見る前に知っていたのは
・マーベルのいつものシリーズであること
・主演はわれらがベネディクト・カンバーバッチ
・アメリカで大ヒット
これだけ。おかげで「ほー」と驚くことがたいそう仕込んであった。タイトルからしてキューブリックの「博士の異常な愛情」Dr. Strangeloveをひねったのだろうから、素直な作品ではないと思っていたけれど……
・魔法使いの先輩弟子の黒人俳優はどっかで見たことあるな。あ、「それでも夜は明ける」主演の彼じゃないか。ということはカンバーバッチと再共演ってことか。
・ソリの合わない同僚の医師もどこかで……おお、「トランボ」でエドワード・G・ロビンソンを演じたあいつだ。
・悪役は、一度見たら忘れられないルックスなのでわかりやすい。「カジノ・ロワイヤル」で血の涙を流し、「ローグ・ワン」でヒロインのお父さんを演じたマッツ・ミケルセン。
・魔法の師匠はなんとなんとティルダ・スウィントン。「オルランド」「フィクサー」「スノーピアサー」など、普通の役はまずやらない彼女は、今回フルヌードになったり脇汗かいたりはいたしませんでした。
つまりは、およそマーベル漫画まつりに参加しそうにないくせの強い役者を集めて(カンバーバッチがその筆頭だ)、キャスティングに凝りまくっていることがまず理解できる。もちろん、大ヒット確実だからできることなのだが。
マーベルの戦略はもっとはっきりしていて、なんとかして大人の観客をこのシリーズにひきこもうとしていることがうかがえる。以下次号。