第二夜はこちら。
ここからはめんどくさいので、例によって役者の名前でストーリーを。
いかにも悪相な佐藤浩市は、脅迫されていることを萬斎に告げて、身辺警護を依頼するが断られる。実業家ではあるが、かなり胡散臭く、奇妙な笑い方をする。偶然に佐藤の隣の部屋になった萬斎だが、乗客たちのさまざまな行動によって熟睡することができない。
翌朝、萬斎は高橋克実にふたつの困ったことが起こったと告げられる。
・雪のために列車が止まってしまったこと
・佐藤がベッドで殺されていること
である。当然、鉄道会社の人間としてはどちらも重要だが、萬斎にとっては殺人こそがテリトリーだ。しかしこの殺人はいかにも奇妙で
・ナイフによる刺し傷が致命傷だが、その数が多く、めった刺しに見える
・刺した人間は右利きであり、左利きのようでもある
・Nという頭文字の入ったハンカチ、パイプクリーナー、脅迫状の燃えかすなど、現場に手がかりが多すぎる
……登場人物がこれだけ多いので、ミステリとしてのキモは「誰がやったか」(このドラマの英語題名はWhodunit?(Who done it?の略。ミステリ用語)となっている。次号からネタバレ全開でいくので今回は秘すけれど、確かに
・なぜやったか(Whydunit)はかなり前から明らかにされている(復讐)
・どうやったか(Howdunit)は刺殺であることに疑問はない
問題は
・どこでやったか(寝台車はすべて鍵がついた個室)
・いつやったか(ヒントだけは盛大にばらまかれている)
こちらの方が興味深い。まどろっこしい話になってきた。さっさと次号にいきましょうか。