「猫は逃げた」
城定秀夫監督と今泉力哉監督がお互いに脚本を提供し合ってR15+指定のラブストーリーを製作するという企画「L/R15」というプロジェクトの第二弾。
第一弾の「愛なのに」のレビューは←タイトルクリックして頂ければ幸いでございます…^^;
という訳で、本作は城定監督が脚本を提供し、今泉監督がメガホンを取っています。
あらすじ
レディースコミック作家の町田亜子(山本奈衣瑠)は雑誌編集者の松山俊也(井之脇海)と肉体関係を持ち、彼女の夫で週刊誌記者の広重(毎熊克哉)も同僚の真実子(手島実優)と浮気している。夫婦仲は冷え切り離婚寸前の二人は、飼い猫のカンタをどちらが引き取るかでもめていた。そんな中、カンタが姿を消してしまう。(Yahoo!Movieから丸パク)
主人公夫婦の夫、広重は1作目の「愛なのに」で主人公(瀬戸康史さん)の昔のバイト仲間として登場していて、その時に夫婦仲について「上手く行ってないんだよなぁ」って愚痴るシーンがあったのですが、その上手く行っていない夫婦のアレコレが本作の内容になっている。
そもそもが夫婦仲がここまで悪化するきっかけは広重の浮気が原因で、しかも頼まれてもいないのに自分から妻の亜子に自爆した事で亜子も報復と言わんばかりに自分の担当編集者と恋仲になった、という経緯がある。お互い恋人が出来たならすんなり離婚すりゃーいいぢゃねーか、と端で見てても思うんだけど(苦笑)、何故か広重は離婚届にサインするのを躊躇っていて、離婚届を突きつけた亜子の方も「何だかお互い忙しくて」と言いつつちっとも離婚話を進める様子がない^^;
この、「とっとと離婚すりゃーいいのに何となく離婚を躊躇う」感じ、分かるんだよなぁ。
浮気されたのは腹立たしいし悔しい。自分だって浮気して恋人は優しくていい人。自分が離婚するのを待ってくれているのも分かってる。それなのに離婚すんのが面倒臭いw
言葉にするのが難しいんだけど、相手の事を「嫌いになり切れてない」って言うかな。だから完全に断ち切る(離婚)事に若干の抵抗があるんだよね。
本気の本気の心の芯の部分で「新しい恋」と「離婚」が繋がってないんだな。恋やSEXが楽しい事と「離婚する」事がリンクしていない。多分夫婦どちらも「今のちょっと爛れた状態がぬるま湯でちょうどいい」位に思ってる。だから「猫の親権」の取り合い、という言い訳を作って離婚問題を棚上げにしている。
まあ、待たされてる浮気相手側はたまったもんじゃないわね(苦笑)…という訳でこの展開な訳ですが。
本作のキーキャラである「猫のカンタ」がこれまたとてつもなくゆる~い猫ちゃんでw、誰にでも抱っこされて誰にでもいいこいいこされて誰からもご飯貰っちゃう緩い子w
そもそも主人公夫妻はカンタを虚勢もさせてないし令和の現代で街中で半外飼いしてるし、そこんとこ動物愛護云々に小うるさい人が観たらキーキー騒ぎそうですがそこは本作の内容的にカンタには外に出て貰わないといけないし自力でおうちに戻って来て貰わないといけないので華麗にスルーするとして^^;
何と言うか…本作の主人公夫婦の、特に夫の広重が…カンタと同じで(いや同等扱いしたらカンタに申し訳ないか)緩いんだよね色々とw
この夫婦が結婚するきっかけが「捨て猫だったカンタを拾った」事だったんだけど、広重は当時亜子から「妊娠したかも知れない」事を示唆されて亜子から逃げようとしていたんだけど、逃げようとした正にその時にたまたま捨て猫を見つけて亜子の元に戻った→結婚、という流れだった。(結局妊娠はしていなかった)
自分から浮気しておいて亜子から問い詰められた訳でもないのに(ふんわり勘付かれてはいたが)自責の念に堪えかねて自分から浮気していたことを告白している。コレは劇中でも亜子から指摘されていたけど、亜子に申し訳ないという気持ちから告白した訳ではなくて自分の罪悪感を亜子に告白する事で責任転嫁して自分が軽くなりたかっただけ。
そして今は浮気相手から離婚をガンガンに迫られていて、それに対処するのが面倒臭くて猫の親権問題を持ち出して現実逃避している…不思議なもので、この手の緩い人って根本的にどこまでも優しいんだよね。言い方変えれば優柔不断なんだけどね。だから一緒にいて居心地がいいんだ。それでいつまでもズルズルしちゃう。
なかなかいいキャラクター設定だなーと感心してしまった。世の中の浮気してどっちにもいい顔してズルズル逃げてる男の典型ってこのタイプだよなぁーとw
ま、本作は嫁の亜子の方も割れ鍋に綴じ蓋なキャラだったから「ちょうどいい夫婦」だった訳ですが(苦笑)
という訳で、本作の中では亜子の恋人・松山君が一番まともっちゃーまともなキャラだったかな、と。まあ浮気に加担したのはよろしくないですが。
でも松山君の「お似合いの夫婦ですよ」と「これ以上好きな人を困らせたくない」というセリフは…なんだかホッとするっていうか、スゥーッと正気に戻るというかw
そんなこんなで…私にも井之脇海君プロデュースの「アレルギー鼻炎に効くフレーバーティー」を煎れて欲しい!私も猫アレルギーなの切実なのーーー!^^;
それにしても「アガペーからエロースへ!」が耳について離れないっ!!
