晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

睦志のこと(2) 穴虫-8 1/27

2014-01-27 | 上林地名考

2014.1.27(月)晴れ

 穴虫の語源についての小川光三氏やわたしの説について疑問が出てきたのでその内容を述べて新たな語源探索を行いたい。
 <あなぜは西風か?>
 柳田國男の論文の中に「風位考」というのがある。本人は試論のつもりだが立派な本になって本論になってしまったという風なことを書いておられる。昨年亡くなられた谷川健一氏の「日和山とアイの風」(日本の地名)という一文も風に関する論文として秀逸なものと思うが、柳田氏の「風位考」は群を抜いている。そのなかでアナゼ、アナジは方向を示しているものではないといわれたらいたしかたない。現実に各地のアナゼの方向は様々なのだ。
 ここまでは納得するのだが、アナが感嘆詞のアナ、驚きのアナというのはわたしは納得いかないのだが、これも通説となっているようだ。要するにアナゼとは、初冬から冬に吹くびっくりするような悪い風ということになるようだ。
季節的にみてこの風が北西の風になるのは一般的と思われるが、わたしのいうアナ=西というのは無理があるようだ。

<虫は道か?>
 小川光三氏が、穴虫の虫は実は道で穴道ではないかと考えられたのは万葉集巻七柿本人麿の次の箇所である。
 
大穴道 少御神の 作らしし 妹勢の山を 見らくもよしも
 妹勢の山は二上山のことで、大穴道、少御神はそれぞれ大己貴命(おおなむちのみこと)少彦名命(すくなひこなみこと)のことである。
 大己貴は大穴牟遅、大穴持などとも書かれ、人麿が穴道と書いたのは元々がアナムチ、アナモチは穴道だったのではないかということだ。
 そしてアナミチがアナムチとなり、アナムシと変化したのではないかという説である。
 大己貴命と少彦名命が作ったと言われる二上山の北隣に穴虫があり、その西に穴虫峠があるわけで大己貴=大穴道=(大)穴虫というのも解らないでもないが、一時は支持した説であるが今では疑問を持っている。
 小川氏の説に出会う以前にも、穴虫と大己貴は関連があるのではと考えており、穴虫に存在する神社の祭神が大己貴命ではないかと期待した。亀岡市千代川町北ノ庄穴虫の岩城神社の祭神は市杵島比売命であり、奈良県香芝市穴虫の大坂山口神社は大山祇神であった。
P1060784P1060769 
 

穴虫(亀岡市千代川町)遠望、一番谷の所。穴虫にある岩城神社。

そんなところで穴虫の語源は振り出しに戻って考えることになった。つづく
【作業日誌 1/27】
サイクルスポット看板ペンキ塗り

 【今日のじょん】じょんの食事は飯台に真っ直ぐ向かわず、約45度傾いている。理由は分からないが、斜めがきらいのかみさんはこれが気に入らないらしい。「真っ直ぐに食べなさい」なんて言いながらおしりを直角に動かしている。でもまたすぐに元に戻って食べてるので、なにか都合があるのだろう。P1020219  
 



【ぎっくり腰情報】8日目、前日に同じ、手当無し。 

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