天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

「マネーボール」81

2011年11月25日 | 映画感想
「マネーボール」

ブラピ主演最新作。実在する、というか今現在もオークランド・アスレチックスのGMを勤めている
元メジャーリーガーの「ビリー・ビーン氏」が、貧乏な弱小集団だったアスレチックスを今までにない
新しい理論「マネーボール理論」で立ち直らせる姿を描いた作品。

実在する、というか今も思いっきり現役の選手だったり人物だったりするので「山田太郎(仮名)」みたいな
生温いやり方はしないで、チーム名から所属選手等の全ての固有名詞が実名そのままで登場する。
だから頭の中で「コレは○○の事だね」って考えずに済んですんなり話に入り込めるのは大助かり。
ちなみにあらすじは「アスレチックス」とか「マネーボール」等のキーワードでググればいくらでも出て来ます。
敢えてココに書くのも面倒なので、勝手に調べて下さいな~^^;

2002年のシリーズでアスレチックスがア・リーグ新記録の20連勝をした、というニュースは当時日本でもかなり話題になった。
私も野球は嫌いじゃないので(中学時代はソフトボール部だったしネ!)結構記憶に残っている。
でも、その20連勝を果たした強豪名門チームが、実はこんなド貧乏球団で、スター選手を次々放出してデータ頼りに
2流ドコロを寄せ集めて作ったチームだったとは全く知らなかった。

本作で描かれている「マネーボール理論」というのは、今までのいわゆる「スカウトの長年のセンスと勘」みたいな
人間の第六感とかヒラメキみたいな物をバッサリと切り捨てて、選手の過去データを徹底的に数値化・統計化して
そこから割り出した「出塁率」に合わせて選手を組み合わせて行くという・・・実にロジカルで興味深い理論。

でも野球界というのは昔ながらの伝統だったりお約束事だったり、はたまた選手獲得の駆け引きから派生する様々な利権や金に
有象無象が群がっては甘い汁を吸おうとする泥臭い世界なので、ビリーと彼の相棒でイエール代卒のピーターの2人が主張する
データを元にしたマネーボール理論というのは徹底的に糾弾される訳です。
そんなの認めたら自分達の利権構造が瓦解してしまうからね。だから絶対に認められない。
実際に20連勝したにも関わらず、その後リーグ優勝まで行けなかったという理由で(?)彼らの理論は当時マスコミや
野球関係者から随分叩かれていたようだし、今もまだ認めようとしない輩が多いみたいです。
で、割り切りも良くて資金も潤沢なレッドソックスがビリー達の理論をサクッと受け入れてチーム編成をし直したら
たった2年後にワールドチャンピオンになってしまったというw

映画は事実を割と淡々と描いているんだけど、ビリーの焦りや葛藤等も丁寧に拾い上げているし、決してビリーを英雄視しないで
彼の短気で直ぐに物に当たり散らすマイナスな性格部分もありのままに写し取って描いている部分には好感が持てます。
スタッフは「ソーシャル・ネットワーク」を手掛けたチームだそうですが、さもありなん!な作りです。

ブラピ、もうすっかりいい中年のお年頃なんだけどさー、まーこの人って本当にカッコイイよねぇ(溜息)
本作のビリー・ジーンという人物像にとてもよくマッチングしていたと思う。ってか、だからブラピって結構演技も上手いんだよね。
ブラピとディカプリオの2人は実は不当に評価が低いと個人的に思うんだけどなー。この人もうちょっと評価されてもいいと思うよ、うん。
余りにも美形過ぎて容姿だけで斜め目線で見られちゃうのって、本当に勿体無いと思うよ。

野球に全く興味のない人でも本作なら楽しめるんじゃないかなぁ?どうなんだろう?自分が野球好きだからちょっと判らないな^^;
でも「事実は小説より奇なり」を地で行く実話の映画化なのよ。少なくとも小説より奇な事実の話なんだから面白そうじゃない?w
コメント
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