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『東京の坂、日本の坂』その157。今回から小金井市の坂道を巡る。小金井市は東西に国分寺崖線が通り、北から南に坂道が何本もある。坂を降りると野川が流れていて小金井市では『小金井の坂と遊歩道マップ』を都市整備部道路管理課で作成していることを知る。
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今回の坂巡りは武蔵小金井駅南口を出てイトーヨーカドーの周りを周り、市役所第二庁舎の5階までマップをもらいに行くことから始めた。
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武蔵小金井駅周辺は平らでこの駅で降りて坂巡り?という感じである。市役所を出てまずは西に向かう。左手をみると建物がなく、駐車場から遠くまで見渡せる場所を発見、見に行くと足元から急に崖になり、向こう側の風景がよく見える。これが国分寺崖線なのであろう。
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連雀通りまで戻り、次の角を左に曲がると『平代坂』。名前の由来は幕末期に坂の東側に住む梶平太夫が玉川上水の分水を使って水車屋を営んでいたため、平太夫→平太坂屋敷平代坂と変化したと思われる。
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次の角に『滄浪泉園(そうろうせんえん)』という庭園への案内板がある。左に曲がるとすぐのところに入口、有料である。
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大人100円とあるので100円を払おうとすると、『お客様おいくつですか?』と急に聞かれる。年齢を正直にいうと『60歳以上は50円です』と返された。見た目で60以上と判断され、割り引いてもらう経験もなく、驚く。『中には何があるのですか?』と聞くと『単なる庭園で大して見るものもないですよ。坂を降りると池があって、そうだ水琴窟もあります。』と会話した。
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中に入ると緩い坂があり、少し行くと広場になっている。その横に水琴窟があり、柄杓で水を掬い、石に掛け、竹の棒を石につけると心地よい水の響く音が聞こえて来る。
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坂を降り、池が見えてくる。池の前には鼻欠け地蔵、危なく池に転落しそうになっている。
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池は周りに樹木が繁り、薄暗く何となく不気味な感じがする。元は波多野承五郎という実業家が1914年に設けた別荘で1919年に訪れた犬養毅が『手や足を洗い、口を濯ぎ、俗塵に汚れた心を洗い清める、清々と豊かな水の湧き出る泉のある庭園』からこの名前にしたのである。
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その後、敷地は三分の一となったが、マンション開発計画を地元住民が反対し、東京都が買い上げ、さらに1979年に小金井市が払い下げを受け庭園として管理しているものである。
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所々に『ハケ』がある。ハケとは小金井市周辺の方言で崖や段丘を表す。そのため、ハケ上は水が少なく畑に適し、ハケ下は水が豊富で田んぼに適している。
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この庭園では水が湧き出す所をハケと呼んでおり、池自体も湧水により満たされている。(以下、次回)