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長野県で温泉発電、IHIが地熱発電装置を納入

2014年07月23日 06時59分37秒 | 経済
 IHIは、最大送電端発電出力20kWの小型バイナリー発電(工場排熱や地熱などを利用して発電する方式)装置「ヒートリカバリー“HRシリーズ”」1台を、七味温泉ホテル(長野県上高井郡)から受注した。「七味温泉ホテル渓山亭」の温泉を利用して発電するためのもので、IHIでは温泉発電向けの受注は今回が初めて。受注したのは付帯設備を含めた発電システム一式で、2014年3月下旬に納入予定である。


 ヒートリカバリーは、温度が70~95度の温水を利用して、少量の温水でも最大で20kWの発電が可能。発電した電力は自家用として利用可能なだけでなく、送電網(商用電源)に接続し、地熱(温泉)による再生可能エネルギー固定買取制度を適用した売電も可能だ。同ホテルでは、90度前後の温泉を利用して発電し、浴用やハウス栽培などへの利用を検討している。


 ヒートリカバリーは、バイナリー発電に適さないとされ、従来は捨てられていた少量の温水を利用することを目的に開発したもの。沸点の低い有機媒体を作動媒体として用い、温水と冷却水によって蒸発・液化のサイクルを繰り返し、蒸発した作動媒体でタービン発電機を作動させる。


 作動媒体は不活性ガスのフルオロカーボン245fa(HFC-245fa)。有機媒体を液化させるための冷却水の温度が30度(一般的な工場の冷却水の平均的な水温)でも、温水が95度あれば最大発電出力を得られる。


 これまでは利用しにくかった、工場などで分散して排出されている100度未満の温水を、集約せずに利用できるようになるという。IHIは2013年度末までに20台以上の受注を目指している。

(日経テクノロジーオンライン 赤坂麻実)
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