2006.10.6(金) 曇り
6:30 起床
8:15 長万部福屋旅館発~R5~道道343号
15:15 ニセコ高原YH着~湯心亭往復
明日から荒天の予報が出ている。今日はニセコまで行き、連泊の予定。
長万部のお湯は大変いいお湯で朝風呂してしまう、都合3回入浴した。主は「小さな宿だからそれだけでお客さんが来ませんよ、みんな有名温泉の大きな旅館に行きますからねえ」と嘆いている。確かに昨日の客も私以外は仕事の人ばかりだ。温泉ブームと言っても長万部や鹿部のような小規模の温泉地には行かないようだ。
昨日あれほど多かったトラックやバスはR37や道央自動車道、札幌室蘭方面に行き、R5はがら空きとなる。緩い登りだが快調に進み、二股ラジウム温泉の入り口に到着、午後ならば立ち寄っていくのだが、、、。
周りは牧草地が広がり、所々に牛舎と住処がある。都会に住むものにとっては一家族だけがポツンと暮らすこのような状況がよく理解できない。一昨日の漁村などは10数軒が寄り添っている。ここは一軒家ばかりだ。国道沿いばかりでなく、森の中に牧場と家があるものもかなりある。夜になったら、冬になったらと妙に心配する。
住居は漁村同様カラフルで丈夫そうなコンクリート住宅で明るく感じるのだが、気になるのは捨てられた廃屋がかなりあることだ。土地はふんだんにあるので、建て替えた家を
放ってあるとか、倉庫代わりに使っているとかならいいのだけれど、車も一緒に朽ちているとかガラス越しに家財がそのまま有るような家はなにかゾクッとするものがある。北の国からに出てきた大農家の夜逃げの話が思い出される。クリスマスの夜にプレゼントの万年筆を置いて消えてしまった場面は涙無くしては見られないところだった。考え過ぎかも知れないが、廃屋を見ているとこういう風に考えてしまうのだ。
途中に断層をイメージしたモニュメントがある。平成5年の北海道南西沖地震の際この国道がずたずたになり自動車が巻き込まれる被害があったということだ。奥尻島の被害は知るところだがこのあたりまで甚大な被害があったとは驚きである。
今日は中秋の名月ということ、この天気では月は眺められないだろうがこのあたりのススキはもう茎も葉も茶色がかって穂も飛んでいきそうになっている。
中秋に 北の芒は まにあはず うとく
虫の音も 細々となり 北の秋 うとく
目名峠は黒松内町と蘭越町の境であり、たいした峠ではないが津軽半島以来の峠登りなので少々こたえる。黒松内町はブナの北限ということである。山形以来つきあってきたブナ林とお別れだ。
この国道は羊蹄国道と呼ばれており、羊蹄山が望まれるのが楽しみだ。峠を下ると集落が現れなんとなくほっとする。稲作農家も多く、田んぼが続く。気がつくことは家の庭や畑に花を栽培していることだ。これは昨日一昨日通ってきた漁村では見られない光景だ。漁労民と農耕民との感覚の違いだろうか。
やがて後方羊蹄山がかすんで現れる。写真を撮りたいが電線がじゃまになっていいアングルがない。周りでは籾殻を焼いており懐かしい臭いがする。昔は黒く焦げた籾殻を苗床に使ったものだが、今では灰にして肥料となっているのか。
籾焼きの けぶり吸いたる 羊蹄山 うとく
昆布の駅に到着、駅前の食料品店でおばさん連中の噂を聞く。ニセコの比羅夫あたりはオーストラリアの人たちの店やマンションができてまるでオーストラリア村になっているということ、地価も何十倍とかになって日本で一番上昇率の高い地域だということだ。
なんでもオーストラリアはバブル景気でかつて日本人が各国でやったと同じようなことが起きているらしい。
道道343号線は名前こそ無いがえらい坂で目名峠と同じぐらいの登りだ。やっとこさ
ニセコ高原YHに到着、一番近いニセコアンヌプリ温泉に行く。
走行 64Km(温泉往復6km含む) 累計 2,879Km 費用18,177円
★長万部福屋旅館 6,000円 設備、食事は値段どおり、温泉は最高
★ニセコアンヌプリ温泉湯心亭 ナトリウム 炭酸水素塩 硫酸塩 塩化物泉
源泉掛け流し
無色 無臭 無味 露天風呂ほんとに掛け流し?
★峠列伝(19)目名峠 北海道国道5号線 2006.10.6
困難度 2 風景 2 水場 無し 歩道 無し