第四十八話「グッバイ、また会わん」はこちら。
前回の視聴率は12.2%と降下。祭りは終わったということだろうか。
山川健次郎総長のもとへ馳せ参じたので、日曜日にまたしても見ることができませんでした。山川先生のおかげもあってか、東大はそれはもう立派な大学でしたよ。いくらシンボルでもイチョウを植えすぎではないかと思いましたが。
のっけから教育勅語。覚馬は
「教育の名の下に、人をしばるようなことがあってはなんねぇが」
と、むき出しの発言。あいつとかあいつとかあいつに聞かせてやりたいっ!
その覚馬と、松平容保退場。
「もしも会津が徳川を守らなかったら、本当の武士などどこにもいなかったことになってしまう」
という山川浩の総括は、戦に懐疑的だった覚馬の考えと相反するようだけれども、確かに両者に義はあった。
守る側も、攻める側も、江戸を中心に考えれば辺境から出てきたことと、会津に不在だった山本覚馬が、生涯会津にこだわり続けたことはきっとシンクロしている。
「風を入れてくんなんしょ」
母に抱かれながら、会津弁で東北(だと思います)を見やる覚馬が哀しい。視力を失いながら、だからこそ彼は会津を見つめ続けていたわけだ。「八重の桜」がいかに山本覚馬という存在に依っていたかがうかがえる回。妻を裏切り、妻に裏切られたこの人の人生もまた波瀾万丈だったなあ。
日清戦争開戦。熱狂する庶民。いつのまにか国民国家が完成に近づいている。そのもっとも簡便な方法が「敵をつくること」なのは、いまの政権がやっていることと同じか……やれやれ。
さていよいよ最終回。視聴率はご祝儀もあって15%と読みましたよ。
最終話「いつの日も花は咲く」につづく。