7月3日(月)
箕面市議会6月市議会で
5月国会可決の介護保険改悪関連法の中身を今年8月から実施するためシステム改修に反対
「一般」の廃止で月7200円の値上げも 約200人に影響
この予算を含んだ介護保険事業補正予算は、維新、自民、政友、公明の賛成、日本共産党3人と無所属2人の5人の反対で可決しました。
名手宏樹の行った反対討論をご紹介します。
第56号議案 平成29年度箕面市特別会計介護保険事業費補正予算(第1号)に反対し、以下その理由を述べます。
介護保険法だけでなく、医療法、社会福祉法など31本もの論点の異なる「改悪」法案を一括して審議することだけでも異例ですが、4月12日の衆院厚生労働委員会では、野党の“森友学園問題の質問”に反発して、自民・公明・維新などの賛成で一括の法案が強行採決されました。
本案件は、その後、5月26日に参議院でも強行した、改悪介護保険関連法による介護保険システム改修費用 2106万6千円が、早速、この6月市議会に補正予算として計上されています。
いくらの値上で何人に影響?
介護保険の7期の制度改定は来年からですが、今回のシステム改修によって介護保険利用料の「一般」の区分の方の上限が月37200円から44,400円、「現役なみ所得」と同等に引き上げられます。3年間は年間の上限額は据え置きとなることですが、ひと月では7200円の引きあげになります。箕面市では、介護保険利用者の約5000人の内約200人に影響します。
どんな所得階層の人々が影響する?
これまでの「現役並み収入」の方と「一般」の区分が撤廃されますが、これまでの「一般」の方々の最も少ない収入層は、非課税の方との境になる基準の方です。年金収入で言えば、2人世帯で211万円超える方で、月収では17万5千円程度です。1人世帯なら155万円以上で、月にすれば13万円程度で、生活保護世帯の少し上のいわゆる境界層世帯ということになります。こうした世帯にこれまでの「現役なみ収入」の介護の負担を負わせれば、他の医療費負担も伴なって生活保護水準を割り込み、生活を圧迫し、介護保険の利用の制限が起こることが明らかです。
また、システム改修費の2106万円の委託料も、国庫補助があるとされていますが、秋ごろ国から入るとされていますが補助額は未定ということです。
来年は、さらに利用料が○割に?
今回の国の介護保険制度の改悪はこれにとどまりません。来年8月には、現役並み所得者の介護サービスの自己負担割合を「3割」に引き上げます。2年前、一定額以上の所得がある人について2割に引き上げたばかりです。
ある夫婦の場合、公的年金など控除後の合計所得が160万円の基準額をわずか2000円オーバーし、「2割負担」の対象になり、それまでと同じ介護サービスを受けると、月1万9000円が3万8000円にはね上がります。入浴やデイサービスの回数を週4回から、月2回に減らさざるをえず、必然的に妻の介護量が増える。奥さんも膝の手術が必要な状態で、「金銭的負担もさることながら、介護疲れも蓄積していて、このままでは共倒れしてしまう」と担当のケアマネ―ジヤーは語ります。矢継ぎ早の負担増が利用者や家族を追い詰め、暮らしを破壊しています。
全国でどれだけの方に影響する?
前回の改悪で2割負担になったのは65歳以上人口(225万人)のうち、所得の上位20%の人たちで、約45万人。国は「利用者の状態悪化やサービス利用の減少は確認されていない」(安倍首相、3月28日衆院本会議)として、2割負担の利用者に生じている影響について調査や検証をする前に3割負担に踏み切りましたが、 昨年2割になった45万人のうちの12万人(26%)(225万人の5%)が、来年8月から3割負担になります。)
こうしたさらなる負担増と給付の切り捨ては介護が必要な人に対するサービス利用を阻害するもので、公的介護制度に対する国民の信頼を土台から突き崩すことになります。
基準がどう変わる?
「地域共生社会」の名のもとに、高齢、障害、子どもなどの福祉に対する公的責任が大幅に後退しかねません。障害児・者と高齢者への支援を同一事業所で行う「共生型サービス」を創設で、施設・人員基準が“低い方”にあわせられ、サービスの質が低下するのではないかという懸念も広がっています。
なぜ、制度改悪?どうすればいい?
「高齢者が増え、少子化で支えられない」「財源がない」「制度の持続的継続が大事だ」というのが制度改悪推進の理由ですが、私たちは、「税金の集め方使い方」を変えることを提案しています。大企業への減税や防衛費への増額を続けながら、社会保障には財源がないといって負担増や給付削減を次々進めることは中止すべきです。日本の社会保障の国民1人あたりの公的支出は、経済協力開発機構(OECD)34カ国中17位で極めて低い水準です。社会保障や若者、子育てなどに優先して使う政治への転換が急務です。箕面市での大規模開発、街づくりも見直すべきです。
「国の決めたこと」でいいのか?
