち着く一件宿。ご飯とってもおいしい。

 こほろぎと 花でむかへる ゆきの小舎    うとく

★後生掛温泉 八幡平  日帰り400円 単純硫黄泉 超有名温泉につき説明略
  自然研究路(地獄巡り)は一見の価値有り
  馬で来て 足駄で帰る 後生掛  パンフより
    
  走行無し 累計 2、180Km  費用3,580円

コメント (1)
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台風13号 9/18

2006-09-20 | 旅行記

 2006.9.18(月・祝)    雨 曇り         
 6:00 起床
 8:10 風と石ころ発~R341~12:00 玉川温泉着
13:20 玉川温泉発~R341~
15:30 ゆきの小舎(鹿角市志張温泉)着      

 台風13号が九州に上陸、過去に例のない大型台風ということで各地で死者が出ている。こちら田沢湖も凄い風が吹いて、真っ黒な雲が漂っている。大事を取って昨日休むより、移動しておけば良かったと思うが後の祭り。今日は雨覚悟で出ることとするが、風がつらそうだ。なにしろ40Kmは登りだし、道だってどんなか解らない。マスターは早くから起きて食事と昼のおにぎりを作ってくれている。おにぎりは自転車の者だけのサービスだそうだ。自転車は一番大変だからということだ。ありがたいことである。ばたばたと準備をするが、あせって何度も入れ忘れたり、出し忘れたりいらいらする。自分自身で天気に対する不安があせりになっていることがわかる。「焦るな落ち着け」自分に言い聞かせて準備する。お礼をいって石ころを出る。風でまともに進まない。すこし行くと、茶立ての清水という水場が現れる。休日とあって何人かが汲みに来ている。休憩所などもあって、気持ちの良い水場だ。地域の俳句の会が句の投函箱を用意している。季節ごとに開函するようで、やはり秋の句かなと思い一句投函する。

 颱風の 心なごませる 清水かな     うとくImg_0705

 30分も行かないうちに雨が降り始めた。バッグにビニール掛けたり合羽を出したり大わらわである。やっとスタートしたら雨がやんで暑くなる。合羽を脱いだらまた降ってくる。月山の時もそうだったがどうも皮肉なこととなる。これをマーフィの法則というそうだ。

 脱いだら降り 着たらあかるる 九月雨   うとく

 鎧畑ダムのあたりで本降りになってきた。覚悟はしていたものの雨は情けない。風が収まってきたのがせめてものなぐさめか。休みのせいか車の少ないのも助かる。渇水期のためダムの上部は水が無く、草原がゴルフ場のようになって続いている。対岸に赤い屋根が見える。村がダムに沈んだあとも村人が世話をしているのか、鎮守の社が高台に残っているようだ。白い木だから白樺であろうかその周りに生えている木々が妙に風に吹かれて騒いでいる。なんとなくもの悲しい風景ではある。

 沈みたる 村の鎮守に 秋の風       うとく 

 宝仙湖という玉川ダムでできたダム湖を過ぎるとすばらしいブナ林の街道となる。月山以来団栗はよく落ちていたがこの辺ではクルミが沢山落ちている。自転車にとっては危険この上ない。途中新鳩ノ湯なんて一件宿の温泉があって、温泉好きならたまらないだろうなあと思いながら通過する。玉川温泉近づくと登りが急になってくる。雨の登りは合羽のせいで暑いこと、こうなるとゴアテックスも関係ないようだ。スノウシェッド(雪よけのひさし、これが正式な名前らしい)とスノウシェルター(雪よけでアーチ状になったもの)が続き、不思議と通過時に車が来るのだ。これもマーフィの法則なんだろうか。雨が緩くなって合羽脱ごうかなというとき山の上部にガレ場が見える。おお、玉川温泉か。不治の病も治してしまうというあの有名な玉川温泉が見えた。Img_0706

  感動して写真を撮るが、実は後で解ったことなのだが玉川温泉はそのガレ場(地獄というのかな)の下にあり、見えているのは焼山というものであった。峠は近いと思ったが、その後の坂のきついこと。やっとこさ新玉川温泉の入り口の駐車場に着く。そこには数台のワゴン車やキャンピングカーが駐車しており、いずれもテントを張り生活用品が山積みされている。どうも施設湯治宿のようである。藁をもすがる思いで来ておられるようで、神妙な気持になる。
 腹ぺこなので、おにぎりをいただく。マスターの優しい気持ちに涙が出そうになる。こんなおいしいおにぎりは初めてだ。
 雨も完全に上がったようなので、玉川温泉に行く。国道から急な下りを降りてゆくと、大勢の客、観光客も相当いるようだ。硫黄の臭いが鼻につき、噴気孔から噴出するガスのシューという音がもの凄い。箱根や別府の地獄も凄いがここの比ではない。川も黄色の熱湯が流れ、その上流に噴泉が湧き出ている。ここは岩盤浴が主流で、皆ゴザを持っていい場所を探しているが、どうも噴気孔の近くがいいようで、その周りに集まっている。しかしその場所は臭いが強く数分で頭痛がしてきそうだ。物見遊山で来ている人は熱くもない場所でピクニックのようにゴザを広げ、真剣に岩盤浴している人はやはりそれなりの病気の人なのかなあと思うと複雑な気持ちになる。Img_0708 Img_0709
Img_0712
噴泉とその付近


 せっかく来たので足浴だけして玉川温泉を後にする。登りはまだまだ続き、山の中にいくつも地獄が見える。登りが終わり峠かなと思うが、表示もなく下りでもない。だらだらと進み、大場谷地園という湿原に着く。そこからが下りとなった。赤川、トロコ、銭川、東トロコなど小さな温泉が続き、やっと志張温泉に着いた。ゆきの小舎に着くとさっそく志張温泉元湯に行く。弱アルカリのいいお湯である。ゆきの小舎ではおいしい夕飯をいただき、明日は八幡平と後生掛温泉に行くこととする。台風はどうなってるのかな。
  
  走行61Km 累計 2、180Km  費用31,152円

 ★風と石ころ 仙北市田沢湖町 9/15~17 一泊二食4,800円      
    夫婦と三人の子供さんが日常生活の中に迎えてくれる、暖かい宿。自転車のツーリン  グにはおにぎりを作ってくれる。本当にありがたい。料理も最高 五つ星

 ★峠列伝(14)2006年9月18日 玉川温泉の峠 R341秋田県
 困難度 3  景観 5  水場 有り  歩道 無し  峠名が解らない、周囲は温 泉だらけ

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