晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

 雨読 「風呂と日本人」 10/11

2016-10-11 | 雨読

2016.10.11(火)晴れ
 「風呂と日本人」筒井 功著 文春新書 2008年4月第1刷
 
 「日本の地名」(雨読2016.9.28 )で筒井氏の研究姿勢がすっかり気に入った。定着した従来説に疑問を感じたり、特異地名、難解地名などに偏りがちな地名研究ばかりでなく、極一般的な地名だけど意味不明な地名に目を向けておられるところである。「風呂」地名も極一般的な地名なのだが、実はその意味はよく解らない。わたしが「風呂」地名に出合ったのは地名研究を始めて間もなく、谷川健太郎著「日本の地名」の中の石風呂に関する次の文である。
このあたりでは石を組んで、火を焚き、その熱気で冬場に体をあたためる風習があった。エキの行きどまりの谷の奥をフロと称した。そうした地形のところに、石風呂がもうけられた。そこが「石風呂の浴(エキ)」である。中略、その際重源は杣出し人夫のために石風呂を作ったという言い伝えがある。
 わたしはこの内容に大変疑問を感じた。杣人が暖を取るために石を組んだ風呂をわざわざ作るだろうかという思いである。地名の研究を始めて全国の地図を眺め、大字小字の地名を見ていると「石風呂」の地名はちょくちょく見受けられる。もちろん風呂本、中風呂、風呂屋、風呂窪などの風呂地名が続々と出てくる。こうなるとこれは地形地名に違いないと思うようになった。それにしてもどんな地形なのだろう。地名関係の本だったろうか「三方を山に囲まれた地形」というのがあった。谷の源頭など、洞(ほら)とか保土(ほど)とか呼ばれる地形なのだろうか。それにしてもなんで風呂(ふろ)なのだろう。それにまるで違った地形のところにも風呂地名はあるのだ。釈然としない思いを何年も持ち続けていた。つづく

【今日のじょん】10日にニューモモちゃんが遊びに来た。さかんに遊んでいるようなのだが、あまりに元気なのでじょんは疲れ気味。

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