第二回「決断」はこちら。
前回の視聴率は、及ばないだろうと思ったのに大台を超えて20.1%。「イッテQ」のスペシャルがあり、イモトと同時に、しゃべらないベッキー(たかが不倫じゃないか、なに騒いでんだ)がいたにもかかわらず。
数字だけでなく、マスコミの論調もこの大河に好意的なようだ。「新選組!」のときとはえらい違い。その背景に、講談調の面白さを残しながら、(大泉洋に徹底してシリアスな演技をさせるなど)歴史ファンに気を使っていることがあるんだと思う。でも、読者の歴史オタクはやはり厳しいです。
「本多正信に鷹の世話をさせるシーン、石川数正に『徳川家臣に裏切りはない』と言わせるシーン、歴史好きにニヤッとさせる部分もいいでしょう。でもねえ、新府城での家康のやけどのシーン、穴山との対面前のシーン、何よりも最後の決断のシーンは……三谷さん、あのねえ、清洲会議とは状況がちがうでしょうよ。」
さあ第三回にとっととまいりましょう(笑)。
「船出」「決断」ときて今回は「策略」。ディック・フランシスの競馬シリーズばりにすべて二文字でいくんだろうか。ミステリファンの三谷幸喜ならではの趣向。
しかし真田家の物語をつむぐ上で、もう“策略”を使っちゃうのか。早すぎないか……いやいや、その名に恥じない策略っぷりでした。昌幸(草刈正雄)の上杉への密書をめぐる深謀、信繁(堺雅人)の近在との争いにおける戦略、そして黒木華と長澤まさみのラブコメ騒動。最後に、信幸(大泉洋)の腹芸。うん、策略というタイトルにふさわしい回だった。それぞれのエピソードの順番が、こうでなくてはならないと納得できるあたり、さすが三谷幸喜と思わせる。どんだけ面白くなるんだ。
「清須会議」で黒田官兵衛を演じていた寺島進が、戦国とは結局は博打の連続だと醒めていてうれしい。長澤まさみはやはり東宝ラブコメの女王だとつくづく。
今週の名ゼリフ。
「そなたは、嫡男だ」
この昌幸から信幸への言葉が、一年間をつらぬくテーマになるわけよね。視聴率は常に予想を上回るので22%台に上昇と読んでます!
第四話「挑戦」につづく。