第十話「毛利襲来」はこちら。
前回の視聴率は15.7%で微増にとどまった。このまま安定していくんだろうか。
毛利との水軍の大敗北でうろたえる官兵衛。秀吉が援軍に来るとの文に大喜び……までがアバンタイトル。今回は官兵衛が軍師らしくなく絶叫芝居に終始するのがしんどい。
話の筋として、まだ官兵衛は未熟なものだから、腹蔵のない宴を開いて信長に逆心がないところを見せる秀吉の器に感服するという流れ。だから仕方ないとはいえ……
高山右近役で生田斗真登場。こないだまで洗車機で身体を洗われていたとは思えない沈着な役柄。かなり期待できそう。
同様に、キャストのなかでこのドラマで生きている人とそうでもない人の差が出始めた。小寺政職の正室である高岡早紀は意外なほど時代劇が合っているのに比べ、言っちゃなんだがこれから大きな役になる(んでしょう?)荒木村重のこれまた正室であるだし役の桐谷美玲のコントっぽさはどうしたことだろう。
これからしばらく、官兵衛よりも切れる人材として扱われる竹中半兵衛の谷原章介は(特にその声が)すばらしいのにあの人は……
妻と娘といっしょに観ていたんだけど、そのなかでもやっぱり福島リラにはみんな騒然。美人か美人じゃないかとかいう以前に、この人はなんか持ってる。濱田岳といっしょに目がはなせません!
信長の命に反した秀吉は大宴会で活路を開く。確かにそういう部分もその当時はあったかもしれない。でもこの発想って高度成長期っぽい。森繁久彌と三木のり平、そして小林桂樹が出てきそう。でも彼らもまた、ある意味命がけの宴会をやっていたのだが。
実はもっと高度成長期らしく経済の部分でかなりの調略が行われていたはずであり、宇喜多直家とのやりとりの背後には、絶対にそれがあったはず。あ、これからそれは描かれるのかな。
にしても陣内孝則の登場はうれしい。わたしの大河ドラマベストワンである「太平記」の佐々木道誉の再来。腹の中がわからない、という意味でいっしょだし。
絶叫芝居がどう影響するかなあ。今回の視聴率はやはり15%台では。
第十二話「人質松寿丸」につづく。