晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

高湯温泉 10/27

2006-10-29 | 旅行記

 2006.10.27(金)     雨後晴れ      朝13度
 6:45 起床   
13:05 YGHアトマ発
16:20 YGHアトマ着
  
 今週はいい天気のはずなのに、朝からぐずついている。連泊することにして午前中は読書、午後は温泉とする。
 YHの文庫にある「縄文の星と祀り」堀田總八郎著を読破する。縄文時代の遺跡を天文観測という面から探求した本で、巨石や高殿など私が今まで東北各地で見てきた遺跡を取り上げているので一気に読んでしまった。遠野の続石など弁慶の云々などといってないでしっかり調査して欲しいよね。単に祭祀というだけで片付けないで、あれだけの巨大な遺跡だから何か合理的な目的があるはずだ。
 昼過ぎにやっと雨が上がる、さっそく支度して自転車でスタートする。約7Km、高度差500mの登りである。途中おしゃれな蕎麦屋があり腹ごしらえ、せいろ蕎麦730円はまあこんなもんか。
 高湯温泉への路は強烈な登りで、横を流れる沢はきれいだし、道中には馬頭観音碑などもあるが写真を撮ったりする余裕もない。汗だくになり、たまらずシャツを脱ぐ。上半身裸で奇異な目で見られているのはわかっているが、それどころではないのだ。この旅に出てから温泉に入る姿勢が変わってきた。以前は着替えやバスタオルを持っていたがいまは着の身着のままタオルのみ持参で、風呂上がりに汗びっしょりの服でも平気になっている。ただし、山に登ったり、峠を越えたり苦労した後でないと温泉の喜びが味わえなくなっている。これは困ったことだ。
 高湯温泉は硫黄の白濁した湯で、すべて源泉掛け流し、共同浴場のあったか湯に入る。大きな施設だが湯船は露天風呂一つだけ、素朴な感じでいい。酸ヶ湯以来の色つき湯だ。Img_1473
高湯温泉から夕暮れの福島市方面。

 帰りは15分ぐらいの下り、せっかく暖まった身体が一気に冷えてしまった。
    
走行 15Km  累計3,873 Km 費用7,665円
      
★高湯温泉 福島県 滝の湯 含硫黄ーアルミニューム・カルシューム硫酸塩温泉 低張性弱酸性高温泉 源泉掛け流し  ph2.8  温度51度
共同温泉あったか湯は250円 安くていいお湯     (85)    
         
★YGHアトマ   福島市 スーパーユースホステル、設備は完璧、食事は居酒屋風、酒         飲みにはたまりません。 5、785円Img_1474

コメント (1)
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小原なる 10/26

2006-10-29 | 旅行記

 2006.10.26(木)     晴れ後曇り      15度
 6:45 起床   
10:25 小原温泉かつらや発~R113~小原の材木岩着11:20
12:15 材木岩発~県道45~小坂峠着13:10着
13:20 小坂峠発~国見町~R4~
17:10 YGHアトマ着
  
 朝起きてすぐ窓を開ける。朝霧が晴れる瞬間で山の上部に霧が残っている。窓からの景色だけでも充分納得する。さっそく露天風呂に向かい三度目の入浴をし、遊歩道の散歩に出かける。二十九番札所の薬師堂があり、吊り橋を渡る。川は増水しており迫力満点だ。
右岸には復活した岩風呂があり、おじさんが落ち葉を掃除している、後でこれに入ろう。
遊歩道は狭くて滑りやすくお年寄りにはちょっときついかなという感じ。川は急流有り、瀞有りでやがて右手に滝が見えてくる。もう一本滝を過ぎると、足下から噴煙が出ている。
自噴の温泉の湯気だ。岩穴からもうもうと出ており、凄いなあと思い写真を撮るが、後から出てくる方が迫力があり、ついにはお湯がじゃかじゃか出ていて足湯となっている。
温度は丁度いい湯加減だ。滝の次は岸壁で、立派な岩山の途中に松や木々の緑が映え、ナナカマドだろうか紅く紅葉している。水墨画に出てくるような岩山だ。最後に左から凄い水量の滝が現れ、路は太鼓橋となっている。やがて遊歩道は国道に登って行くが、時間もかかるので同じ路を戻ることにする。Img_1401_1 Img_1405_1 Img_1407_1









左:部屋の窓から朝霧の渓谷  中:復活した岩風呂  右:最初の滝
Img_1410_2 Img_1413_1 Img_1408_1 Img_1412_1 Img_1414


