井上陽水 帰れない二人
ふたりの女性が、ほぼ同時に辞意を表明した。稲田防衛相と、蓮舫民進党代表。この、ほぼ同じ時期にというあたりが妙味。どちらかがどちらかにぶつけることで報道における扱いをなんとか小さくしたかったのかもしれず、政治とはこんな偶然の集積なのかもしれない。
蓮舫代表には同情すべき点が多々ある。彼女に失点があったとすれば二重国籍問題だろうが、あれを騒ぎ立てる神経がわからない。まあ、ウヨ系の方々からすれば、彼女をたたくネタがあればなんでもよかったのだろう。
代表の不幸は、率いるべき党が最初からバラバラだったことだ。だからどんな後ろ盾がついたとしても、その後ろ盾によって“色”がついてしまい、結局は足をひっぱられる。例によって前原が代表選に出るようだけれども、彼がふたたびトップに立つようならわたしはこの党を完全に見放す。改憲・原発推進派と護憲・反原発派に早いところ割れてくれないかなあ。
連合がそれを許さない?でもその連合自身が現政権と裏取引をしていたことがあからさまになっちゃったじゃないですか(笑)。なにやってんだか。
防衛相については、まことに残念なことと言わざるをえない。彼女のことだから特別監察の結果も無視して居座ってくれるものと期待していたのに。そうすれば、もっともっと現政権は弱体化し、民進党の混乱を相対化してくれただろうに。
しばらく稲田朋美はオモテに出て来れないだろう(油断はできませんが)。自民党の、といって悪ければ極右系与党の最も醜い部分を体現していたのが彼女だった。数に驕り、選挙民をなめ、マスコミや法律などなんとでもなると。
それ以前に、この稲田という人物が無能だったことは確かで、なにしろあの奇矯な籠池夫妻が自らの顧客であったことをすっかり失念していた(笑)というのだ。少なくとも、その申し開きが通用すると発想した時点でこの人はアウト。内閣改造一週間前に辞任という、ちょっと恥ずかしすぎる結末をつくりあげた首相と彼女の連携もおみごと。
ということで本日の一曲は井上陽水と忌野清志郎が三鷹のアパートでカレーを食べながらつくった「帰れない二人」。わたしは70年代フォークの最高傑作ではないかと思う。
で、関係ない話だけど、今日の「ひよっこ」にはまいった。
「わたし、わがっがら」
自分も苦労してきたからこそ言えるみね子のこのセリフに泣けないやつは人間じゃねー(笑)
これから、このドラマは「ひまわり」(松嶋菜々子じゃなくてソフィア・ローレンのですよ)パターンで突っ走るのかなあ。岡田脚本だから油断はこちらもできませんが。