どうも、後輪のあたりから異音がする。春にタイヤ交換をしてからずっと。こういうとき、まっとうな社会人ならすぐにディーラーかタイヤ屋に飛びこんで対処する。
わたしは違う。そういうことがすぐにできないのだ。こういうひたすらずぼらな人間なので、まあ走るんだからいいや、と放っておく。放置しておいていいことなど何ひとつないことを承知しながら。
この状態のまま米沢や山形と何往復かこなす。
「ちょっと変な音がしない?」
助手席の妻に確認する。
「……そういえば、鳴ってるわね。だいじょうぶなの?」
「……」
ひらめく。タイヤ交換を頼んだディーラーのサービスマンは
「タイヤの溝が、もう3ミリしかないですよ。限界ですねえ」
と主張していたのだ。そうだそうだよこの機会にタイヤを買えばいいんだっ!……こんな当然のことに気づくのに1ヶ月もかかってしまいました。
でもね、娘のクルマ、パソコンなど、近ごろ買い物し放題。金欠なうえに、わたしのクルマがあと何年保つのか、という重大な問題が。
またひらめく。中古タイヤという選択肢があるじゃないか。コミュニティFMでいつもCMをやっているあの会社に行ってみよう。でも、賢い消費者として、店のサイトに入ってわたしのクルマに合うタイヤの在庫があるかをチェック。
ない。
ずぼらであると同時に無謀でもあるわたしは、知ったことかとその店を急襲したのでした。以下次号。