左:大岸壁  右:最後の滝



 朝食を済ませた後、岩風呂に行く。宿で割引券をくれたので百円で入浴できる。土砂の堆積等により一時閉鎖されていた岩風呂が復活したそうで、屋根の柱などもまだ新しい。
小さな風呂だが源泉掛け流しで良く暖まる風呂である。岩風呂の横にミズが生えている。
東北ならではの山菜だが、これが実に旨い。とくにこぶの部分が最高の珍味である。ミズ
の中に「見る山菜です」の看板があり、なかなかユーモアがある。

 小原なる 湯に浸かりてぞ 紅葉まつ    うとく

 岩風呂の向かい、丁度吊り橋を渡ったところに数本の古い松があり、風情を醸し出している。東北の風景は松だと思う、特に関西にはとんと見なくなった木であるから余計そう思うのかも知れないが、東北に松はよく似合う。ところがだ、その松にもマツクイムシが入っていると岩風呂のおじさんが言う。「あと二,三年だべな」哀しいじゃねえか。
 かつらやのトレードマーク、逆さの「た」の字は夢枕にたった神様がそうしろとおっしゃたそうである。それから商売繁盛したということで、今日も朝からお客さんが来ている。Img_1424 Img_1425

左:岩風呂内部  右:これがミズだ。


 小原の材木岩まで小原シリーズを探しながら行く。小原温泉駅、小原温泉、小原新橋、小原保育園、小原郵便局、小原小学校、小原中学校、小原公民館、小原のコツブガヤ、小原いきいき直売所、小原和み茶屋、ついには小原ぼけ封じころり観世音菩薩なるものまで出てきた。そうこうしているうちに材木岩に到着、いやはや驚きの大きさである、各地に安山岩の枕岩だの材木岩だのあるけれど、この規模の柱状節理はそうあるまい。広角レンズの無い私のカメラでは写しきれない。下を流れる川と上部の緑が調和して絶景である。
 公園内にはヨコグラノキ北限地帯の表示と大きなヨコグラノキ、飛不動尊の跡地、材木岩氷室、旧上戸沢検断屋敷木村家住宅、そして小原いきいき直売所などの売店が数軒ある。Img_1456 Img_1446 Img_1454





左:飛不動尊入り口  中:小原の材木岩  右:木村家住宅
 
 飛不動尊は少し下流にあり、ちまたではゴルフの神様ということになっている。氷室は氷を保存する氷室ではなくて、岩の間から冷気が出て夏でも一定の温度があるため蚕の卵を保存するのに利用したものである。実際に外気は十五度だったが、氷室内は十度であった。
木村家は上戸沢にあった家を移転したものだが、上戸沢は七ヶ宿街道(羽州街道)の宿の一つで街道の難所といわれた小坂峠を降りて最初の宿であり、休息所として賑わった宿である。なお検断とは宿の様々な役務を取り扱う役所のようなものか。古文書も多く残っており、女性の側から出された離縁状(三行半)は有名なものである。三行半で済まないで十四行にもなっている。
 午後はこの古い街道の峠を越えることとする。下戸沢、湯沢温泉を過ぎ、上戸沢となるが県道は上戸沢を迂回しているので、上戸沢を通ってみる。幕末頃と同様の戸数は有るようだが、廃屋になってる家や空き地になっている家もあり寂しい感は否めない。宿場のはずれに水場と石塔があり、旅人が休憩をしている姿が浮かぶ。街道らしく石塔石碑があるのだが、県道とは一致していないので、山の中や田んぼの向こうに見つかる。自転車ならではの楽しみで、つらい登りも心が和む街道探しだ。この街道は大名行列の他、湯殿山詣での旅人でも賑わったそうで「湯殿山」の石塔もよく見かける。Img_1457 Img_1464

左:街道の跡に石碑が見える。
右:旧小坂峠産坂、急激に谷に落ちている。



 峠の手前に万蔵稲荷神社があり伏見のように沢山の鳥居が立ち並び、信仰を集めているようだ。いわれが解らないのだが、古いものなのだろう。
 小坂峠は宮城福島の県境となっており、茶店や神社がある。国見町、伊達市の展望が開け良い景色だが、山は急速に下っている。旧街道のいわれと復元された街道跡があるが、最も古い街道、慶応以前のものは谷底へ一気に下っており、これでは大名も歩かざるを得ないかと感心する。福島側の坂はあまりに急で、産坂と呼ばれている。お産のように大変という意味らしい。自転車は気楽に一気に下り、途中中の茶屋というところから街道の整備がしてあり、歩いて登れるようになっている。国見からは国道になり福島のYHまで頑張る。
    
走行 61Km  累計3,858 Km 費用15,915円
      
★小原温泉 かつらの湯 単純温泉 低張性弱アルカリ性高温泉 源泉掛け流し 
          岩風呂風情満点 塩素による消毒有り、これって源泉というか?

