と妻はいそいそとDVDをリビングに持って行った。
「……」
「どうしたの?面白かったでしょう」
「ちょっとあまりにもSPがまぬけすぎない?あそこで……」
いやいやそれを言ったらこのドラマは成立しないんだけど(笑)
映画監督としても優秀な木内一裕(ビー・バップ・ハイスクール)の原作をもとに三池崇史が映画化。殺せば十億円もらえる社会のクズを、福岡から東京まで護送するてんまつ。
護送メンバー(大沢たかお、松嶋菜々子、岸谷五朗、伊武雅刀)にそれぞれドラマがあって、しかもそのドラマがあること自体がトリックになっている。うまい。
大沢たかおは例によって熱演。近ごろそれが空回りしないのは「JIN」で何かをつかんだのだろう。徹底してクズ野郎である藤原竜也は、デスノートあたりよりもずっと柄にあっている。
ラストのセリフは、こうくるだろうなと予想できても笑える。わたしは好きですこの映画。やはり三池映画には、違った時間が流れている。
にしても、日本で撮影許可がおりないから台湾で撮る、という軽く国境を越える発想は、やはりワーナー資本が入っている証しでしょうか。