事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「残り者」 朝井まかて著 双葉社

2016-10-01 | 本と雑誌

江戸城開城の前日、篤姫の号令のもと、大奥も解体される。しかし、地位も役職もばらばらの5人が居残っていた……

展開はまるっきり浅田次郎の「黒書院の六兵衛」だ。もちろん朝井は意識して女性版六兵衛を描いたのだとは思う。

後宮、というイメージとは程遠い大奥のリアル。男に頼らないで生きていける数少ない場所のひとつ、というのは確かにね。徳川慶喜がどれだけ大奥で嫌われているか(慶喜もまた大奥を敬遠)など、なるほどなあと思わせる。

明治の世を、この5人がどのように生き抜いたかのラストは、朝井らしいファンタジー。

コメント
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