hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

椿絵の展覧会に行く〜『切磋琢磨・響きあう個性』

2024-12-04 05:00:00 | 日記
今年も12月に入り、日本橋・アンペルギャラリーにて年1回恒例となっている椿絵コレクションの展覧会が開催された。私も早速見に行くことにした。このコレクションはあいおい ニッセイ同和損害保険の前身の一つである大東京火災創業者・反町茂作が四季を問わず緑をたたえ、鮮やかな赤い花を付ける椿をシンボルマークにしたことから椿の絵を収集、ギャラリーの名前も同じく椿に起因している。

たくさんあるコレクションの中から一部を選定し、毎年この時期に一般に公開をしている。今年のテーマは『切磋琢磨〜響きあう個性』という副題がついており、岸田劉生を中心にその弟子である中川一政や切磋琢磨した椿正雄、木村荘八などの競演となっている。

まずは中川一政の扇子に描かれた椿の絵。椿に関し謳った短歌が載せてある。鮮やかな赤い花が一輪描かれている。

次いで岸田劉生の『椿の図』、絹本に着色された淡い椿の花が3輪。優しげに描いた秀作である。

同じく岸田劉生の『籠椿』と名付けられた油絵、劉生の名作・麗子像を彷彿させるような重厚な暗い赤の背景の中、明るく花を4輪つけた椿も素晴らしい。



中川一政の作品も劉生の流れを汲むような暗い背景の中で横たわる一輪の椿の作品は惹かれるものがあった。

ほかにも木村荘八の『椿図』は軽やかに並ぶピンクの椿の花が描かれている。

2025年のカレンダー表紙原画に使われている保立葉菜氏の作品は明るく、上を向いて前向きに咲いている2輪の椿が力強く描かれていて元気がもらえそうな作品。

五味悌四郎な作品はまるで写真のような光沢のある大作でこれにも目が奪われる。

(岸田劉生)

それほど広くないギャラリーであるが、著名な作家が椿という一つの題材をこれだけ違う描き方をしているのか、比較してみるだけでも楽しい。
開催は12月22日まで、入場無料、またアンケートに答えると賞品(運が良ければ来年の椿カレンダー《非売品》)も当たる。
UNPEL GALLERY
中央区日本橋3ー1ー6
月曜日休、11時〜19時