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「ポッパーズMTV」におけるバラカンの語りは、いわゆるガイジンの日本語とは微妙に違っていて味があり、誠実さも伝わってきて大好きだった。なにしろ選曲も渋いしね。
余談だけど、バラカンがその番組をお休みしたときがあって、ピンチヒッターはTBSの局アナのM。眺めているだけで、隣にすわっている女性アシスタントが彼を嫌っていることがビシビシ感じられる。
Mはそれを知ってか知らずか、エンディングで彼女の手に自分の手を重ねたのだ。そのときのアシスタントの顔!いやータレントの素の表情があそこまでむき出しになった瞬間は他にないと断言。よくもまあ編集でカットされなかったものだ。
さて、バラカンは現在のミュージックシーンやラジオの現状に危機感を抱いている。欧米のロック中心にポップスは巨大なビジネスになっているけれど、むしろアフリカなどのワールドミュージックに未来はあるのではないかと。
それに、手作業なDJの選曲センスで勝負すべきラジオが、どうも不自由なものになっていないかと論じている。この本が出てから、その危惧が的中してしまった。
NHKの籾井勝人(もみいかつと)会長は五日午前、参院予算委員会に参考人として出席し、NHKのFM番組にレギュラー出演している音楽評論家のピーター・バラカン氏に対し、東京都知事選が終わるまでは原発問題に触れないよう要請していたことを明らかにした。
籾井氏はバラカン氏について「放送法は政治的に公平であること、意見が対立している問題にはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることを定めている。都知事選では原発問題が争点の一つとなっており、期間中の番組はより公平性を期する必要性があり、いろいろ検討した結果、出演が取りやめられた」と述べた。
バラカン氏は先月下旬、都知事選が終わるまで原発の問題に触れないよう複数の放送局から求められていたと明らかにしていた。
NHKラジオ第一放送で先月末、経済学の観点から脱原発について語ろうとした中北徹東洋大教授に発言をやめるよう求めたことについても籾井氏は、「選挙期間中でもあり、テーマの変更を求めた」と認めた。
2月5日夕刊 東京新聞
……なんてこったー!
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