第十一話「命がけの宴」はこちら。
前回の視聴率は15.8%で的中。裏のTOKIOがえらいことになっているようなのでむしろ健闘か。実はわたしもYouTubeで城島の涙を見たときはグッと来てしまいました。
さて、今回はロボジーが謀反したため、彼の人質はみな首を斬られる。信長の執着する茶器ごと自害する松永久秀の異様さが描かれるので、播磨の諸侯が人質を出すことの意味がわかりやすく呈示される。
これまで政職が嫡男を溺愛する描写が続いたのはこの回のためなのだろう。鶴太郎はいろんな理屈をつけて(それは嘘ではないのだが)信長に人質を出すことを拒否する。ために官兵衛は一子を提供することになるのだが……
妻の中谷美紀が鼻水と涙を流しながら拒否する理屈は母として当然。彼女は夫の上司を信じていないことがここであからさまになる。もちろん官兵衛だって心の底から信頼しているわけじゃない。
こっから、戦国時代ならではのホームドラマ。やけにこまっしゃくれた息子(そりゃ、のちの黒田長政ですから)は、お家のために役に立ちたいと人質になることを志願する。
それもありだろうと思う。当時はそうでなくては生きていけない時代なのだから。わたしが期待するのは、ここまで息子に覚悟させたのだから、官兵衛の無用な絶叫芝居は今回でおしまいなのだろうなと。子によって親が大人にさせられるのは、現代でも同様のお話ではないですか。
これから腹芸VS腹芸の展開になるのだろうからそれはいい。ただ、岡田准一の体技がフェイドアウトしていくのはちょっと残念かな。この一年で、彼の乗馬はきっともっと上達していくんでしょう。わたしはきのう西部劇「ヴェラクルス」をDVDで見て、日本人にはもっともっと馬経験が必要だ!と痛感したので。すげーよバート・ランカスターって。
なんの根拠もなく今回の視聴率は16%台と読みました。番組改編期だからこそ、いつもの大河であってほしい。
第十三話「小寺はまだか」につづく。