2006.10.20(金) 雨のち曇り
7:40 起床
10:40 花巻逍遙 花巻市博物館~宮沢賢治記念館~薮屋 鉛温泉
21:40 着
朝の内は雨なので小やみになってから出かける。まづいつものように博物館に行く。特段変わったものもなくあまり記憶にも残っていない。縄文時代の落とし穴ぐらいかな。
次に宮沢賢治記念館に行く。ここは博物館と違って数多くの人が来ている。私は銀河鉄道の夜とか風の又三郎とか読んだけど、なじめなかった。何が言いたいのかよくわからなかったのだ。賢治の作品で印象深いのは「永訣の朝」「無声慟哭」の詩と「注文の多い料理店」の童話である。前者は教科書などにもよく載っておりご承知の方も多いと思われる。
妹トシの死を哀しむこの詩は「あめゆじゅとてちてけんじゃ」「おらおかないふうしてらべ」東北弁を挿入しており、賢治の自筆の詩を見ていると体中に戦慄が走り、涙がこぼれ出てくる。なんという強烈な詩だ。
「注文の多い料理店」も改めて幻灯で見てみた。私たちがおいしく、楽しく食べている食事が実はたべられる方にとってはとんでもない地獄だというこの発想は天才からしか生まれないものだろう。
賢治の宗教に対する強烈な傾倒、農民に対しての思いやり、自然科学における知識と洞察力、なにより短い人生の間にもの凄い量の執筆活動は常人を逸している。棟方志功が「私が描いているのではない、何者かが私を使って描かせているのだ」という意味のことを言っていたが、まさにそのような状況なのではないか。
死にあたって、みずからアルコールで全身を拭き息を引き取るなんて賢治らしいと思う。
「下ノハタケニ居リマス」長靴姿の賢治が居そうな感がする。
花巻はわんこそばの元祖という説がある。駅前の薮屋は賢治が良く訪れた食堂で「ブッシュへ行こう」といって、いつもてんぷら蕎麦とサイダーを注文していたということである。(ものの本では天ぷら丼とサイダーとある)今では大きなビルに変わっており、当時の面影は無いが、裏の駐車場に倉が残っていたり、店内にも過去の写真が展示してある。わんこそばはここの名物だそうだが、3,150円が最低の料金で、諦めざるを得ない。一泊二食4,600円の生活で3,150円の昼食は難がある。結局ざるそば470円として、熱燗を一本つけた。
薮屋
花巻には多くの温泉がある、総て町の東側の花巻温泉郷にある。近いところで日帰り温泉に入るべく自転車で東進する。バス停を見ていると、山の神、才の神などという停車場があり、遠野同様の民間信仰が残っていることを感じる。温泉は思ったより遠く、夕刻になってきたので諦めて折り返す。YHに帰るとすぐに夕食である。新しいお客があり、聞くとこれから鉛温泉に行くということ、これ幸いと同乗を依頼する。
鉛温泉は藤三旅館の立って入る白猿の湯が有名で、勿論これが目標である。八時半まで女性の入浴ということで、他のお風呂に入って待つ。川原に向けて露天風呂があり風情満点だ。白猿の湯は噂通り立って入る深い湯で、底から源泉が湧きだしており、熱いので石が置いてある。深いところでは脇近くまで浸かり、なかなか気持ちいい。すっかり暖まり、満足して宿に帰る。
走行 33Km 累計3,626 Km 費用2,880円
★鉛温泉 藤三旅館白猿の湯 源泉掛け流し アルカリ性単純高温泉 源泉57度
日帰り700円 立ってはいる温泉で有名 お湯も最高 (90点)
★花巻ならの里YH 4,600円 花巻郊外にあるロッジ風のYH 食事は質量ともに 最高 米や野菜は無農薬の自作のもので健康にも良し