いま求められるのは、社会保障費の自然増削減という方針を転換し、国民の生存権と、社会保障増進に対する国の責務を定めた、憲法25条にもとづき、公的制度を抜本的に拡充することです。
国の決めたことに従わざるを得ないと言わず、地方から住民の立場で発信、発言することをもとめて反対討論といたします。

箕面市議会6月市議会で
5月国会可決の介護保険改悪関連法の中身を今年8月から実施するためシステム改修に反対
「一般」の廃止で月7200円の値上げも 約200人に影響
この予算を含んだ介護保険事業補正予算は、維新、自民、政友、公明の賛成、日本共産党3人と無所属2人の5人の反対で可決しました。
名手宏樹の行った反対討論をご紹介します。
第56号議案 平成29年度箕面市特別会計介護保険事業費補正予算(第1号)に反対し、以下その理由を述べます。
介護保険法だけでなく、医療法、社会福祉法など31本もの論点の異なる「改悪」法案を一括して審議することだけでも異例ですが、4月12日の衆院厚生労働委員会では、野党の“森友学園問題の質問”に反発して、自民・公明・維新などの賛成で一括の法案が強行採決されました。
本案件は、その後、5月26日に参議院でも強行した、改悪介護保険関連法による介護保険システム改修費用 2106万6千円が、早速、この6月市議会に補正予算として計上されています。
いくらの値上で何人に影響?
介護保険の7期の制度改定は来年からですが、今回のシステム改修によって介護保険利用料の「一般」の区分の方の上限が月37200円から44,400円、「現役なみ所得」と同等に引き上げられます。3年間は年間の上限額は据え置きとなることですが、ひと月では7200円の引きあげになります。箕面市では、介護保険利用者の約5000人の内約200人に影響します。
どんな所得階層の人々が影響する?
これまでの「現役並み収入」の方と「一般」の区分が撤廃されますが、これまでの「一般」の方々の最も少ない収入層は、非課税の方との境になる基準の方です。年金収入で言えば、2人世帯で211万円超える方で、月収では17万5千円程度です。1人世帯なら155万円以上で、月にすれば13万円程度で、生活保護世帯の少し上のいわゆる境界層世帯ということになります。こうした世帯にこれまでの「現役なみ収入」の介護の負担を負わせれば、他の医療費負担も伴なって生活保護水準を割り込み、生活を圧迫し、介護保険の利用の制限が起こることが明らかです。
また、システム改修費の2106万円の委託料も、国庫補助があるとされていますが、秋ごろ国から入るとされていますが補助額は未定ということです。
来年は、さらに利用料が○割に?
今回の国の介護保険制度の改悪はこれにとどまりません。来年8月には、現役並み所得者の介護サービスの自己負担割合を「3割」に引き上げます。2年前、一定額以上の所得がある人について2割に引き上げたばかりです。
ある夫婦の場合、公的年金など控除後の合計所得が160万円の基準額をわずか2000円オーバーし、「2割負担」の対象になり、それまでと同じ介護サービスを受けると、月1万9000円が3万8000円にはね上がります。入浴やデイサービスの回数を週4回から、月2回に減らさざるをえず、必然的に妻の介護量が増える。奥さんも膝の手術が必要な状態で、「金銭的負担もさることながら、介護疲れも蓄積していて、このままでは共倒れしてしまう」と担当のケアマネ―ジヤーは語ります。矢継ぎ早の負担増が利用者や家族を追い詰め、暮らしを破壊しています。
全国でどれだけの方に影響する?
前回の改悪で2割負担になったのは65歳以上人口(225万人)のうち、所得の上位20%の人たちで、約45万人。国は「利用者の状態悪化やサービス利用の減少は確認されていない」(安倍首相、3月28日衆院本会議)として、2割負担の利用者に生じている影響について調査や検証をする前に3割負担に踏み切りましたが、 昨年2割になった45万人のうちの12万人(26%)(225万人の5%)が、来年8月から3割負担になります。)
こうしたさらなる負担増と給付の切り捨ては介護が必要な人に対するサービス利用を阻害するもので、公的介護制度に対する国民の信頼を土台から突き崩すことになります。
基準がどう変わる?
「地域共生社会」の名のもとに、高齢、障害、子どもなどの福祉に対する公的責任が大幅に後退しかねません。障害児・者と高齢者への支援を同一事業所で行う「共生型サービス」を創設で、施設・人員基準が“低い方”にあわせられ、サービスの質が低下するのではないかという懸念も広がっています。
なぜ、制度改悪?どうすればいい?
「高齢者が増え、少子化で支えられない」「財源がない」「制度の持続的継続が大事だ」というのが制度改悪推進の理由ですが、私たちは、「税金の集め方使い方」を変えることを提案しています。大企業への減税や防衛費への増額を続けながら、社会保障には財源がないといって負担増や給付削減を次々進めることは中止すべきです。日本の社会保障の国民1人あたりの公的支出は、経済協力開発機構(OECD)34カ国中17位で極めて低い水準です。社会保障や若者、子育てなどに優先して使う政治への転換が急務です。箕面市での大規模開発、街づくりも見直すべきです。
「国の決めたこと」でいいのか?
いま求められるのは、社会保障費の自然増削減という方針を転換し、国民の生存権と、社会保障増進に対する国の責務を定めた、憲法25条にもとづき、公的制度を抜本的に拡充することです。
国の決めたことに従わざるを得ないと言わず、地方から住民の立場で発信、発言することをもとめて反対討論といたします。
