第四十一回「入城」はこちら。
前回の視聴率は15.4%と微増にとどまった。裏の日テレが大騒ぎだったにしても、それを蹴散らす勢いがほしかったなあ。今回は日本シリーズが裏にあるわけで……にしても、さほど脅威に感じないあたりがプロ野球ファンとして哀しい。わたしも、どちらも好きな球団ではあるけれども、菊池の守備(むちゃくちゃに凄いですよね)と黒田の粘投以外はさほど……。
さて「味方」。どう考えても三谷幸喜は「清須会議」Vol.2をやりたかったのだ。あの映画とこの大河には共通のキャストが数多いことでそれは歴然(まあ、三谷組ですけど)。大泉洋、寺島進、小日向文世、鈴木京香、迫田孝也など。しかしそれ以上に、滝川一益を演じた阿南健治が長宗我部盛親という、あの映画と似たようなスタンスの人物を演じたことで同じ匂いがプンプン。
加えて、先週は「なんとか官兵衛」ときりちゃんに言わせて軍師官兵衛に突っこみを見せれば、今週はお江(新妻聖子)に秀忠が「控えておれ」とかますなど、大河ファンへのサービスもたっぷり。
つまりは、ゴールが見えてきたので余裕かましてるってことですかね。そのなかでも笑えたのは織田有楽斎を演じた井上順。あの、無能だけれども戦国の世を生き抜き、それどころか有楽町の名でいまも脈々と息づいている人物の描き方など絶妙。
くわえてお名刺を配りまくる塙団右衛門や父親の策を自分のものだと言い張る幸村など、大坂城の混沌は秀頼や大野修理を悩ませはしただろうけれども楽しそうだ。いまでも、大坂方へのシンパシーが強いのは、この野放図さがあったからかも。
でも大変そうだよね大坂城。部屋割りであそこまでもめるんだからなあ。今回はシチュエーションコメディ(三谷幸喜はホテル好き。大坂城をグランドホテルに見立てている)なのでそう視聴率は望めない。よくて16%台かな。弱気ですわたし。