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白石小原温泉へ 10/25

2006-10-29 | 旅行記

 2006.10.25(水)     曇り
 7:00 起床   
 9:35 東横イン東口Ⅱ発~仙台歴史民俗資料館~R4~白石市~
16:15 小原温泉かつらや着
  
 二日二晩の嵐があけた。自転車に乗るのがおっくうになる。空気を満杯に入れてスタートするがどうも気が乗らない。充分休養したはずなのに身体がだるい。やっぱ温泉でないと身体が休まらないのか。榴ヶ岡公園に仙台歴史民俗資料館があるので立ち寄る。ここは旧陸軍歩兵第四連隊兵舎跡にあり、軍隊関係の展示もある。農民の暮らし、商人職人の暮らし、四連隊コーナーと展示がある。農民の暮らしでは、稲の干し方のおさらい、地面に直接建てるのがじんだて、一本の稲木に掛ける(遠野の朝霧の写真)のが長谷掛け、東北らしい一本の棒に掛けるのが棒掛けまたはほんにょという。
  町屋の展示は看板が独特の凝ったもので思わず写真を撮る。兵舎のコーナーは当時の様子や軍服、用具の展示の他歴史の表に現れない陸軍海上挺身部隊、いわゆる特攻隊の記述もあり、値打ちのある展示である。Img_1385 Img_1386_1

左:キセル屋とカツラ屋の看板

右:かまわんはいれの看板





Img_1390 Img_1392_1 
歩兵第四連隊内務班復元と旧兵舎



 資料館の職員さんに見送られて再出発、少し元気が出てきた。仙台は景色もきれいだし、人々も旅人に優しい、食べ物も安くておいしい、ただ交通マナーが悪いのが目に付く。
 歩行者も自転車も信号無視は当たり前、自動車も横断歩道で止まることはしない。私のように大きな荷を積んだ自転車だとたいがい止まるのだが、目と目が合っても止まらない。
関西よりましかも知れないが、他の東北各県と比べると悪い。ただし、スピードは青森県がダントツである。
 仙台市の中、R4沿いに規模の大きい前方後円墳遠見塚古墳がある。続縄文時代が続き、弥生、古墳時代の無い東北北部に比し、このあたりでは畿内の影響力が届いていたようである。Img_1393 Img_1394

 白石市のYH木村屋旅館に電話する。ここは温泉旅館で久々に温泉で休養できると思ったが、満室ですと断られる。定員42名、ウィークディの今日満室とは納得いかない。後で知ったことだが、天狗岩風呂、かっぱ風呂他6カ所の風呂が楽しめる風呂自慢の宿で定員は250名という大きな宿である。YHの安い客泊めるの嫌なら止めりゃいいじゃないか。かんぽの宿もあるので電話してみる。ビジネスホテルがあるのは知っているが、今日は畳の温泉に泊まりたいのだ。「お掛けの電話は現在使われていません。」かんぽの宿は閉鎖したらしい。なんくるないさでR4を南行する。いつまで行っても町並みは切れず、自動車の通行も切れない。左の堤防を見上げるとなんか走れそうだ。阿武隈川である、昨日の雨で増水し、気味悪いほど勢いがある。このまま白石まで行けるかなと思ったが、白石川に変わった途端にダートになってしまった。
 白石に着いて宿を探す。駅に日帰り温泉がありそう、ビジネスホテルでもいいかと走っていたら、電柱に小原温泉とある。地図を見ると小原温泉、小原渓谷、小原の材木岩などと嬉しくなる表示がある。決めた、てんで、電話すると1万円とのこと、予算がないのでというと少しまけてくれた。
 白石から6Km緩い登りを登って行くと、深い渓谷にきれいな滝が注いでいる。なかなかいいところじゃないか、トンネルやらなんやらみんな小原の名前が付いており、なにか自分のものみたいで楽しくなる。たどり着くと数軒のホテルがあり、意外と大きな温泉である。宿も鉄筋の大きな宿で、予想外だ。風呂は2カ所あり、まず入ったところは渓谷に面して露天風呂があり、絶景絶景。お湯もいいお湯で、明日の散歩を楽しみにしながら日本シリーズを観る。
    
走行66Km  累計3,863 Km 費用1,690円

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