事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

戦後の音楽文化PART4 合唱

2016-10-24 | 音楽

Chicago - 25 or 6 to 4 (Remake)

PART3「吹奏楽コンクール」はこちら

歌の話になったところで、合唱のもつ魔力についても考えてみよう。

国民合唱」(NHK)
「海ゆかば」や「みたみわれ」が大政翼賛会による国民皆唱運動で活用されたように、1943年以降の「国民合唱」は国民運動推進に寄与した。「皆唱」はいわば合唱の本質的性質であり、合唱と社会運動の連結は戦後の「うたごえ運動」にも見ることができる。一人の声が他者の声と重なり融合していく体験は、音楽的感動以外に、共同体意識を呼び覚ます。

……戦時中に、それこそ戦時色に染まりきった歌をガンガン放送したラジオ番組だから批判しているわけではないの。歌というのは、それほど強力だということなのだ。特に教職員はそのことを日々感じているのではないか。

「校歌」
私たちは小学校に入学すると校歌を覚え、中学・高校・大学と同様に校歌に遭遇する。また、小・中学校のころにはそれぞれの自治体の市歌・県歌に出会うケースが多い。その後、会社の社歌、工場の工場歌に接する人も少なくないだろう。私たちは人生のなかで所属する社会集団の歌に必ずといっていいほど出会う。

これらの歌謡の始まりは明治期だが、全国に普及していくのは、実は昭和期、ことに1930年代である。その中心的担い手は詩人・北原白秋で、彼は「国民歌謡」と自ら定義する有機的な歌謡体系を構築した。そこには、天皇統治の国家のあり方を称賛する「頌歌」=「国体歌」を頂点として、軍国主義国家日本の軍事全般を題材とした「皇軍歌」が続き、工場歌や社歌や市町村歌などの「団体歌」と、小学校から大学・専門学校までを対象とした「校歌」が連なり、さらに国民の日常生活を鼓舞する「生活讃歌」が組み込まれていた。白秋は、国民共同体・国家有機体を歌謡によって構築し、そこで国民たちの「皇民」的資質を喚起しようとしていたのである。

……へー。あの北原白秋がねえ。これは意外だ。この解説でもわかるように、歌によって“帰属”意識は確実に醸成される。だからこそ、どの中学校でも合唱コンクールが生徒指導的な意味合いもあって開催されるのだろう。達成感は比類がないほどだ。以下次号

本日の一曲は「あーさひーにはえーてー」という母校の校歌にしたいところですが、もちろんそんな動画はないし、学校自体も無くなってしまった(泣)。そこでブラスといえばこのバンド、シカゴ(祝ワールドシリーズ進出)の「長い夜」。ファンには怒られるだろうけれど、わたしはこのリメイクバージョンが大好きなんですよ。

コメント
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