第四十九話「再び戦を学ばず」はこちら。
びっくりしましたねえ。大河ドラマの主人公が動画で登場!こんなことは今までなかったはずで、一年間つきあってきて(いろいろとあったけれど)本当によかったとしみじみ。ありがどなし。
八重の後半生の主軸である茶道への傾倒、日本のナイチンゲール、受勲、徳富蘇峰との確執などが、一時間であっさりと。でもこれは正解だったと思う。正直にいえば、新島八重という人物を前から知っていた人はそうはいないはずで、エピソードてんこ盛りではあるにしろ、静かな余生からドラマ的興奮はなかなか。
このドラマの主人公は、なにはともあれ「会津」だったのであり、フクシマをNHKとして応援したいとするなかで、ひょっとしたら候補であったかもしれない松平容保や大山捨松よりも、一年間を通せば八重はベターな選択にすぎなかったのかもしれない。
でも会津の復権はこのドラマにおいて成功したといえると思う。なにしろ、同じ東北にいて、山口県と福島県が融和したとかいうニュースを「そんな時代錯誤な」と笑っていたぐらい何も知らなかったわたしが「会津は朝敵じゃねえ!」と納得したぐらいだし。おそるべし大河ドラマ。まあ、西郷隆盛を神様に祭り上げている庄内の人間だからという特殊事情もあるだろうけれども。
綾瀬はるかはこのドラマを背負ってみごとに完走。老けメイクをほとんどやらないあたりの見極めはこれからの大河でも継承されることを願う。いいじゃん別に老けなくても。もっとも、風吹ジュンと香野百合子が白髪頭で語り合っているのを見て、わたしたち夫婦は感じ入ったのだけれど。よくぞここまで巨乳を隠し通したっ!てことも感服
綾瀬以外では、なんといっても西島秀俊と吉川晃司がすばらしかった。役者としてランクが二つぐらい上がった感じ。谷村美月が演じた時栄は、彼女でなければドラマに変な色が着くところ。うまい。これからの彼らが楽しみだ。
欠点がめだったドラマでもある。特に後半、若者中心になってからはセットの味気なさもあって緊張感が失せていたのは残念。明治ものはやはりむずかしいのか。
ということで来年は例によって戦国ものか……毎週アップするのはかなりしんどいけれど、お勉強になることは確かなのよね。うーん、一回目を見てから考えます(笑)