蕎麦屋で『〇〇南蛮』というとネギが入ったものを言う。これは南蛮人(ポルトガル、スペインなど)がネギを好んで食べたと言うことに由来していてカレー南蛮、鶏南蛮、鴨南蛮などが有名である。しかし、なぜか人形町の蕎麦屋さんには『ネギ南蛮』をメニューに加えている店がある。
まずは甘酒横丁の『東嶋屋』、明治20年創業の老舗ながら、気さくに入れる店である。この店はたぬきそばの揚げ玉も干しエビを刻み加え、天ぷらとは別に作っており、その美味さは他店にはない。
ネギ南蛮は950円と少し高め。お願いすると7、8分かかる。出された蕎麦の上には揚げ玉とネギの細切り(繊維に沿って長さ5cm、幅5mm程度に切ったもの)を焼いたもの、温泉たまご。
あしらいには水菜が付いてくる。ただ、焼いて焦げ目のついたネギがたっぷりと入っている。
蕎麦から頂くが喉越しの良い二八蕎麦、揚げ玉から僅かに干しエビの香り、さらに焼いたネギも香ばしい。黒七味を掛けるとさらに味が引き締まる。温泉たまごを割るタイミングが難しいが、割ると月見蕎麦のようになり、味が変わって美味い。
一方、路地に佇む『人形町薮』にもネギ南蛮はある。値段は750円ときつねそばと同じ価格。頼むと厨房から油でなにかを揚げる音がする。
少し経ってやってきた蕎麦はネギの天ぷらが3つ、先ほどと同じように切ったネギがたくさん入っていて、あしらいにほうれん草と茹でた鞘インゲンが付いてくる。
こちらは蕎麦はやや太く、しっかりとした味わい。こちらのネギの天ぷらにも干しエビが入っていて微かに味がする。煮えたネギは柔らかく、甘くなっていてさっぱりしていながらも腹にも溜まる。
ネギ南蛮も2店二様。他の店も食べてみたいメニューである。
東嶋屋
中央区日本橋人形町2ー4ー9
人形町薮そば
中央区日本橋人形町1ー7ー2
東嶋屋
中央区日本橋人形町2ー4ー9
人形町薮そば
中央区日本橋人形町1ー7ー2