第一作はよくできていた。とにかくよくできていた。おかげで大ヒット。テレビドラマの脇役にすぎなかったブルース・ウィリスを一気にスターにしている。
FOXとしても、こんなおいしい果実をそのままにしておくわけにはいかないし、ブルース・ウィリスとしてもスターの座を盤石のものにしたいはず。かくて続編製作は不可避だった。
しかし課題もある。
・ブルースとしても、マクレーン刑事という役のイメージの固定化は避けたい。
・一作目に匹敵する脚本が用意できるのか。
・いくらなんでも同じ人間がそうそう事件に出くわすものだろうか。
……結論から言って、すべてクリアできたのではないでしょうか。無茶はするけれども有能で愛妻家であるマクレーンというキャラは、なお愛されるに値したし、脚本も練られている。しかもこのシリーズのキャッチコピーは「世界一運の悪い男」と開き直っていますから(笑)。
一作目と同じクリスマスの物語(だから多少のことは大目に見てもらえる。奇跡はクリスマスに起こるものだから)。マクレーンは、妻を迎えに行った空港でテロリストと遭遇する。
まあ、何度も見ると(何度も見るくらいわたしはこの映画が好きです)テロリストの計画がああも簡単に実現してしまうのはいかがなものかと思うし(でもないとマクレーンの出番はないわけだが)、前作と同じレポーターが妻といっしょの飛行機に乗っているのは偶然にすぎるとか、アラも目につく。
でも、実包には赤いビニールテープが巻いてあるなどの細かい仕込みがうれしく、「フォード・フェアレーンの冒険」でブレイクしたレニー・ハーリン監督は“このころは”好調だったんだよなあとしみじみ。
問題は、ダイハードの奇跡は2回しか起こらず、3作目以降は普通のアクション映画に堕したことなんですけどね。