そして最後のスタッフロールを観ていて衝撃の事実が…「映画のナレーション:瀬戸康史」って!マジか!こんなトコロで「愛なのに」コラボとか笑うわっw
城定秀夫監督と今泉力哉監督がお互いに脚本を提供し合ってR15+指定のラブストーリーを製作するという企画「L/R15」というプロジェクトの第二弾。
第一弾の「愛なのに」のレビューは←タイトルクリックして頂ければ幸いでございます…^^;
という訳で、本作は城定監督が脚本を提供し、今泉監督がメガホンを取っています。
あらすじ
レディースコミック作家の町田亜子(山本奈衣瑠)は雑誌編集者の松山俊也(井之脇海)と肉体関係を持ち、彼女の夫で週刊誌記者の広重(毎熊克哉)も同僚の真実子(手島実優)と浮気している。夫婦仲は冷え切り離婚寸前の二人は、飼い猫のカンタをどちらが引き取るかでもめていた。そんな中、カンタが姿を消してしまう。(Yahoo!Movieから丸パク)
主人公夫婦の夫、広重は1作目の「愛なのに」で主人公(瀬戸康史さん)の昔のバイト仲間として登場していて、その時に夫婦仲について「上手く行ってないんだよなぁ」って愚痴るシーンがあったのですが、その上手く行っていない夫婦のアレコレが本作の内容になっている。
そもそもが夫婦仲がここまで悪化するきっかけは広重の浮気が原因で、しかも頼まれてもいないのに自分から妻の亜子に自爆した事で亜子も報復と言わんばかりに自分の担当編集者と恋仲になった、という経緯がある。お互い恋人が出来たならすんなり離婚すりゃーいいぢゃねーか、と端で見てても思うんだけど(苦笑)、何故か広重は離婚届にサインするのを躊躇っていて、離婚届を突きつけた亜子の方も「何だかお互い忙しくて」と言いつつちっとも離婚話を進める様子がない^^;
この、「とっとと離婚すりゃーいいのに何となく離婚を躊躇う」感じ、分かるんだよなぁ。
浮気されたのは腹立たしいし悔しい。自分だって浮気して恋人は優しくていい人。自分が離婚するのを待ってくれているのも分かってる。それなのに離婚すんのが面倒臭いw
言葉にするのが難しいんだけど、相手の事を「嫌いになり切れてない」って言うかな。だから完全に断ち切る(離婚)事に若干の抵抗があるんだよね。
本気の本気の心の芯の部分で「新しい恋」と「離婚」が繋がってないんだな。恋やSEXが楽しい事と「離婚する」事がリンクしていない。多分夫婦どちらも「今のちょっと爛れた状態がぬるま湯でちょうどいい」位に思ってる。だから「猫の親権」の取り合い、という言い訳を作って離婚問題を棚上げにしている。
まあ、待たされてる浮気相手側はたまったもんじゃないわね(苦笑)…という訳でこの展開な訳ですが。
本作のキーキャラである「猫のカンタ」がこれまたとてつもなくゆる~い猫ちゃんでw、誰にでも抱っこされて誰にでもいいこいいこされて誰からもご飯貰っちゃう緩い子w
そもそも主人公夫妻はカンタを虚勢もさせてないし令和の現代で街中で半外飼いしてるし、そこんとこ動物愛護云々に小うるさい人が観たらキーキー騒ぎそうですがそこは本作の内容的にカンタには外に出て貰わないといけないし自力でおうちに戻って来て貰わないといけないので華麗にスルーするとして^^;
何と言うか…本作の主人公夫婦の、特に夫の広重が…カンタと同じで(いや同等扱いしたらカンタに申し訳ないか)緩いんだよね色々とw
この夫婦が結婚するきっかけが「捨て猫だったカンタを拾った」事だったんだけど、広重は当時亜子から「妊娠したかも知れない」事を示唆されて亜子から逃げようとしていたんだけど、逃げようとした正にその時にたまたま捨て猫を見つけて亜子の元に戻った→結婚、という流れだった。(結局妊娠はしていなかった)
自分から浮気しておいて亜子から問い詰められた訳でもないのに(ふんわり勘付かれてはいたが)自責の念に堪えかねて自分から浮気していたことを告白している。コレは劇中でも亜子から指摘されていたけど、亜子に申し訳ないという気持ちから告白した訳ではなくて自分の罪悪感を亜子に告白する事で責任転嫁して自分が軽くなりたかっただけ。
そして今は浮気相手から離婚をガンガンに迫られていて、それに対処するのが面倒臭くて猫の親権問題を持ち出して現実逃避している…不思議なもので、この手の緩い人って根本的にどこまでも優しいんだよね。言い方変えれば優柔不断なんだけどね。だから一緒にいて居心地がいいんだ。それでいつまでもズルズルしちゃう。
なかなかいいキャラクター設定だなーと感心してしまった。世の中の浮気してどっちにもいい顔してズルズル逃げてる男の典型ってこのタイプだよなぁーとw
ま、本作は嫁の亜子の方も割れ鍋に綴じ蓋なキャラだったから「ちょうどいい夫婦」だった訳ですが(苦笑)
という訳で、本作の中では亜子の恋人・松山君が一番まともっちゃーまともなキャラだったかな、と。まあ浮気に加担したのはよろしくないですが。
でも松山君の「お似合いの夫婦ですよ」と「これ以上好きな人を困らせたくない」というセリフは…なんだかホッとするっていうか、スゥーッと正気に戻るというかw
そんなこんなで…私にも井之脇海君プロデュースの「アレルギー鼻炎に効くフレーバーティー」を煎れて欲しい!私も猫アレルギーなの切実なのーーー!^^;
それにしても「アガペーからエロースへ!」が耳について離れないっ!!
そして最後のスタッフロールを観ていて衝撃の事実が…「映画のナレーション:瀬戸康史」って!マジか!こんなトコロで「愛なのに」コラボとか笑うわっw