2012.1.15(日)曇、雨
大栗峠の由来の候補は「刳る(くるという動詞)からきた崩壊地形」「大岩」の二つに絞られた。近隣の大栗地名箇所の状況を調べることによってどちらか確信が持てるかもしれないのだが、よくよく考えると崩壊地形だから大きな岩が出現するわけだからどちらも同じ意味を持つのかも知れない。
ここまで考察を進めてきて三つばかり気になる事柄が出てきた。今までの自説を覆すこともあるのでここで書き留めておきたい。
一つ目は、大国峠の件(2011.12.22参照)である。大国峠という地名が丹波大絵図などに記載されているというものだが、簡単に大栗の訛化と片付けてよいものかということである。
大栗峠は”おぐりとうげ”と呼ぶ。小字大栗が”おおぐり”なのか”おぐり”はたまたそれ以外なのか解らない。同様に大国が”おおぐに”なのか”おぐに”なのかそれ以外なのかも不明である。
美称としての”おお、お”のようなのでどちらでも特別な意味は無さそうだ。
オグニ(小国)というのは山を越え川を遡ったところにある別天地のような小さな栃のことを云う。(「地名の研究」柳田国男、他)山形県西置賜郡小国町、熊本県阿蘇郡小国町などはまさにそのようなところである。
杖立温泉は阿蘇郡小国町。
大栗峠の両麓となる上粟野も志古田も小国ではある。
「地名の語源」(鏡味完二)には、
オグニ 地形上まとまった小さい別天地。東北地方に多い。(小国をコ~と読むと佳字でないからオと読んだもの)、とある。
このまま受け取ると、オグニはあくまで小国であって、大国ではないととれるが如何だろう。
上粟野はまさに小国である。
また、上粟野周辺にも志古田周辺にも大国、小国という字地名は存在しない。上林地区には三箇所の大栗が存在するが、大国、小国という地名は存在していない。
これらの事由で、大栗峠は大栗峠で、大国峠というのは訛化あるいはあて字ではないかと判断するものである。つづく(大栗峠考(25)は2012.1.11)
今日のじょん:新じょん語録(5)わたしのじょんは左きき
積雪が少なくなってきて、ぽんぽこぽんが面白くなくなってきた。雪の中にボールを埋めてやると、器用に掘り出してくる。よーく見ると、穴を掘るのは両手だが、ボールを引っ張りだすのは常に左手だ。