アベノミクスの効果が出た! ただし役人限定。6月30日、国家公務員にボーナスが支給された。内閣人事局は前年比6万3000円増(12%増)となる〈平均支給額58万6700円〉と記載した資料を配布。大新聞もその数字を報じた。いつものことだが、役所が発表する数字には嘘が隠されている。実際のボーナスはもっと多いのだ。
嘘は2つある。1つめは本誌7月4日号で指摘した通り、公表数字が「管理職を除く行政職」の平均であることだ。
一般行政職は約14万人。うち管理職は半数以上の約7万4000人いる。それらが平均の計算から除外されているのである。簡単にいえば「下半分」の平均が発表されたにすぎない。
2つめは「支給月数の嘘」だ。公務員問題に詳しいジャーナリストの若林亜紀氏が指摘する。
「内閣人事局の報道資料では支給月数は『1.87か月』とされています。が、人事院に取材したところ『1.9か月』で予算を取っている。確認すると、勤務成績区分には『特に優秀』『優秀』『良好(標準)』『良好でない』の4区分があって、1.87か月は『良好(標準)』の数字。内閣人事局はそれだけを発表していたことが判明しました」
人事院によれば制度上は「特に優秀」が全体の5%以上、「優秀」が25%以上いることになっている。優秀と評価されれば0.1~0.2か月分ボーナスが増え、特に優秀ならば最大0.7か月分プラスされる。それらを加味した本当の平均が「1.9か月」なのだが、役人たちは公表する数字を少しでも低くしたかったらしい。
では実際の平均額はいくらなのか。内閣人事局も人事院も明かさないため、若林氏が試算した。
行政職全体の平均給与額は、約40万5000円(扶養手当や地域手当など含む)。その1.9か月分だから、約77万円。部課長は1~2割加算され、実際の平均は約85万円となる。公表している数字の約5割増しだ。ちなみに事務次官のボーナスは約269万円、局長クラスは約205万円となっている。
さてボーナス支給当日の夜。霞が関から徒歩5分ほどの新名所・虎ノ門ヒルズのレストランや周辺の飲食店には多くの役人が繰り出していた。職員カードをぶらさげたまま何杯も酒を注文して大騒ぎしていた某省の方々、国民の厳しい目線を忘れてはいまいか。
※週刊ポスト2014年7月18日号
嘘は2つある。1つめは本誌7月4日号で指摘した通り、公表数字が「管理職を除く行政職」の平均であることだ。
一般行政職は約14万人。うち管理職は半数以上の約7万4000人いる。それらが平均の計算から除外されているのである。簡単にいえば「下半分」の平均が発表されたにすぎない。
2つめは「支給月数の嘘」だ。公務員問題に詳しいジャーナリストの若林亜紀氏が指摘する。
「内閣人事局の報道資料では支給月数は『1.87か月』とされています。が、人事院に取材したところ『1.9か月』で予算を取っている。確認すると、勤務成績区分には『特に優秀』『優秀』『良好(標準)』『良好でない』の4区分があって、1.87か月は『良好(標準)』の数字。内閣人事局はそれだけを発表していたことが判明しました」
人事院によれば制度上は「特に優秀」が全体の5%以上、「優秀」が25%以上いることになっている。優秀と評価されれば0.1~0.2か月分ボーナスが増え、特に優秀ならば最大0.7か月分プラスされる。それらを加味した本当の平均が「1.9か月」なのだが、役人たちは公表する数字を少しでも低くしたかったらしい。
では実際の平均額はいくらなのか。内閣人事局も人事院も明かさないため、若林氏が試算した。
行政職全体の平均給与額は、約40万5000円(扶養手当や地域手当など含む)。その1.9か月分だから、約77万円。部課長は1~2割加算され、実際の平均は約85万円となる。公表している数字の約5割増しだ。ちなみに事務次官のボーナスは約269万円、局長クラスは約205万円となっている。
さてボーナス支給当日の夜。霞が関から徒歩5分ほどの新名所・虎ノ門ヒルズのレストランや周辺の飲食店には多くの役人が繰り出していた。職員カードをぶらさげたまま何杯も酒を注文して大騒ぎしていた某省の方々、国民の厳しい目線を忘れてはいまいか。
※週刊ポスト2014年7月18日号